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第1040回

ローンを利用して旅行費を捻出。気を付けることは?

ようやく海外渡航ができるようになり、友人と欧州旅行を計画しています。ただ、ボーナスだけでは足りず、旅行費用はローンを利用しようと考えています。ローンを利用するのは初めてです。どんな点に気を付けたらいいでしょうか? (神奈川県・Mさん)
どんなローンでも、申込み条件や借入可能額、金利などは商品によって異なります。条件を比較検討して選ぶようにしましょう。また、返済に無理がない借入金額にとどめることも重要です。

旅行専用の「トラベルローン」。メリット・デメリットを把握する

旅行専用の「トラベルローン」という商品があります。ツアー代金や交通費、宿泊費など旅行関連の費用に充てることができるローンで、大手旅行会社が独自に提供しています。銀行やクレジットカード会社などの金融機関でもトラベルローンを取り扱っています。

金利は10.0%程度に設定されている商品が多いようですが、なかには借入可能額や返済回数によって金利が異なる商品もあります。借入可能額は1回分の旅行代金とするところもあれば、最高100万円と、まとった資金が借りられるところもあります。

借入金額が1回の旅行代金までであれば、借り入れしすぎることもなく、旅行のためのローンという目的にも合っています。ただし、旅行会社が提供するローンは、自社のツアーに申し込んだ場合のみ利用できるなどの条件がありますので、自分がどんな旅行を計画しているかで、商品選択は異なるでしょう。また、トラベルローンは旅行関連費用に使えますが、滞在先での食事代やお土産代などには使えない場合もありますので、注意が必要です。

銀行やクレジットカード会社が提供するトラベルローンの場合、一般的なローンと同様に審査があり、申し込み時には、本人確認書類や所得証明書、資金使途を明確にする旅行の見積書などを用意しなければなりません。融資実行後には支払いが確認できる領収書や請求書を提出する必要もあります。

こうした申込条件や手続きに関しては、事前に確認することが大切です。

フリーローンやカードローンを利用して旅行費用に充てる

旅行関連費以外に、現地での滞在費用もローンを使いたい、トラベルローンは手続きに時間がかかり支払いに間に合わない、といった場合は、旅行費用にも利用できる銀行等のフリーローンやカードローンを検討してみてください。

フリーローンやカードローンは、資金使途が自由なので、旅行関連費用のほか、滞在費、食事代、お土産代などにも使え、領収書や請求書の提出も必要ありません。申込条件はありますが、審査の回答は早めなので、旅行費用を早く支払う必要がある場合に便利です。

金利はトラベルローンに比べ設定に幅があり、1.0%以下から最大18.0%程度となっています。借入希望金額や金融機関との取引状況、その他年収等をもとに決定されるのが一般的です。

金融機関によっては独自の金利決定方法があったり、金利優遇キャンペーンを行っていたりするので、利用の際は色々なローン商品を比較検討しましょう。

ただし、借り入れ総額が大きくなれば、それだけ利息の支払いも多くなりますので、必要な資金だけ借りるようにしましょう。

カードローンの場合は、限度額以内であれば何度でもカードでお金を借りられ、旅行以外でも利用することができます。生活費や他の用途で使わないよう、旅行から帰ったらカードは持ち歩かないなど工夫をして、使いすぎないようにしましょう。

何年、何回で返済するのか、1回の返済額に無理がないかをチェック

本来は、旅行のために積立貯蓄をして、しっかりと計画を立てるべきですが、コロナ禍で控えていた旅行で、ボーナスもコロナ前になかなか戻りきっていないなか、ローンを利用して、楽しめるときに楽しみたいという気持ちもあるでしょう。

ただし、海外で気持ちが大きくなり、お金を使いすぎるのは禁物。滞在先での予算は事前に決めておくようにしましょう。旅行費用をローンでまかなうのであれば、帰国後には返済が待っています。ローンを借りる前に、何年で、何回で返済するのか、毎月の返済はいくらなら無理がないか、ボーナス時の返済も併用するのかなど、返済計画を立てておくようにしましょう。

旅行準備では、日頃とはお金の使い方が変わります。滞在中の費用をクレジットカードで支払えば、その引き落としもあります。旅行前後で家計が大きく変わりますので、家計管理をしっかり行うことも忘れないようにしてください。

【参考リンク】

私が書きました

伊藤 加奈子 (いとう かなこ)

ファイナンシャル・プランナー。

大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。

※執筆日:2023年08月14日