第467回

おまとめローンとクレジットカードのリボ払いはどっちがオトク?

今年の夏に結婚する予定です。結婚式に向けてブライダルエステを申し込み、支払い(約20万円)をクレジットカードで済ませましたが、結婚準備のために何かとお金がかかるので毎月定額のリボ払いにしました。あとから、クレジットカードのリボ払いよりもおまとめローンを利用した方がオトクだと聞いたのですが、ホントですか?(S.M 30代 会社員)
クレジットカードは、ローンに比べると気軽に使えてポイントも貯まるのが魅力です。しかし、クレジットカードの支払いを2回以上の分割払いやリボ払いにした場合、手数料の実質年率は15%程度と、おまとめローン(無担保)よりも割高になりがち。高額な商品やサービスに利用するほど、返済は長期にわたって負担が大きくなることを知っておきましょう。

クレジットカードのリボ払いと分割払いの違いは?

今やクレジットカードは、社会人であれば数枚保有しているのが当たり前。ポイントやマイルなどが貯められるという付加価値から、それぞれのニーズや用途に合わせて上手に使いこなしている人も少なくありません。
さらに、多くのカード会社では、一括払いで購入した商品を後からリボ払いに変更できたり、初回手数料無料の自由払い型カードを利用すればオトクな特典が受けられたり等、リボ払いに力を入れています。

そもそもリボ払いというのは、「リボルビング払い」のことです。一定の利用限度額を設定し、その範囲内であらかじめ設定した金額を分割して支払う方法です。
ちなみに、リボルビングは回転するという意味。まさに範囲内であればクルクルと何回でも利用できるというイメージですね。
一方、分割払いというのは、利用した金額を3回、5回、10回など月ごとに分けて支払う方法のことです。リボ払いは支払回数が限定されないのに対し、分割払いはカードを利用するごとに支払回数を指定できるのが特徴で、金利は支払回数に応じてつく仕組みになっています。

リボ払いのメリットは、自分が支払える範囲で無理なく毎月平均して返済できる点です。でも、返済すべき残高がある限り返済が続きますので、リボ払いを利用したら、記録を残すなどしっかりと自己管理することが鉄則です。

クレジットカードのリボ払いはこれだけ手数料がかかる?

ご相談者のようにクレジットカードのリボ払いを利用した場合、手数料はどれくらいかかるのでしょうか?
20万円分の買い物をクレジットカードで支払い、リボ払いの手数料率(実質年率)15%の場合、定額コースで毎月2万円を返済していくと、支払い合計金額は213,417円(支払回数10回)、毎月1万円を返済していくと、支払い合計金額は225,905円(支払回数20回)になります。

利用金額が同じでも、返済が長引けば結構な手数料負担になります。
基本的にリボ払いの手数料は、日割り計算となりますので、余裕がある時に返済額を増額したり繰上げ返済を利用したりして早く返済できればその分節約になります。
あるいは、複数のクレジットカードのリボ払いがある場合、銀行、信用金庫、信販会社、消費者金融等の「カードローン」や「おまとめローン」を利用してローンを一本化する方法も考えられます。

【参考リンク】

「信用力」の高い人ほどおまとめローンの方がオトクに!

クレジットカードのリボ払いとおまとめローンを実質年率で比較してみましょう。
以前は、カード会社によって異なっていたクレジットカードのリボ払い手数料は、現在ほぼ一律。数年前から、実質年率15%未満だったクレジットカードも手数料の引上げが目立ちます。
さらに、クレジットカードの「信用力」のあらわれである一般カードとゴールドカードなどの違いによって、大きく金利差が生じるわけでもありません。

それに対して、おまとめローンの金利は過去から見ても最低水準。しかも、実質年率には大きな幅があり、その人の「信用力」によって、大きく差が生じる可能性が高いといえます。

【参考リンク】

買い物する時にさっと使える手軽さなどを考えると、ローンよりもクレジットカードに軍配が上がるでしょう。
しかし、数十万円以上もする高額な商品を購入あるいは契約するような場合はきちんと返済できるかどうかを見極めたいところです。
そんな時、おまとめローンでまとまった金額をあらかじめ借りた上で、クレジットカードで一括払いにすれば、ポイントも貯まるし、手数料負担も軽減できるといった‘一石二鳥’の方法と言えるのではないでしょうか。

私が書きました

黒田 尚子 (くろだ なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。

92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。

※執筆日:2012年05月02日