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第1030回

マンションのリフォーム・リノベーションはどこまで可能?

マンション購入後20年が経ち、傷みが目立つ部分も出てきました。子どもも独立したので間取りを変更して使いやすくリフォームしたいと考えています。マンションはどこまでリフォーム・リノベーションが可能なのでしょうか?(Tさん 会社員 55歳)
マンションでは、専有部分のみリフォームが可能となります。どこまでリフォームできるかはマンションによって異なりますので事前に管理組合に確認しましょう。

リフォーム可能部分を確認しよう

マンションは、一戸建てと異なり、すべて自由にリフォームやリノベーションができるというわけではありません。可能なのは専有部分のみで、共有部分はリフォームできません。

専有部分とはマンションの区分所有者が使用しているマンションの部屋の内部です。ただし、自分が使用している部分といっても、避難経路にもなるベランダ(バルコニー)は共有部分となります。

他に、玄関ドアの外側や窓サッシ、窓ガラスも共有部分扱いになります。ただし、防音や省エネのため内側に二重窓を設置するリフォームは、一般的には可能です。また、窓ガラスは共有部分ですが、管理組合に申請し、承認されればリフォームが可能になる場合もあります。

部屋の内装や間取り変更は可能ですが、コンクリート部分など構造上変更できない場合があります。また、ユニットバス、トイレ、キッチン交換などは可能ですが、排水管の関係で水回りの位置変更に制限がある場合もあります。また、床材もマンションによって防音基準が設けられている場合もありますので管理規約を事前によく確認して計画を立てましょう。リフォームやリノベーションの内容が決まったら、工事期間や工事内容を管理組合に届け出ることが必要です。

使える補助金や減税制度を確認しよう

リフォームやリノベーションでは、国や自治体の補助金・助成金が利用できる場合もあります。2023年6月1日現在、経済産業省、国土交通省、環境省の3省連携で行っている住宅省エネ2023キャンペーンが利用可能です。補助金申請額が予算限度額に達すると終了しますので、最新情報をホームページや窓口で確認してみましょう。

リフォームは手持ちの資金で行うのが理想ですが、資金が不足する場合はリフォームローンを利用しても良いでしょう。リフォームローンは複数の金融機関で条件や金利を比較して選びましょう。

リフォームでローンを利用した場合も、一定の要件を満たせば住宅ローン控除が適用されます。また、省エネ改修工事やバリアフリー化などを行った場合、ローンの有無にかかわらず「住宅特定改修特別税額控除」が利用できる場合もありますので、工事を依頼する業者に確認してみましょう。補助金や減税制度も活用し、きちんと資金計画を立ててリフォームを行いましょう。

【参考リンク】

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2023年06月05日