第560回
豪雪で壊れた家や車は保険の対象?災害時の備えを考えよう
- 今年2月のニュースでも話題になりましたが、日本各地で大雪となり様々な被害が出ました。我が家も車庫の一部が崩れて、天井がむき出しになってしまいました。現在、保険会社に保険の適用になるか確認中です。今後このような災害にどう備えておけば良いのか教えてください。(Sさん 30代 会社員)
- まずは加入している保険の補償内容を確認してください。すべての補償を保険でまかなおうとすると保険料も高くなりますので、どこまで保険で備え、不足する場合にはどのような方法があるのか確認し、準備を始めましょう。
住宅は「火災保険」、車は「自動車保険」で補償を確保できる
夏には竜巻、冬には豪雪と、自然災害による被害の規模が広がっています。こういった万が一の災害の備えとして保険がありますが、実際にどんな災害のときに、どんな補償があるのかご存じでしょうか?「火災保険」「自動車保険」と保険の種類は同じでも、補償される内容は契約によって様々です。そのため、まずはご自身の保険がどのような補償内容になっているのか保険会社に聞くなどして確認しましょう。
「火災保険」は住まいに関わる損害を、「自動車保険」は車に関わる損害を補償してくれます。以前は火災保険も自動車保険もある程度必要と思われる補償がパッケージになっていましたが、最近は補償をピックアップして必要な分だけを加入できるようになりました。そのため、契約内容によって補償される内容が異なります。
今回ご相談の豪雪による被害については、たとえばカーポートなど住宅の一部が壊れた場合は「火災保険」の「風災・雹(ひょう)災・雪災」で補償されます。また、カーポートに置いてあった車が壊れた場合は「自動車保険」の「車両保険」で補償されます。当然のことながら、保険に加入していても、その損害に応じた補償がついていなければ補償されませんので、契約内容を確認することが大切なのです。
補償の有無だけでなく免責についても確認を
補償の内容を確認する際には、補償の有無だけでなく「免責」の設定も確認しましょう。「免責」とは文字通り「責任を免れる」ことですが、これは保険会社から見ての言葉なので、免責の設定金額は保険金として支払わないということです。つまり、私たち契約者側から見ると「保険金が受け取れない金額」ということになります。
「万が一のための保険なのに補償されないなんて…」と思われる場合には、「免責」をゼロにすることで保険金が受け取れるように設定できる保険もあります。契約については、保険会社ごとに異なりますので、「損害はすべて保険でまかないたい」と思ったときには、免責がゼロにできるかどうかを確認してみてください。また、設定金額もゼロだけでなく5万円や10万円、20万円など選択肢がある保険もあります。
ただし、免責の設定によって保険料は異なります。当然、免責の設定金額が少なければ、それだけ保険会社が保険金を支払う可能性が高まりますので、保険料も高くなります。保険料の違いは保険会社により異なりますので、ネット見積もりなどを利用してシミュレーションしてみてください。
自己資金の準備やリフォームローンなどの利用も
このように災害に備えるために保険はありますが、すべてを保険でまかなうためにはそれだけ保険料の負担も増えることになります。保険料の負担を抑えるためには免責を設定することになりますが、その場合は万が一に備えて自己資金15万円や20万円程度のまとまったお金を準備しておくことが大切です。災害はいつ起こるかわかりませんので、災害時の資金として換金しやすかったり、元本割れがない金融商品で準備しておくと良いでしょう。
また、自己資金の準備が間に合わないときなどは、リフォームローンやフリーローン、カードローンなどの借り入れを検討してみてください。リフォームローンは言葉の通り、リフォームのために利用できるローンですが、フリーローンやカードローンに比べ、使い道が限定されているため金利が低めに設定されています。ただし、必要書類が多かったり、借り入れできるまでの時間がかかるといったことがあります。一方でフリーローンやカードローンは使い道が限定されていない分、金利は高めですが、借り入れできるまでの時間が短く、必要書類の手間も軽くなっています。
どちらが適しているのかは、借りる金額や返済するまでの期間、必要なタイミングによって異なります。いざというときになってから資料を集めて比較するのは大変ですから、ゆっくり考えられるうちにどのようなものなのか調べておくと良いでしょう。以下のコラムもぜひ参考にしてください。