第4回
「投資目的限定で100万円をもらったとします。あなたは、自分の価値を高めるために使いますか?それとも資産を増やすために使いますか?」
資格取得、独立資金、PC投資…。自己投資もさまざま
昨今の社会情勢は、日本経済含め世界経済にも景気回復の兆しがなかなか見えません。そんな時代のせいなのか、よく言われるのが、自分の将来や人生設計は自分自身で守るべきということ。じゃあ、守るために必要なものは? 「自分の資産」か、それとも「自分のスキル」か?
ということで、今回は、100万円あったら、「自分の資産」と「自分のスキル」のどちらに投資をするのか聞いてみました。果たして結果は?
2割程度の差をつけて自己投資の勝利となりました。
選んだ理由を自己投資から見ていきましょう。
- 「仕事で高い成果を出せば、より高い報酬をえられる。だからスキルアップにつながる自己投資を選んだ。すでにMBAは取得済」(37歳/男性/医療)。
- 「金融商品に投資するには額が少なすぎる。それならスキルアップなど自己投資の方が投資効果は高いから」(38歳/男性/金融)
それに対して資産への投資を選んだ人は?
- 「リート(不動産投資信託)に投資したい。利回りが良いから」(48歳/男性/不動産コンサル)
- 「老後資金として米国債の30年ものに投資したい」(36歳/男性/サービス業 )
- 「もはや通貨の価値を信用できないから金に投資」(41歳/男性/PR)
さて、勝者の自己投資の中身をもう少し見てみましょう。多かったのは、会社で生き残るための自己投資。
- 「建築士、管工事施工管理技士など仕事で必要な資格を取得したい」(38歳/男性/建設)
- 「海外の取引先と商談できる英会話レベルになりたい」(36歳/男性/メーカー)
こんな投資もありました。
- 「最高のPC・ネット環境を整えたい。そうすれば、仕事の効率がアップして収入増につながるはずだ」(36歳/男性/自営業)
一方で独立を考える人も。
- 「いくら資格があっても、企業で雇われている限り収入はしれているので、独立資金に使いたい」(34歳/男性/鍼灸マッサージ師)。
- 「いろいろなスキルをもった友人数人と会社を立ち上げる予定。そのための経営の勉強をしたい」(23歳/女性/アパレル)。
自分を守る最良の方法は生涯自己投資
さて、これまで紹介してきた「自己投資で収入アップ」という考え方に、資産形成派はこんな反論をしています。
- 「自己投資の効率がいいのは20代まで。あとは、資格スクールや通信教育の『いい客』になるだけだと思う。それに勉強は、自分でするものだから、お金をかけずにできるのではないか?」(38歳/男性/IT)
- 「自分の年齢では、自己投資をしても収入増は期待できない。たとえば弁護士の資格をとったところで、やっとこれからという頃には60歳過ぎだろう」(53歳/男性/コンサルタント)
ただ、年を重ねた(=経験を重ねた)からこその自己投資というのもあるようです。その典型例がコチラ。
- 「ウェブ・ディレクター的な仕事が増えてきた。そろそろ自己流が通用しなくなりそうなので、基本をきちんと勉強しておきたい。専門学校の夜間コースに数カ月間通う」(42歳/男性/出版)
現在のように変化が激しい時代には、年齢があがったからといって自己投資を怠れば、スキルは陳腐化していきます。今回は100万円をもらえたらという設定でしたが、いざお金を準備してから…となると実行に移せないこともあるでしょう。いざという時のために日ごろから貯蓄する習慣を身につけておく必要があります。また、今すぐ実行に移したいという時にはローンなどでお金を捻出してでも、自分のスキルをメンテナンス、もしくは将来への付加価値を生み出していく必要があるのかもしれません。
2013年。さて、あなたなら、どんな投資をしますか?
マネーこだわりバトル 十番勝負 第四番
今回の勝負、「自己投資」に軍配。
※企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン
調査概要:インターネットによる調査で、22歳から60歳の男女34人が回答。調査期間は2012年11月20日から7日間