第669回
子育て世代注目!三世代同居目的のリフォームでローン減税が適用!
- 子育てを手伝ってもらうために、親との同居を考えています。でも、リフォームをしないと同居はできません。親と同居するためのリフォーム費用をローンで借りると税金が安くなる制度があると聞きました。どんな内容なのでしょうか?(T・Hさん/39歳/会社員)
- 平成28年度の税制改正で創設された「住宅の三世代同居改修工事等に係る特例(以下:三世代同居リフォーム減税)のことですね。三世代同居のために所定のリフォームを行ったら、税制面でバックアップしようという制度です。概要をみてみましょう。
減税の目的は子育てをしやすい環境を整備すること
三世代同居リフォーム減税は、安陪政権が掲げている新・三本の矢(一億総活躍国民会議)の<第二の矢>「夢をつむぐ子育て支援」の施策の1つです。「希望出生率1.8」の実現に向けて、世代間の助け合いによる子育てしやすい環境整備を図ることを目的とし、所得税から一定割合を差し引く税額控除制度です。
内閣府の平成28年度税制改正・参考資料によると、住宅を三世代(親世代と子・孫世代)が同居できるようにするには、キッチン・トイレ・浴室または玄関を増設・改修することが一般的だそうです。このため、三世代同居リフォーム減税は、4カ所のうち、少なくとも1つを増設し、リフォーム後に、いずれか2つ以上が複数カ所になる工事が対象です。
例えば、トイレはもともと2カ所あるからいいとして、キッチンと玄関を増設する、キッチンだけを増設する、キッチンと浴室を増設する、4カ所全部を増設するなどが考えられます。これら4カ所は、親世代と子・孫世代では生活習慣や使用時間帯、使い方などが異なるため、共有が難しい場所と言えます。増設することが三世代同居を成功させる要素になるのでしょう。
年末のリフォームローン残高の2%相当額を5年間にわたって控除
減税の対象となる費用は、50万円超で上限は250万円です(補助金などをもらった場合は、その額を差し引いた後の金額)。ローンを借りた場合の控除額は、年末のリフォームローン残高の2%相当額です。控除期間は最長5年です。
注意点としては、現行の住宅ローン減税との併用はできずどちらかを選択して適用を受けることになります。また、その年の合計所得額金額が3,000万円超の場合は適用を受けられません。減税の適用期限は、平成28年4月1日から平成31年6月30日までです。
マイナス金利の影響で、どの種類のローン金利も下降傾向です。親世代または子・孫世代と三世代同居を考えている人には、リフォームローンを借りて工事を行うチャンスと言えそうです。
なお、自己資金で同様のリフォームを行った場合は、工事費(上限250万円)の10%(最大控除額は25万円)を所得税から控除する制度も創設されていますので合わせて確認しましょう。
【参考リンク】
- リフォームローンを探す・比べる・申込む
- FPからのアドバイス(リフォームローン)