第571回
ジューンブライド迫る!結婚費用ってどうすればいいの?
- 現在婚約中。年内に結婚したいと思っていて、週末は結婚式場を巡っています。雑誌でジューンブライド特集などを目にすると、やりたいことが次々と広がります。一般的にはどのくらいの費用がかかり、皆さんどうやって資金を捻出しているのでしょうか。(Mさん29歳、会社員 女性)
- 結婚式はお二人にとって一生ものの大事なセレモニー。資金面でもしっかり準備をして、納得できる結婚式を挙げたいものですね。
結婚はいくらかかるのか?
Mさん、ご婚約おめでとうございます。ちょうどジューンブライドの季節を控え、多くの式場で結婚フェアなども行われていますが、Mさんも式場やプランを複数あたっていらっしゃるのですね。
言うまでもなく、結婚は人生最大の転機であり、まとまったお金が必要なイベントのひとつでもあります。節約志向から結婚式を行わずに入籍だけをする「ナシ婚」や、身内だけの小規模な「ジミ婚」も市民権を得ましたが、親戚や同僚、友人らに祝福されて新婚生活をスタートさせる一般的な結婚式がまだまだ主流です。
では、Mさんのご質問にもありましたが、結婚にはどんな費用がどれくらいかかるのか、「ゼクシィ結婚トレンド調査2013」(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)のデータを見てみましょう。
データによると、結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用は、全国平均で合計443.8万円。
内訳は下表のとおりです(あくまでも平均額です)。婚約指輪や結婚指輪も結婚費用の一部ですし、新婚旅行に行くならお土産代がかかることを忘れてはいけません。
総額 | 443.8万円 |
---|---|
結納の費用 | 15.6万円 |
両家の顔合わせ | 6.3万円 |
婚約指輪 | 33.3万円 |
結婚指輪 | 22.1万円 |
挙式、披露宴・披露パーティ | 340.4万円 (ご祝儀総額226.9万円) |
新婚旅行 | 57.3万円 |
新婚旅行のお土産 | 11.7万円 |
(「ゼクシィ結婚トレンド調査2013」株式会社リクルートマーケティングパートナーズ調べ)
*実施した人の平均額なので、その合計と総額は一致しません
この一連の費用の中で最もかかっているのが「挙式、披露宴・披露パーティ」で340.4万円です。しかし、ご祝儀が平均226.9万円あるので、実質の負担は127.6万円となります。つまり、実質的な「総額」も約216.9万円(=443.8-226.9万円)と見ることができます。
自分たちが負担する分はどれくらい?
結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用からご祝儀分を引いた実質的な負担額は約216.9万円と書きましたが、中には親などが援助してくれることも少なくありません。同じ「ゼクシィ結婚トレンド調査2013」のデータですが、親・親族からの援助額の平均は183.2万円となっています。
そのため、親・親族からの援助がある場合は、自分たちの負担は実は約33.7万円(216.9万円-183.2万円)となります。ただし、そうした援助がない場合は、200万円強を自分たちで負担することになります。
また、結婚で新生活を始めるために新居を借りて引越したり、さらには家具や家電を買い揃えるなどの費用もかかります。「新生活準備調査2013」(株式会社リクルートマーケティングパートナーズ)によると、そうした新生活準備費用の平均は88.1万円かかっています。
つまり、親・親族の援助がある場合で121.8万円、ない場合で305.0万円を結婚する2人で賄うことになります。繰り返しますが、金額はあくまでも平均データですので、人によってはもっとかかる場合もあります。
貯金で賄えないときは…
2人がしっかり結婚資金を貯めていれば、こうした金額はそれほど負担にはならないでしょう。しかし、あまり貯蓄がなかった場合はどうしたらいいのでしょうか。
特に、大きなウエイトを占める「挙式、披露宴・披露パーティ」の費用に関して、事前に一部を前金として式場に支払うことが多いのですが、そうした資金が手元にないときに困りますよね。親や親戚からのお祝いをいただければ払えるのに……というときは、「つなぎ融資」のようなブライダルローンを活用するのも手です。
ブライダルローンは、結納、結婚式、披露宴、新婚旅行、新居の敷金・礼金、引越費用、家具や家財の購入などの「結婚費用」を目的とした融資契約です。ブライダルローンでなくても、より有利なフリーローンがあればそれも候補になります。
高額な借り入れだと負担になりますが、いただいたお祝いなどで返せる範囲だったり、あるいは次のボーナスで返せる範囲であれば、うまく活用して後悔のない結婚式を実現するのもいいですね。結婚式の思い出が結婚生活を支えているご夫婦も少なくありません。
ただし、結婚でお互いの生活が変化する時期ですので、無理のないローンを組むことが大事です。ローンを借りる前に返済額のシミュレーションをして、負担を確認してから利用しましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー、シニアリスクコンサルタント。
20代前半より経営誌や経済誌、女性誌と広く手がけるライターとして個人事業を展開。1995年より独立系FPとして、雑誌やムック、新聞、サイトへの寄稿・監修、相談業務、講師などで活躍。「今日からの お金持ちレシピ」(明日香出版)をはじめ共著本など多数。
※執筆日:2014年05月15日