第1077回

空き家を解体したい!リフォームローンの利用が可能?

実家を相続しましたが、私はすでにマイホームを持っていて、実家に住む予定はありません。立地条件が悪く、売却は難しい状況です。国が引き取ってくれる制度を利用するために更地にしたいのですが、空き家の解体費用に利用できるローン商品はありますか?(東京都 63歳)
空き家の解体費用にリフォームローンを利用できる金融機関があります。また、最近では空き家解体ローンを取り扱う金融機関もあります。
空き家問題に悩む老夫婦

空き家の解体にかかる費用

少子高齢化や地方の人口減少などで全国的に空き家が増え、社会問題となっています。空き家を放置すると、倒壊の危険や衛生面の問題、不法侵入など様々な問題につながるおそれがあり、国も対策を強化しています。

そのひとつとして、相続した土地を国が引き取る「相続土地国庫帰属制度」が2023年4月から始まりました。引き取ってもらうには更地にする必要があり、その費用は自己負担です。

家の解体費用は建物の立地や規模、構造などにより異なります。30坪程度の一般的な木造戸建住宅の解体費用の目安は100〜200万円程度ですが、外構や植物の撤去などによりさらに費用がかかる場合もあります。また、基本的に家財は家を解体する前に処分しておく必要があり、その費用も考慮しておかなくてはなりません。

空き家の解体費用に利用できるローン商品

空き家の解体費用が自己資金では不足する場合には、金融機関からの借り入れを検討しましょう。リフォームローンの資金使途に空き家の解体費用が含まれている金融機関が多くあります。また、「空き家解体ローン」を取り扱う金融機関も出てきています。一度比較検討してみるといいでしょう。

また、空き家の改修や解体に対して補助金制度を用意する自治体も増えています。補助金を受けるための条件や金額等は自治体によって異なるので、空き家のある地域の自治体で詳細を確認しておきましょう。

空き家を手入れするには、時間もお金も労力もかかります。しかし空き家を放置すると、近隣住人から苦情を受けたり、行政から指導を受けたりするおそれがあります。さらに放置すれば固定資産税の負担が増えたり、罰金が科されたりする場合もあります。これらを防ぐためにも、家族で話し合い、必要があれば自治体にも相談して、売却や有効活用、解体などの対策を考えましょう。

【参考リンク】

私が書きました

宮野 真弓 の写真

宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2024年04月22日