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第1001回

リフォームでトラブルに遭わないために気を付けることは?

現在、リフォームを検討中ですが、トラブルも多いと聞いて心配です。どうすればトラブルを避けられるでしょう?(Nさん 会社員、42歳)
リフォーム会社とのトラブルが、2021年度は対前年比で20%増加しています。トラブルに遭わないために4つのポイントを押さえておきましょう。リフォーム費用も、ローンを比較するなど賢く検討したいものです。

リフォームトラブルが再び増加傾向!?

公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが公表している「住宅相談統計年報2022」によると、2016年以降は1万件を超えていたリフォームに関する相談件数が、2020年度はコロナ禍の影響もあり9,197件と減少しました。しかし、2021年度は11,046件と対前年比で20%増加し、再び1万件を超えました。技術不足の会社や、中には悪質業者も含まれていると考えられます。

リフォームに関する相談のうち65.6%が住宅のトラブルに関する相談で、そのうち、64.9%は雨漏りやはがれ、ひび割れなど「不具合」が生じているケースです。また、リフォームに関するトラブル相談のうち、訪問販売が例年8〜10%程度を占め、2021年度は10.0%でした。訪問販売に関する相談は、「契約に関するトラブル」と「不具合に関するトラブル」が主な内容で、解決するための希望内容として、契約解消(56.2%)、補修(22.9%)、損害賠償(16.8%)と続きます。

トラブルに遭わないためには?

リフォームに関して、トラブルに遭わないようにするにはどうしたらいいのでしょう。今回は以下の4つのポイントを押さえましょう。

「住宅リフォーム事業者団体登録制度」で会社をチェック

国土交通省は、要件に合う住宅リフォーム事業者団体を登録・公表しており、登録された団体は会員のリフォーム事業者の情報を開示しています。住宅リフォーム事業者団体登録制度のホームページでは、地域や工事の種類などの検索条件を入力して会社を絞り込むことができます。また、リフォーム事業者の情報が公開されているため、絞り込んだ会社の情報を見ることもできます。

「リフォームかし保険」に加入

「リフォームかし保険」は、建築士等による工事の検査と補償がセットになった、住宅瑕疵担保責任保険法人が引き受ける保険で、工事に不具合(瑕疵)が見つかった場合やリフォーム会社が倒産した場合に補償される仕組みです。保険の契約者はリフォーム会社ですが、工事発注者の希望により加入することができます(あらかじめ住宅瑕疵担保責任保険法人に登録した会社でないと加入できません)。なお、「かし保険を利用する登録事業者等の検索サイト」で、登録事業者を検索することが可能です。

複数の見積りをとる

絞り込んだ数社のリフォーム会社に対し、工事の希望等を伝えて提案書や見積書をもらい、比較・検討することも大事です。その間のやり取りなども含め、希望に合い、信頼できる会社を見極めましょう。

打合せはしっかり行い、文書で共有

リフォーム会社との打合せはしっかり行いましょう。また、打合せで決まったことなどは、議事録として文書にして共有しておくといいでしょう。「言った・言わない」のトラブルが生じた際の証拠にもなります。

リフォーム費用も賢く軽減

リフォームには、内容やタイミングにもよりますが、国や自治体の補助金・助成金などの対象になるケースがあります。インターネット等で情報収集をして、利用できる補助金・助成金はきっちり活用しましょう。

資金が不足している場合はリフォームローンを利用することもありますが、その際は複数の金融機関を比較・検討し、できるだけ金利が低いものを選択するようにしましょう。なお、条件によっては、リフォームでも住宅ローン控除を利用できる場合があるので、事前に確認しておきましょう。

【参考リンク】

私が書きました

豊田 眞弓 (とよだ まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。

20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。

※執筆日:2022年11月08日