第892回
災害にあった場合にはどうする?修繕などで考える事
- 台風や豪雨で住宅が大きな被害を受けている報道を目にすると、古くなった自分の家は大丈夫だろうかと心配になります。もし災害にあったら、住宅の修繕はどのように考えればいいのでしょうか。(Yさん 宮崎県 61歳)
- 大規模災害で被害を受けた時には、公的な支援を受けられる場合もありますが、そうでない場合は自力で修繕をしなくてはなりません。応急的な修繕をするよりは、長く安心して住めるような対策を考えてもいいでしょう。
自然災害による被害を受けた場合の支援は?
日本では地震による大規模災害が懸念されていますが、最近では台風や豪雨による災害も相次いでいます。令和元年には千葉県を中心に台風による大きな被害がありましたし、今年は7月の熊本の豪雨災害、9月には九州を中心に台風10号の被害もありました。本格的な台風シーズンを迎え、我が家は大丈夫だろうか?と心配になる方も多いのではないでしょうか。
地震や台風、豪雨などの自然災害によって、生活基盤に著しい被害を受けた場合の公的な支援としては、被災者生活再建支援制度があります。但し、対象となるのは10世帯以上の住宅全壊被害が発生した市町村などで住宅が全壊や大規模半壊になったり、危険な状態が続き長期間住めない状態が続いたりした場合などです。
被災者生活再建支援制度では、基礎支援金が100万円(大規模半壊は50万円)、住宅を再建する場合は50万円~200万円の加算支援金が支給されます。申請の窓口は市区町村で、まずは罹災証明を受けることが必要です。
住宅や家財が自然災害により被害を受けた際には、加入している火災保険から保険金を受け取ることができる場合もあります。被災したらまず保険会社に連絡しましょう。台風や豪雨による洪水や土砂崩れなどの水害に対しては、「水災」の補償を付帯していないと保険金は出ません。契約時には不要と思って付帯していない場合もありますので、この機会にハザードマップを確認し、補償内容が足りているか火災保険の内容を確認しておくと良いでしょう。
修繕の際に考えておきたいこと
もし自然災害の被害を受けて住宅を修繕する場合には、応急処置にとどまらず今後の自然災害にも耐えうるような修繕を検討しても良いのではないでしょうか。例えば、窓を強化ガラスにしたり強固な雨戸やシャッターを設置したりすることで、台風による被害を少なくすることもできそうです。また、屋根や外壁の補強を考えても良いでしょう。支援金や保険金が出ない場合や、より強固な修繕を行う場合には、リフォームローンの利用を検討してはいかがでしょうか。借入期間は、住宅ローンほど長期ではありませんが、20年前後まで組める商品が一般的なので、返済計画も立てやすくなっています。
最近では、防災を目的にリフォームを検討する方も多いようです。リフォームローンでは、災害対策を含むリフォームにも利用できる商品が数多くあります。実際に家屋が被害を受けて自宅に住めなくなると、生活や仕事にも大きな影響があり、金銭面だけでなく精神的なダメージも大きくなりそうです。自宅近辺がどのような自然災害を受ける可能性があるかは、ハザードマップを確認すればわかります。Yさんのように、建築から相当な年数が経過している場合は、被害を受ける前に災害に強い家にして備えることも視野に検討してみましょう。