第965回
省エネリフォーム(エコリフォーム)で毎月の支出はどれくらい変わる?
- 今住んでいる築20年の戸建ては冷暖房費がかかるので、省エネリフォームを検討しています(リフォームローンを利用する予定です)。高断熱の省エネリフォームをした場合、光熱費はどれくらい安くなるでしょう?(Yさん 会社員、48歳)
- 一般的な省エネ住宅の基準を満たすリフォームをした場合、年間約6万円程度の光熱費が下がる可能性があります。条件に合う省エネリフォーム工事をすると節税にもなります。
省エネリフォームとは?光熱費はどれくらい安くなる?
「省エネ住宅」には、大きくは次の3つの特徴があります。
2. 高効率な設備でエネルギー使用量が削減できる
3. 太陽光発電でエネルギーを作る
Yさんは高断熱の省エネリフォームを検討されているのですね。具体的な工事の内容はわかりませんが、リフォームをすることで、冬は暖かさ、夏は涼しさを保てるように改善されるのでしょう。
ところで、住宅の性能が上がると、年間の光熱費はどれくらい違ってくるでしょうか。一般社団法人住宅生産団体連合会が発行する「なるほど省エネ住宅」という小冊子には次のような試算結果が紹介されています。
地域 | 温暖地(例:東京23区) | 寒冷地(例:札幌市) |
---|---|---|
これまでの住宅 | 283,325 | 393,191 |
一般的な省エネ住宅 (省エネ基準) |
222,317 | 333,174 |
高度な省エネ住宅 (ZEH基準相当) |
159,362 | 208,323 |
*数値は試算。実際の光熱費を保証するものではない。
Yさんの住んでいる地域が温暖地で、省エネ基準に該当するリフォームを行った場合、年間の光熱費が約6万円程度安くなる可能性があります。
省エネリフォームで節税も上手に活用を
リフォーム会社から見積もりが出ていると思いますが、天井や外壁、床、窓などの断熱リフォームでかかる費用は、規模や工法、断熱材の種類で異なります。場合によっては、300万円~500万円など費用がかさむこともあるでしょう。
リフォームローンを利用する予定とのことですが、リフォームローンの商品をいくつか見ていただくとわかるように、商品も多様化しています。不動産を担保にするタイプや無担保のタイプ、団体信用生命保険が付くもの付かないもの、任意で付けられるものなど、様々です。中には、省エネリフォームを条件に比較的低金利で利用できるリフォームローンもあるようです。
金利には一般的に幅があり「1.4~4.0%」などと表示されます。これは属性(個人の信用度等)によって適用金利が決まるためです。実際に適用される金利は申込んでみないとわからないため、絞り込んだら、複数の金融機関に申込んでみるのも1つの手です。適用金利で有利なものを選ぶのもいいでしょう。
なお、リフォームを行う際には、減税制度を上手に活用しましょう。ローンを利用して一定要件を満たすリフォーム工事を行う場合、税の優遇を受けることができます。2022年度は省エネ改修の条件が一部緩和され適用されやすくなったので、事前に確認しておきましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2022年02月28日