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第396回

年末を乗り切る!不動産担保ローンの選び方

経営が厳しく、年末の資金繰りが心配なのでローンを利用しようかと考えています。不動産担保ローンが良いと聞きましたが、どういいのでしょうか?(Fさん 46歳 中小企業経営)
大きな金額を長期間借りられるのが、不動産担保ローンの大きな利点です。

気になる今の経済状況は?

東京商工リサーチの全国企業倒産状況(10月度)によると、負債500億円以上の大型倒産が相次いで発生し、さらに倒産の「原因」をみると、販売不振を中心とした「不況型」倒産の構成比が過去3番目に高率の83.8%という状況であり、依然として多くの企業が苦しい立場にいることが伺えます。
従って、資金繰りの手当が必要となる年末または年度末にかけて、早めに対策をとることが重要といえます。

不動産担保ローンのメリット

先程も申し上げたとおり、不動産担保ローンのメリットは借入期間の長さと金額の大きさです。
それでは、このメリットが資金繰り必要な方にとってどのように役立つのかを無担保のカードローンの場合と比較して確認しておきましょう。

■借入期間が長い

不動産担保ローンの最長借入期間は15~20年くらいまで。これは、カードローンの1~3年よりずっと長くなっています。

例)1,000万円を年率8%の元利金等方式で借りる場合、

  • ・借入期間が20年の場合⇒月々の返済額:約84,000円
  • ・借入期間が 3年の場合⇒月々の返済額:約313,000円

上記の例を見て頂ければお分かりいただけると思いますが、返済期間が20年と3年の場合とでは、月々の支払金額がおよそ4倍も異なっています。年末や年度末には、往々にして突発的に資金が必要となる場面が発生しますが、その時に毎月の返済に追われて何も出来ない、というので困ってしまいます。そういった意味で、借入期間の長さは資金繰りにとって非常に重要なのです。

■借入金額が大きい

不動産担保ローンの借入可能額は1,000万円~1億円くらいまでで、カードローンの300万円~1,000万円に比べれば、桁違いの大きさです。
借りられる金額が少なければ、必要な時に必要な金額が借りられないおそれがありますし、複数社から分けて借りるのでは書類の準備等の手間がかかり不合理です。
その点で、一度にまとまった資金が借りられる不動産担保ローンは資金繰りの不安を解消するという意味で大きな力を発揮するといえるでしょう。

このように長期間で大きな金額を借りられるため、不動産担保ローンは企業経営者の資金繰りにとって大変心強いローンです。
ただし、お借入の際には不動産の審査がありますから、金融機関の担当者と相談しつつ、時間的余裕をもって申込をしましょう。

私が書きました

神田 理絵 (かんだ りえ)

ファイナンシャル・プランナー、住宅ローン・アドバイザー、心理カウンセラー。

大学卒業後、大手総合商社へ入社し、貿易事務に携わる。その後、税理士事務所、社会保険労務士事務所を経て2005年に独立。現在は生命保険や住宅ローンの見直し、資産運用に関する相談や、各種マネーセミナー、FP資格取得講座の講師、コラムの執筆等で活躍中。大人だけでなく、小学生向け金銭教育活動にも力を注いでおり、首都圏を中心に、今までの実務経験と女性の感覚を生かした独立系FPとして活動中。

※執筆日:2010年12月03日