カードローン

マイカーローン

住宅ローン

おまとめローン

ビジネスローン

教育ローン

不動産担保ローン

フリーローン

リフォームローン

その他のローン

第1050回

自宅の修繕、すぐに必要?お金の準備はどうする?

近所でリフォーム工事中のお宅を見かけました。10年前に新築した我が家(戸建て)に対して特に不便はありませんが、費用の準備をしていないため、「もしリフォームが必要になったら」と心配です。(静岡県 Mさん)
築年数が長くなれば、住宅は老朽化が進み、不具合も出てきます。不具合が生じてからそのまま放置していると修復が難しくなり、工事費用がかさむ可能性もあります。早めに対処できるように考えておきましょう。

「本当に不便はない」か、確認しよう

新築だった住宅も、年数が経つと気になるところが出てきますよね。「排水口の流れが悪くなった」「ガス台の火がつきにくくなってきた」「お風呂のカビ掃除が大変になってきた」「外壁の汚れが気になる」等、不便というわけではないが気になる点は生じているのではないでしょうか。

マンションの建物や設備の点検・修繕は管理組合で定期的に実施されますが、戸建住宅では、自ら不具合に気づき、事業者に点検・修繕等を依頼しなければなりません。

そのままにしておくと、使えなくなったり、事故につながったりする場合もあります。使えなくなってから慌てて修理・修繕を手配すると、事業者を選んだり、見積もりを複数とって費用を検討したりする余裕もなくなります。

リフォームは「水回り」から?

毎日の生活に直結する水回りやガス・電気関連の不具合に気づいたら、早めに事業者に点検を依頼し、必要であれば修繕・修理や機器の取り換えを検討したほうがよいでしょう。直射日光や風雨にさらされる外壁や屋根なども傷みやすいところです。雨漏りがあれば、住宅の木材部分などに雨水が浸透し、カビや結露、シロアリなどの問題につながる可能性もあります。該当箇所を修繕するだけでなく、屋根や外壁など全体をリフォームする必要性も出てくるかもしれません。

住宅リフォーム推進協議会の調査でも、一戸建てでリフォームを実施した人のリフォーム箇所は「トイレ・便所(47.8%)」「浴室・洗面所(44.8%)」と水回りで生活に不可欠な場所が上位を占め、次に「外壁(バルコニー・庇を含む)(42.5%)」が続きます。

生活に必要不可欠な場所の故障や破損は困りますし、なるべく快適に使えるようにしたいですよね。

予算より、実際の費用は高くなる?

同調査によると、一戸建てをリフォームした人のうち、「実際にかかった費用が予算を上回った」と回答した人の割合は31.7%。理由としては、「予定よりリフォーム箇所が増えたから(51.3%)」「設備を当初よりグレードアップしたから(32.7%)」「想定外の工事が必要となったから(躯体や構造部分の補修等)(29.0%)」の割合が高くなっています。

専門業者に点検の依頼をした際、気にしていなかった部分に不具合が見つかったり、よりよい設備が欲しくなったり、ということは想像できますね。それに加え、想定外の工事が必要になることもあるので、資金計画は余裕を持って立てておいたほうがよいでしょう。あれもこれもと欲張ればお金は当然足りなくなるので、工事や設備の優先順位を見定めることも大切ですね。

リフォーム資金も、少しずつ貯めておこう

家は時が経てば老朽化が進んでいくのですから、いずれは修理・修繕・リフォーム等が必要になるでしょう。故障や破損はなくても、ご家族の体調に合わせたリフォームが必要になる場合もあります。

したがって、住宅を購入したら、将来のリフォーム資金も少しずつ貯めていきましょう。「住宅ローンの返済が済んでからリフォームを」と思っていても、返済終了までに何らかの不具合が生じるかもしれません。

国や自治体の補助金・支援制度をチェック

住宅リフォーム工事には、国や自治体の補助金や支援制度が利用できる場合もあります。基本的には工事前の申請が必要ですので、早めに調べ、事業者にも確認しましょう。

補助金や支援制度については、お住まいの都道府県や市区町村の窓口・ホームページで調べるほか、一般社団法人住宅リフォーム推進協議会のホームページでも地域の補助制度を検索することができます。

自然災害による被害に起因する場合は火災保険の補償が得られる場合も

台風や大雨など自然災害によって雨漏りが発生し、修繕が必要になった場合などは、火災保険から補償が受けられる可能性もあります。加入中の火災保険の補償内容について確認してみましょう。

なお、経年劣化によるものは保険の補償対象にはなりません。

資金不足にはリフォームローンも

自己資金や補助金等だけでは費用が心配な場合、リフォームローンも検討してみるといいでしょう。「住宅ローン」という商品名でも、リフォームを資金使途として利用できるタイプもあります。

ただし、どんなローンでも「借りたもの」は返さなくてはなりません。ローンを利用して見違えるように立派な家に生まれ変わったとしても、返済に追われて余裕のない生活になっては困ります。

「自己資金+補助金+無理のない借り入れ」でもリフォーム資金が不足する場合は、リフォーム箇所や工事内容に優先順位をつけて、無理のない予算の範囲内に、リフォーム計画を練り直しましょう。

【参考リンク】

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2023年10月25日