第105回

フリーローンで叶ったリノベーション。古さを活かし味わいのある家に。

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愛知県にお住まいのeriさんはフリーローンを使って昭和47年に建てられた物件を購入しリノベーションしました。もともとあった建具や柱はそのまま残し、懐かしい雰囲気に。インテリアも色のトーンを合わせ、統一感を出しました。

オーナーさんデータ
愛知県 eriさんご一家(ハンドルネーム)
家族構成:
夫・(44歳・会社経営)、妻・eriさん(45歳・会社役員)、長女(19歳)、次女(15歳)、猫2匹
建設時の世帯年収:
700~800万円
購入した住宅:
昭和47年に建築された住宅
延床面積と間取り:
土地220.94m2、延床94.92 m2
購入価格 :
1,900万円
利用ローン:
碧海信用金庫「フリーローン」、「住宅ローン」
金利タイプ:
フリーローンは固定金利型。住宅ローンは変動金利型
金利:
フリーローン1.780%(平成27年7月実行)。住宅ローン 0.775%(令和元年9月実行)
ローン借入金額 :
2,150万円(物件価格1,900万円+リノベーション費用250万円)
借入期間:
20年(令和元年9月実行の住宅ローン)
毎月の返済額:
99,881円

水道配管工であるご主人が独立したのをきっかけに、物件を探し始めたeriさん一家。仕事に使う重機やトラックを置ける、広い敷地が必要でした。
eri
当時、子どもたちは中学生と小学生。転校したくないというので、学区内で見つける必要がありました。でも、その頃住んでいた家の周辺は新興住宅地で35坪くらいの新築住宅ばかり。なかなか条件を満たす物件は見つかりませんでした。
ようやく見つけたのが、国道をはさんで向かい側の物件です。高台にあり見晴らしのいい場所でしたが、市街化調整区域(市街化を抑制する目的で、原則として建物を建てられない区域のこと)だったため、盲点でした。
昭和47年に建てられ、最初に住んでいた方が売った後は、ずっと賃貸物件となっていました。持ち主の方が高齢になり、資産を整理するために売りに出されたようです。
借りていた方が退去されるごとに補修されていたため、築年数のわりにきれいな物件でした。私たちが見学したときはすでに外壁も貼り直され、簡単な耐震補強もされていました。2階はフローリングになり、きれいになっていました。敷地も約70坪あり、夫の希望どおり広さも十分です。しかも、角地にあり、隣も空地、裏も畑で四辺に物件がないのも大きなポイントでしたね。私が子どもの頃住んでいた家に間取りなどが似ていたこともあり、ここにしようと決めました。
アンティークなど古いものが好きなeriさん。リノベーションするにあたり、建具や柱などはできるだけ残しました。
eri
昔の物件はいい素材を使っていて、無垢材は当たり前です。建具も当時の職人さんの技術がふんだんに詰まっています。最近の家にはない雰囲気に惹かれ、そのまま活用することにしました。
リノベーションは、自分たちでできるところはDIYしました。柱は、画鋲のあとや落書きなどがあったので、家族みんなでサンダーで削り、オイルステインクリアを塗りました。削りかすで粉だらけになったのもいい思い出です。おかげで、見違えるほどきれいになりました。
柱は明るめの茶色。インテリアは、柱の色と、夫が好きなダークな茶色の2色をどこかに入れて、統一感を持たせました。リビングダイニングやお手洗い、洗面所の床も自分たちで貼りました。
耐震補強も一応されていましたが、あまりに簡素だったため、さらに強化してもらいました。

リビングスペースは6畳。
もともと和室だったのを、押し入れとキッチンとの壁を壊しLDKへ。
手前の柱は抜くと家が崩れてしまうとのことだったので、逆に生かしてダイニングテーブルで囲った

昔ながらの長い廊下と奥に続く和室。
引き戸はもともと浴室の出入り用に使用されていたもの。
今ではなかなか手に入らない建具のため、ガラスをアクリル板に替え、塗装をしてリビング用に再利用

和室はリノベーションせず、照明、壁、建具、仏間、床の間の手入れのみでそのまま使用。
夫の仕事部屋に

広縁はガラス障子を閉めると温室のようになる。
シンプルだけどデザイン性のある障子の組子も素敵

大工さんに「とても良い無垢の木が使われている」と言われた床の間はそのまま使用。
昔の大工さんの素晴らしい手仕事に感動

手洗い部分とトイレが別々に区切られていたのを取り壊し、ひとつの空間へ。
ほぼセルフリノベーション

2階は2部屋のみ。それぞれ姉妹の部屋にしている。
昔の家らしく階段は急。初めて遊びに来る友達には驚かれるそう

門柱はライト付きのアンティーク調で格子のデザインのものを選んだ。
夜のライトアップがお気に入り

もともとの玄関扉はさすがに古く、防犯上危なかったので、新しいものに交換。
表札はヒノキを家族で削り、手作りした。外壁のタイルは以前のものをそのまま使用

家の西側の駐車場。
新型コロナウィルスが流行り、初めての緊急事態宣言が出たときに夫の指導のもと家族で作り上げた

集合住宅に住んでいたときは物音を立てないよう、周囲にいつも気を遣っていました。新居では、每日のびのびと過ごしています。念願の猫も飼うことができました。
eri
我が家に遊びに来た娘の友達もみんな「レトロで可愛い、落ち着くからこの家好き」と言ってくれます。意外ですが、若い世代もこの家にノスタルジーを感じ、好意的に受け止めてくれている気がします。
ずっと飼いたかった猫も迎えることができました。猫はどこでも爪とぎをするので、新築住宅だと爪あとが気になるかもしれません。でも、我が家にはすでに以前住んでいた方がつけた傷などがあったので、多少のことはおおらかな気持ちでいられます(笑)。
好きなものに囲まれて、とても満足しています。

猫は2匹。和室にある複合機の上がお気に入り。
毛が入らないように、ドイツのヴィンテージリネンを掛けてある。
絶妙な和洋折衷のバランスが魅力

作ってもらった玄関から入ってすぐの壁は、職人技が光る。
帰宅すると猫がお出迎えしてくれる

ローン借入金額は約2,150万円。碧海信用金庫「フリーローン」を選びました。
eri
夫が個人事業主であり、独立してまだ1年半だったので、複数の金融機関で、住宅ローンを組むこと自体がほぼ無理だろうと言われました。
けれど、地元の碧海信用金庫さんはとても親身になってくださり、フリーローンを提案してくれました。年収200万円くらいから借りられるもので、上限は約2,000万円です。
このフリーローンで1,900万円を借りて、土地と建物を購入しました。さらに、リフォーム資金を得るために、土地を担保にして住宅ローンを250万円だけ借りました。
その後、令和元年に夫が株式会社を設立したので、フリーローンで借りていた1,900万円を、より金利の低い住宅ローンに借り換えることができました。早めに返済したかったので、借入期間は20年にしました。
結びに、eriさんのように、中古住宅のリノベーションを考えている方へのメッセージを伺いました。
eri
古い物件は、造りがしっかりしていて、いい素材を使っています。建具も今ではなかなか手に入らないものが使われていて、とても魅力的です。古いものが好きな方は、検討するだけの価値があると思います。
我が家は建物が古いため価格がつかず、ほぼ土地の価格だけで購入できました。低予算で自分たちらしいオリジナリティを出したいと考えている方は、検討されてみてはいかがでしょうか。
ライターからのコメント。

昔の物件ならではの建具などを活かし、懐かしさが感じられる素敵なお家ですね。色のトーンを統一しているため、家電製品も空間になじんでいます。
個人事業主や自営業の方、独立して間もない方は、会社員に比べて住宅ローンを組むのが難しいイメージがあります。しかし、ローンの種類によっては利用できる場合もあります。eriさんのように、最初にフリーローンを借りておき、後から住宅ローンに借り換えるのも一つの手です。最初からあきらめるのではなく、金融機関で相談してみましょう。

※今回ご協力いただいたeriさんのインスタグラムは https://www.instagram.com/na.ko.ri.ko/

ライター紹介

齋田 多恵 の写真

齋田 多恵 (さいだ たえ)

東京生まれ。成蹊大学文学部日本文学科卒業。
法律事務所で社会人生活をスタートした後、女性向けエンタメ系サイトのライター兼ディレクター、モバイルゲームの運営、女性向けモバイルゲームのシナリオディレクター、シナリオライターを経験。
妊娠、出産を機に2016年からフリーライターとして活動開始。

企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン