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第1078回

やっぱりガソリン車が安心?それとも電気自動車がいい?エコカー減税の適用範囲を確認!

車検が切れるタイミングに合わせて車の買い替えをしようと思っています。エコカー減税の適用基準が厳しくなったと聞きましたが、減税対象となる電気自動車は価格が高めなので迷っています。(Uさん 33歳 会社員)
ガソリン車やハイブリッド車でも性能によっては電気自動車と同等の減税が受けられる車種もあります。価格やライフスタイル等、総合的に考えて車種を選ぶようにしましょう。

ガソリン車、ハイブリッド車、電気自動車、どれを選ぶ?

日本を含む120以上の国が、2050年までにCO2排出量実質ゼロを目指す、いわゆるカーボンニュートラル実現に向けて動いています。私たちの生活に欠かせない自動車では、世界的にガソリン車から電気自動車(EV車)へのシフトが進んでいますが、日本では中国や欧米と比較すると後れをとっているようです。

一般社団法人日本自動車販売協会連合会が発表した燃料別登録台数統計によると2024年3月の登録台数(乗用車のみ)においてEV車は1.5%にとどまり、ハイブリッド車(HV車)62.9%、ガソリン車29.2%となっています。充電インフラ不足や車両価格等の問題から、EV車よりHV車やガソリン車を選ぶ方が多いと推測されます。

ただ、政府は2035年までに乗用車新車販売で「電動車(HV車を含む)」を100%にするという目標を掲げており、環境に配慮したHV車等もエコカー減税の対象となっています。

2024年からエコカー減税の対象が厳格化?

エコカー減税とは、自動車購入時や車検時の「自動車重量税」が減免される制度です。対象となる車種は、EV車、燃料電池自動車、天然ガス自動車、プラグインHV車(外部から充電可能なHV車)、クリーンディーゼル車に加え、一定の燃料基準や排ガス基準をクリアしたガソリン車やHV車です。対象となる車種は一般社団法人日本自動車工業会のHPに掲載されています(2024年4月現在)。

2009年に始まったエコカー減税は2026年4月末まで続く予定です。2024年1月にはクリーンディーゼル車の要件変更があった他、ガソリン車やHV車の燃料基準も厳しくなりました。2025年5月以降は更に要件が厳格化されます。

エコカー減税の概要(適用期間:2024年1月1日~2025年4月30日)

適用期間中に新車新規登録等を行った場合

対象・要件等 税目 特例措置の内容
・電気自動車(EV車)
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合)
・プラグインHV車
重量税 新車新規検査 免税(※1)
  性能   2030年度燃料基準(※2)
70% 80% 90% 120%
ガソリン車/LPG車(HV車を含む) 2018年排出ガス規制50%低減 重量税 新車新規検査 25%軽減 50%軽減 免税 免税(※3)
クリーンディーゼル車(HV車を含む) 2018年排出ガス規制適合

エコカー減税の概要(適用期間:2025年5月1日~2026年4月30日)

適用期間中に新車新規登録等を行った場合

対象・要件等 税目 特例措置の内容
・電気自動車(EV車)
・燃料電池自動車
・天然ガス自動車(2018年排出ガス規制適合)
・プラグインHV車
重量税 新車新規検査 免税(※1)
  性能   2030年度燃料基準(※2)
75% 80% 90% 達成 125%
ガソリン車/LPG車(HV車を含む) 2018年排出ガス規制50%低減 重量税 新車新規検査 軽減なし・本則税率 25%軽減 50%軽減 免税 免税(※3)
クリーンディーゼル車(HV車を含む) 2018年排出ガス規制適合

(出典:国土交通省HPエコカー減税の概要)

(※1)新車新規登録時に免税を受けたEV車は初回継続検査時等も免税
(※2)ガソリン車・LPG車・クリーンディーゼル車の減税対象は2020年度燃料基準達成車に限る
(※3)初回継続検査時等も免税

上記の表を見ると、条件が厳しくなったとはいえ、環境性能が優れたガソリン車やHV車にも、EV車に劣らない免税措置を受けられる場合があります。

エコカーの優遇があるマイカーローンもある

どの車種にするかは、減税対象かどうかに加え、価格や近隣の充電可能なスタンドの数、車の利用目的などライフスタイルにもよるでしょう。自己資金だけで自動車購入が難しい場合には、ローンを利用する場合が多いと思われますが、エコカーの場合には金利優遇キャンペーンを行っているマイカーローンもありますので、選択肢として検討してはいかがでしょうか。

金利優遇対象となるエコカーの車種や条件は、ローン商品によって異なるのでよく確認しましょう。複数の商品で比較し、なるべく低い金利で利用できるローンを探すと良いでしょう。ローンを利用する際は、燃料費や車検費用と同様、税金も含めて維持費として見積もり、無理なく返済できるよう、きちんと計画を立てるようにしましょう。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2024年05月02日