第2回
『生活費がなくて困っている。お金を貸して欲しい』。仲の良い友人からそう頼まれた時、貸しても良い金額は10,000円より上? 下?
多くの人は「10,000円以上」。が、詳しく見てみると?
「じつはちょっと生活費に困っていて……。少しでもいいから、お金を貸してもらえないかな?」。
親しい友人から借金のお願いをされたこと、ありませんか?
そんな時、どう対応するかは、誰でも悩むことでしょう。仲の良い友人となると「少しは力になりたい」と思うはず。しかし、貸したお金を返してもらえない可能性もあり、たくさんの金額を貸せば後悔するかもしれません。かといって、あまりに少額だとセコいと思われるし……。
ケースにもよりますが、一般的にはいくらぐらい貸すのでしょうか?
そこで、20~55歳までの男女33人に、「『生活費に困っているから、お金を貸して欲しい』と仲の良い友人からそう頼まれた時、いくらまで貸せるか」、アンケートをとりました。
まずは、多くの層が気楽に貸せなくなる金額の境目と仮定し、貸し出し上限金額が10,000円以上か、10,000円未満かをアンケート。その結果はこちら。
圧倒的多数の人が10,000円以上貸す、という結果になりました。10,000円未満の人は全員「1円も貸さない」という回答だったので、貸す人は最低でも10,000円は貸す気があるということです。
では、具体的にはいくらまで貸すのでしょうか。貸し出し上限金額を細かく聞いてみると、次のような結果になりました。
平均金額にすると49,355円となりますが、回答数の多さという観点では「10,000円まで」が最多で、全体の29%を占めました。また、貸出期間についてもたずねたところ、最も多い回答は「1カ月まで」で、全体の30%。「給料日が来たら即返して欲しい」(38歳/男性/医療機器)という意見が目立ちました。仲の良い友人でも、お金を貸すのはできるだけ少額・短期間にとどめたい。そんな思いが浮かびあがってきます。
約6割がお金を貸して、もめた経験あり
なぜ、貸し出し金額を抑え、期間を短くしたい人が目立つのでしょうか。
回答者のコメントを見ると、第一の理由として挙げられるのは、「それ以上貸す余裕がない」ことです。「自宅を買い、二人目の子どもが生まれてから、小遣いが20,000円に。心情的にはもっと貸したいが、現実、10,000円が限界」(38歳/男性/精密機器)と自由に使えるお金がない30~40代は多いようです。景気の良い時に同じアンケートを取ったら、結果は違っていたかもしれません。
そして、もう一つの理由は「過去にお金のトラブルを経験したこと」。今回のアンケート回答者の約6割は、友人・知人にお金を貸して、もめた経験がありました。
- 「学生時代、生活費がなくなった友人に10,000円を貸したら、その日に『パチンコでスッたからもう10,000円貸して』といわれ、あぜんとした」(32歳/男性/IT)
- 「25年前、友人に泣きつかれて50,000円貸したら、消息不明に。2年前に同窓会で再会したら幸せな人生を送っていた。お前の今の幸せは私のおかげということを忘れるな」(51歳/女性/公務員)
もっとも、多くの人が嫌がっているのは、単純にお金を失うことよりも、むしろ友情を失うことのようです。
- 「バイトの先輩から『1か月後に返すアテがあるから200,000円貸してくれ』と頼まれた。長年お世話になっていた人なので渋々キャッシングして貸した。けど、1か月後に返してもらえず。1年後に無事戻ってきたが……。以後、先輩との関わりは一切なくなった」(37歳/男性/医療)
ただ、
- 「高校時代の友人に40,000円を貸して督促したら、逆ギレ。『返さなくていいから二度と連絡してくるな』と縁を切った」(37歳/男性/食品)
と、逆ギレする方も悪いようですが、貸した方がキツイ言い方をしていることもよくある話です。こうしたトラブルをおこさないためには、貸すお金を少額に抑えて短期間で清算するのが得策というわけですね。
お金を借りるならば、ローンを検討すべし
今回のアンケートでは「お金を貸す時は『あげる』と考えるようにしている」「お金を貸す期間は無期限」という回答が複数見られましたが、裏を返せば、「それぐらいの考えを持たないと、すぐに金銭トラブルになる」ということでしょう。お金を貸すときには、貸す方にも強い覚悟が必要というわけです。お金を貸して後悔したくないなら、いくらまでなら返ってこなくてもガマンできるか、改めて考えておくと良いでしょう。
今回は「貸す」という観点でアンケートを取りましたが、現実には「借りる」立場になることもあるでしょう。トラブルを避けたい心理を逆手にとり、「友情を壊したくないなら、10,000円くれよ」なんて言う人はいないでしょうが、数万円の貸し借りが、長年築いた友人関係を一瞬で壊すことを十分理解すべき。そう考えると、たとえ小額でも、金融機関等のカードローンやキャッシングを利用するのも一つの手かもしれませんね。
マネーこだわりバトル 十番勝負 第二番
今回の勝負、「10,000円より上」に軍配!
※文/杉山直隆、企画構成/カデナクリエイト、編集/イー・ローン
調査概要:インターネットによる調査で、20~55歳の男女33人が回答。調査期間は2012年10月13日から16日。