第43回

教育ローンの仮審査・本審査とは?審査の流れと必要書類、審査基準について

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この記事のポイント
  • 教育ローンの審査までの流れを事前に確認しよう
  • 教育ローンの仮審査では年齢や年収・借入状況などが見られる
  • 本審査では必要書類の提出を求められる
2人の子供が机で勉強している画像

子どもが小さいころから教育資金の準備に取り組んでいる親は少なくありませんが、教育ローンの利用を検討しなければならない場合もあります。しかし、他のさまざまなローンと同様に、教育ローンを利用するには審査に通らなければなりません。
一般的に審査には、仮審査と本審査がありますが、申込みから利用までに一定の時間がかかるうえ、金融機関に必要書類を提出するなどやりとりも必要です。せっかく志望校に合格しても、入学金の支払期限に間に合わないことになっては困りますから、教育ローンの審査や手続きの流れについてしっかりと押さえておきましょう。

教育ローンの仮審査・本審査とは

机の上にファイルと電卓が乗っている画像

教育ローンの申込みをしてから借り入れとなるまでの間には、いくつかの手順を踏まなければなりません。どのようなステップがあるかについて見ていきましょう。

教育ローンの審査から契約までの流れ

申込みから借り入れまでの流れはどの金融機関もほぼ同じです。仮審査と本審査の2段階の審査が行われるのが通常です。

申込み

まずは、仮審査(事前審査)に申込みをします。教育ローンを申込む金融機関に口座を持っていれば仮審査の申込みはWeb上でできるようになっている金融機関が多い傾向ですが、口座がない場合には窓口での申込みが必要な場合もあります。

仮審査

仮審査では、申込み時の情報から返済能力の確認、借入可能額の目安の確認が行われるのが一般的です。このときに返済能力に懸念があれば、審査に通らないこともあります。

仮審査結果の通知

仮審査の申込みをして結果の通知がくるまでに、最短翌日とスピーディに行われる金融機関も増えていますが、一般的には3日から1週間程度とされています。

本審査

仮審査結果の通知と共に必要書類の案内があります。必要書類を準備して画像アップロード、FAX、郵送により提出。通常は提出方法に関しても同時に案内がありますので、指示に従うようにしましょう。本審査では、仮審査の申込み時の申告内容が正確であるかどうか、また借入金の使いみちはどのようなものかなど、より細かな確認が行われます。

契約

無事に本審査に通過すれば、教育ローンの契約に進みます。本審査結果の連絡に合わせて案内される有効期限内に契約手続きができなければ、審査内容が無効になってしまいかねません。そのため、できるだけ速やかに契約手続きを行いましょう。

なお契約手続きは、Webや郵送、窓口で行えますが、手続き方法によって有効期限が異なります。きちんと確認するようにしてください。

入金

必要書類がそろっていれば契約者の口座に入金されます。申込みから入金までに最短1週間程度という金融機関もあります。

教育ローンの支払いのタイミングと審査のタイミング

教育ローンの申込みから入金までの流れを見ても分かるように、申込みをしてから教育機関に支払いできる状態になるまでには最短でも10日前後はかかることが予想できます。そのため、入学金や授業料の支払期限から逆算し、余裕を持って仮審査の申込みをすることが大切です。

入学金の準備

進学先にもよりますが、例えば大学の入学手続きでは、合格通知に記載された期日までに入学手続きを行わなければなりません。入学手続き時の必要書類の一つに「入学料振込金受付証明書」がありますから、入学手続きをするまでに入学金の振り込みを済ませなければなりません。

大学によって多少の差はありますが、入学手続き期限を入学前の3月半ばとする大学が多い傾向です。そのため、遅くとも3月の第1週中には教育ローンの入金が準備できていることが望ましいでしょう。

教育ローンの申込みから入金まで最短で10日程度、長ければ2週間程度の日数を要する可能性がありますが、金融機関の休業日をはさむことを考えると、20日程度の余裕を持っておくのが良いかもしれません。遅くとも2月中旬には仮審査の申込みをしておいたほうが良いでしょう。

授業料の準備

大学への学費納付は、年度初めにその年度分を一括で支払う方法と、前期・後期に分けて支払う方法があります。しかし、一般的には後者の前期・後期に分ける方法を採用している大学が多い傾向です。

納付期限は、大学により差がありますが、前期分は4月~5月ごろ、後期分は9月~11月ごろになります。授業料を支払うために教育ローンの利用を検討する場合には、前期分なら3月初めごろ、後期分なら8月初めごろには仮審査の申込みをしておきましょう。

授業料の納付期限は、大学によっても幅がありますから進学を希望する大学や在学する大学の納付期限を事前に確認したうえで対応できるようにしておくと安心です。

教育ローンの仮審査

学校の模型とお金、電卓の画像

まずは、仮審査にクリアしなければいけません。教育ローンの仮審査ではどんなところを見られるのか、ポイントを押さえておきましょう。

仮審査の必要書類

仮審査の申込みをする際には一般的に次の書類が必要です。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、外国籍の人は在留カード・特別永住者証明書のいずれか)
  • 健康保険証

仮審査の審査基準

どの金融機関にも独自に設定した審査基準がありますが、その基準を公表することはありません。しかし、一般的には次のような審査基準がある傾向です。

年齢

金融機関によっても違いはありますが、申込み年齢を満20歳以上、最終返済時年齢を満70歳未満とする金融機関が多い傾向です。

勤務先・雇用形態・勤続年数・年収

金融機関にとっては、返済不能リスクを避けるためにも収入の安定性を判断することが不可欠です。そのため、勤務先や就業状況は重要なポイントとなります。会社員であれば同一勤務先に1年以上勤務していること、年収は200万円以上というように条件を設定している金融機関もあります。

一般的に、勤務年数が長く、年収が高いほど審査には有利な傾向です。しかし、国(日本政策金融公庫)の教育ローンは扶養している子どもの人数に応じて世帯年収(個人事業主は所得)の上限額が設けられています。民間の金融機関のように、年収が高ければ審査通過可能性が高くなるというわけではありませんので注意してください。

他社借入件数・借入総額

現在返済中の借入金がある場合、新たにローンを増やすことで返済負担が大きくなります。どんな種類のローンでも同様ですが、収入に対して他社での借入件数や借入総額が多すぎる場合は、審査で不利になる可能性があるため注意しましょう。

教育ローンの本審査

本審査では、仮審査の申込み時の情報に間違いがないか確認するため必要書類の提出を求められます。また、返済不能となった場合も想定しながら細かい審査が行われるのが一般的です。

本審査の必要書類

本審査での必要書類は、仮審査の結果通知の際に案内されます。一般的には、次のような書類が必要です。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、外国籍の人は在留カード・特別永住者証明書のいずれか)
  • 健康保険証
  • 借り入れるお金の使い道が確認できるもの(学校のパンフレットや学費納付書、学費の金額が分かる書類)
  • 申込み内容によっては在学が証明できる書類
  • 収入証明書(源泉徴収票や確定申告書等)

本審査の審査基準

仮審査同様に、どの金融機関でも独自に審査基準を設定しています。審査基準は一般的に公表されることはありません。しかし、仮審査で申告した情報に相違がないかの確認や、仮審査から本審査の間に他の借入状況等変わった点はないかなどのチェックは、どの金融機関でも共通して行われます。

年齢

仮審査の場合と同様に、申込み年齢を満20歳以上、最終返済時年齢を満70歳未満とする金融機関が多い傾向です。

勤務先・雇用形態・勤続年数・年収

勤続年数や年収基準は仮審査のところで説明した通りですが、その内容が正しいかどうか、源泉徴収票等の収入証明書の確認や勤務先への電話確認が行われます。

他社借入件数・借入総額

仮審査から本審査の間に他の借り入れの増加や返済の遅れ等の情報が登録されていないかなど、個人信用情報機関への確認が行われます。

オススメな教育ローンとは?教育ローンの種類や選び方

教育ローンは、さまざまな金融機関が提供しています。しかし、金利はもとより入学金や授業料の納付期限に間に合うようスムーズに借り入れ申込みができそうな金融機関を選ぶことが大切です。審査や手続きにかかる期間を比較し、じっくりと検討しましょう。

とはいえ、たくさんの金融機関の教育ローン商品から納得のいく教育ローンを選ぶことに多大な時間を費やしてしまっては元も子もありません。教育ローン選びもスピーディに行いたいものです。そうした際にチェックしたいのが、日本最大級のローンデータベースから検索できるポータルサイト「イー・ローン」です。総合、実質年率、アクセス数、申込数などの視点からランキングを確認することができます。日本最大級のローンデータベース「イー・ローン」のランキングを、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

まとめ

教育ローンを利用するには審査に通ることが必要です。審査には仮審査と本審査があります。仮審査では、申込み時の情報から返済能力の確認、借入可能額の目安の確認が行われるのが一般的です。本審査では、仮審査の申込み時の情報に間違いがないかの確認のため、勤務先に電話がかかってきたり、返済能力を確認するための細かい審査が行われたりします。

最近では、審査結果が翌日に分かるなど、スピーディに対応してくれる金融機関も増加傾向ですが、一般的には、仮審査で3日から1週間程度はかかります。仮審査・本審査をクリアして借り入れとなるまでに最短でも10日程度はかかると考えて良いでしょう。教育ローンの目的は、入学金や授業料の支払いのためという人が多いため、借り入れまでの期間を納付期限から逆算して、申込みをすることが大切です。

スムーズに手続きできるように、申込みから借り入れまでの流れや審査基準、必要書類などを確認しておきましょう。また、スムーズに教育ローンを利用できるようにするためには、教育ローンの選び方もポイントです。手続きをスピーディに行ってくれる金融機関を選ぶことはもちろん、金融機関選びに時間をとられすぎないよう、さまざまな教育ローンを比較できるポータルサイトを利用してみてはいかがでしょうか。

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ライター紹介

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續 恵美子 (つづき えみこ)

日本FP協会認定CFP®

生命保険会社にて15年勤務した後、ファイナンシャルプランナーとしての独立を目指して退職。その後、縁があり南フランスに移住。夢と仕事とお金の良好な関係を保つことの厳しさを自ら体験。生きるうえで大切な夢とお金のことを伝えることをミッションとして、マネー記事の執筆や家計相談などで活動中。

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