第369回

「総量規制」導入直前!“おまとめローン”で家計見直しを!!

キャッシングでいくつかのカードを利用しています。「総量規制」が始まるので借りかえをしたほうがいいという話を聞くのですが、何に借りかえたら良いのでしょうか? (Wさん 36歳)
改正貸金業法の「総量規制」が2010年6月完全施行されることに伴って、まとまった金額を借りている人は新たな借入れが難しくなる可能性があります。この機会に借金全体を見直し、“おまとめローン”に借りかえて、返済を一本化することで家計管理を楽にしましょう!

“おまとめローン”に借りかえるメリットは3つ

気軽に借りられるキャッシングを利用している人が増えています。しかし、いくつかのカードを利用することで返済日や返済金額、返済期間がバラバラになり、管理にてこずっている人が多いようです。
そんなときに検討したいのが“おまとめローン”。“おまとめローン”とは、借りかえのために設定されたローンのことで、複数の借金を一本化することができます。“おまとめローン”に借りかえるメリットは3つ。

1、金利の低いローンに借りかえることで、総返済額を減らせる可能性がある
気軽に借りられるキャッシングは手間もかからず便利ですが、その分金利が高い傾向にあります。少しでも金利の低いものに借りかえることで家計を楽にしましょう。 2、返済を一本化することで、返済の手間が楽になる
返済日や返済額、返済の口座などがバラバラになっていることで管理に手間がかかり、月末月初は気が重いという人が多いようですから、冷静に今の状況を判断するためにも一本化にできるメリットは大きいでしょう。 3、月々の返済額や返済期間の見直しができる
キャッシングは「極度貸付」といって、借入限度額の範囲内であれば借りたり返したりを繰り返すことができます。一見便利なようですが、月々の返済額は大きく変わらないものの、借入額が大きくなれば返済期間が延びることに。つまり、いつ返済が終わるのかわからなくなってしまうのです。それに対しておまとめローンは「証書貸付」といって、完済までのスケジュールが明確になります。先が見えると目標がはっきりし、精神的にも楽になることは多いのでメリットと言えるでしょう。

商品ごとの違いは検索機能を利用してチェック!

では、どこの“おまとめローン”に借りかえたら良いのでしょうか?実は、6月から完全施行される「総量規制」は、金融機関によって対象となるものと対象にならないものがあります(※)。簡単にご説明すると、消費者金融など(貸金業法で規制されている業者)のローンは対象で、銀行など(貸金業法で規制されていない業者)のローンは対象外です。
そこで、まずは銀行の“おまとめローン”が利用できないか探してみましょう。銀行ごとに特徴のある商品を出していますので、その点を見比べてみることがポイントです。
たとえば、オリックス信託銀行の「バンクプレミア」 であれば、申し込みのための来店は不要で、インターネットや電話で全国どこからでも申し込みが可能です。新たな口座を開設する必要もなく、返済のための口座をご自身で指定できるため、口座管理の手間も省けます。口座をまとめたいという人には便利なサービスです。2010年7月31日までギフトカードのプレゼントキャンペーンを行っていますので、今がチャンスですね。

また、東京スター銀行の「スターワン借換ローン」 も、申し込みの来店は不要です。この商品の特徴は「預金連動」という東京スター銀行独特のサービスが利用できること(総借入額が200万円未満の場合)。「預金連動」とは、ローン残高から普通預金の残高を差し引いた金額にのみ利息がかかるというもの。手元資金は残しておきたいものの、少しでも金利を低くしたいという人に便利です。

ほかのローンを調べてみたいときには、イー・ローンで検索可能。また、会員登録をすると、気になるローンは「ローン比較リスト」で保存可能に。さらにローンの最新情報やキャンペーン情報がメールで送られてきます。
ひとりでいろいろ調べるのは大変なので、まずはこういった検索機能を利用して、ご自身に合ったものを探してみると良いでしょう。

(※)「総量規制」の内容や対象となる金融機関など、詳しくは過去のアドバイスをご参照ください。

私が書きました

中森 順子 (なかもり じゅんこ)

ファイナンシャル・プランナー。

プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。

※執筆日:2010年05月28日