第307回
自己投資に活用する不動産担保ローン
- 不況の中、私の会社では残業禁止令が出て、早く帰宅できるようになりました。時間的に余裕もできたので、将来のステップアップと自己防衛のために、これを機に大学に社会人入学したいと考えています。ただ、残業もなくなり、月々の収入は減っているので、学費捻出が不安です。一昨年母が亡くなり、実家の土地・家を相続したので、それを担保に学費を借りることはできるでしょうか。(神奈川県 H)
- 不動産担保ローンなら、不動産を担保に使途自由な資金を借りられます。
不況だからこそ、将来に向けて前向きに自己投資したいというわけですね。会社の経費削減でせっかくできた「時間」を無駄にする手はありません。学費の捻出方法と同時に、学校情報や取れる資格などの情報もしっかり集めて、将来のステップアップにつなげてください。
まとまった金額を長期間借りられる不動産担保ローン
不況だからこそ、将来に向けて前向きに自己投資したいというわけですね。会社の経費削減でせっかくできた「時間」を無駄にする手はありません。学費の捻出方法と同時に、学校情報や取れる資格などの情報もしっかり集めて、将来のステップアップにつなげてください。
不動産担保ローンは、その名のとおり、自宅を含む自己所有の不動産を担保にお金を借りるものです。資金使途は原則として自由で、借入限度額も大きく、担保に応じて300万円から1億円までの借入が可能です。また、返済期間を長期(最長20年)に設定できることから、借入額が大きい場合でも毎月の返済額を無理のない金額に抑えることができます。
また、不動産担保ローンは、不動産の価値を重視した審査を行うため、個人のキャッシング履歴等の信用情報を重視する銀行等の目的別ローンに比べると、資金使途の制限が少なく、審査基準が比較的緩やかで、審査期間が短いというメリットがある反面、金利はやや高めに設定されています。
大学の学費がどれくらいかかるのか、入試対策の予備校費用がかかるのか、自己資金はどれくらい用意できそうかで借入額は変わってきますが、不動産担保ローンは、まとまった金額を借り入れる場合に有利な選択肢のひとつといえます。
ただし、不動産担保ローンを借りる場合には、事務手数料、印紙代、抵当権設定登記費用などの手数料がかかるので注意が必要です。手数料については商品によっても差があるので、借入申込みをする前に実際にどれくらいの費用がかかるのか確認し、金利負担と手数料の合計額を比較して、借入先を選ぶようにしたいものです。また、ご自宅を担保として借入をしようとする場合は、住宅ローン残高がどのくらい残っているか確認する必要があります。一般的には10年以上住宅ローンの返済が終わっていないと、担保不動産としての評価が出ずに融資を受けられないといわれておりますので、参考にしてみてください。詳しいことは「不動産担保ローン」を取り扱いされている金融機関に尋ねてみるとよいでしょう。
教育ローンの返済期間は10年程度
借入目的が「教育」なので、教育ローンを利用する方法もあります。不動産担保ローンに比べると借入可能額は少なく(最高500万円程度)なりますが、教育が目的の目的別ローンなので、無担保ローンであっても金利は低めです。子どもの教育費のためだけでなく、働きながら本人が学ぶために利用することが可能な商品も多くあります。
ただし、不動産担保ローンと比べると返済期間が10年程度と短いため、借入額が大きい場合は毎月の返済額が大きくなります。また、教育ローンは資金使途が原則として「教育」に限定されるため、商品によっても異なりますが、学校納付金の金額がわかる書類や入学通知書等が申込時に必要で、資金を直接学校等に振り込む商品も多いので、申し込みできるのは進学先がある程度固まってからとなります。
Hさんの志望される進学先によって必要な借入額が決まり、月々どれくらいの金額が返済できるかによってもHさんにとって有利な商品は変わってきます。まずは学校の情報を集めた上で、複数のローン商品を比較検討し、不明な点や具体的な手数料等を問い合わせてローンの情報も集めてください。問い合わせの際には、きちんと答えて相談にのってくれるかどうかをチェックして、信頼できる金融機関かも見ておきたいですね。