第5回
仮に、あなたは現在35歳で、老後資金を1,000万円持っているとします。さて、あなたは、「1,000万円をそのまま貯金して、その後コツコツ貯金」しますか、それとも「1,000万円をベースに積極的な運用」をしますか?
若い頃から貯めた虎の子の1,000万円は死守したい
誰にとっても不安なのが老後。長患いをしたり介護が必要になれば、どれだけお金が必要になるのかわかりません。その上、年金も健康保険も先行きが不透明な時代です。つまり、現状では、信頼できるのは自分のお金だけといっても過言ではありません。若い頃から、老後に備えてお金を準備する時代に入ったわけです。
ということで、今回は、働き盛りだけれど将来も見据える年頃、“35歳”で老後資金を1,000万円持っていたとしたら、安全で確実な「貯金」か、リスクをとって「運用」か、を聞いてみました。果たしてその結果は?
貯金の圧倒的な勝利となりました。
それでは貯金を選んだ理由から見ていきましょう。
- 「大切な老後の資金。運用で失敗したら怖いからリスクは負いたくない」(38歳/男性/医療)
- 「35歳を過ぎたら、結婚、子育て、住宅購入など何かとお金がかかるので、新たに1,000万円貯めるのはとても無理。だから35歳で1,000万円持っていたとしたら死守したい」(37歳/女性/専業主婦)
それに対して運用を選んだ人たちの意見はどうでしょうか?
- 「1,000万円では、老後の資金として足りないから」(45歳/男性/自営業)
- 「運用は知識さえあれば、預金よりもはるかに良い利回りが期待できるから」(30歳/男性/会社員)
必要額は4,800万円?
ところで、実際に老後の資金をどのくらい貯めれば安心なのでしょうか?
人によって安心と感じる金額は違いますが、次のような意見がありました。
- 「生活費が月20万円で65歳から85歳まで20年間生きるとしたら4,800万円が必要。退職金や年金をあてにしないのなら、目標額は4,800万円くらいに設定しなければ…」(29歳/男性/メーカー)
貯金派でも、運用派でも、満足のいく老後資金をつくるために確実に言えることは、とにかく早めに資金づくりをスタートすることです。また、資金づくりといえば運用益ばかりに目が行きがちですが、実はローンの金利など出費を見直すことも想像以上に効果的です。たとえば、子供の教育費をローンで支払う場合、様々な教育ローンをしっかり比較して、金利の低いローンを借りること。また、住宅ローンの返済をどの段階で終えるかということも非常に大切です。収入が見込めなくなってからも返済が続かないように、常に住宅ローンの返済計画を見直す姿勢を持ちましょう。
同様に、生命保険や損害保険など固定費が発生するものについても、ライフステージにあわせて見直しを検討していく必要があります。
さらに、投資は怖いと考える人は少なくありませんが、市況によっては、投資信託や外貨預金などリスク商品への投資を組み入れることは効果的です。銀行口座にお金を入れてあるだけという方は、まずは、その銀行口座の預金金利の変化だけでも確認する癖をつけ、不安であれば金融機関や専門家へ定期的に相談する習慣をつけるとよいでしょう。
常に最新の情報をキャッチして、その時々のライフステージと市況にあわせたお金の管理をすること。それが老後資金をしっかり貯められる早道です。
マネーこだわりバトル 十番勝負 第五番
今回の勝負、「貯金」に軍配。
※企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン
調査概要:インターネットによる調査で、30歳から56歳の男女28人が回答。調査期間は2012年12月20日から7日間