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第904回

おまとめローンでまとめられない?おまとめできる借り入れを確認!

デザイン事務所を経営する個人事業主です。生活費が不足するたびに、個人向けや事業者向けのカードローンを利用し、複数の金融機関で借り入れをしています。おまとめローンにすれば利息の負担も少なく済むのでしょうか。(Mさん 自営業 38歳)
個人向けおまとめローンでは、事業用使途のカードローンはまとめることができません。おまとめローンとはどんなものなのか、まとめることができるローンは何かを確認しておきましょう。

資金使途が自由なカードローン、つい借り過ぎてしまうケースも

個人向けカードローンは担保不要で資金使途が自由、審査のスピードも早いので、趣味やレジャーでついお金を使いすぎてしまった、急な冠婚葬祭でお金がピンチというような場合には利用しやすいローンです。そのためか、つい借入金額が多くなったり、複数の金融機関で借り入れをしたりして、利息の負担が大きくなってしまうこともあります。

Mさんの場合は、生活費と事業費を同じ銀行口座で管理していて、生活費や事業資金が不足するたびに、手軽に利用できる個人向けや事業者向けのカードローンを利用していたそうです。

銀行融資や公庫(日本政策金融公庫)融資などの一般融資では、カードローンより低い金利で融資を受けることも可能ですが、手続きの簡便さや審査のスピードの速さから事業用のカードローンを利用する方もいらっしゃいます。利息の負担を少なくするために、事業用の資金は、日本政策金融公庫や銀行など、なるべく金利の低い融資を検討するようにしましょう。

すでに借り入れているカードローンは、「おまとめローン」の利用を検討すると良いでしょう。ローンを一本化することで返済予定やお金の管理がしやすくなります。

おまとめローンって何をまとめることが出来るの?

個人向けおまとめローンでは、資金使途が自由という商品が多くありますが、何でもまとめられるわけではありません。事業性の資金使途のローンは、個人向けおまとめローンの対象外となります。つまり、事業用カードローンは個人向けのおまとめローンに一本化することはできませんので、事業を営まれている方は注意が必要です。そのあたりは、おまとめローンの審査で確認されることになると思います。事業者用カードローンの場合は、一般融資と一本化できないか確認してみましょう。

現在利用しているカードローンより低い金利のおまとめローンに一本化すると、利息の負担を減らすことが出来る場合があります。但し、毎月の返済額を抑えようと返済期間を長くし過ぎると、総返済額が逆に増えてしまう可能性もあります。おまとめローンの借入時には、毎月の返済額と返済期間のシミュレーションをして無理のない返済計画を立てましょう。

個人事業主のお金の管理方法

一般的なおまとめローンは、証書貸付タイプのローンですのでカードローンのように限度額内での追加借り入れはできません。返済計画をきちんと立て、これ以上の借り入れをしないということが重要になります。

個人事業主の方は、収入がほぼ決まっているサラリーマンと異なり、収入が不安定ですので、お金のコントロールが難しい面があるのも事実です。ただ、事業と家計を混在させた状態ではお金の流れが見えにくくなってしまいます。

まずは、事業用と家計用の銀行口座を分けてお金の管理をしてはいかがでしょうか。お給料のように毎月決まった額を事業用口座から家計用口座に振り替えて、その範囲内で生活費を賄うようにするのです。

無駄な支出がないか家計をチェックしながら、お子様の教育費や老後資金など、長期のライフプランを踏まえて家計をコントロールすることも必要です。事業についても、中長期の事業計画を立てて資金計画を見直しましょう。この機会に、事業も家計もうまくお金を管理できるよう、十分に検討してみてはいかがでしょうか。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2020年12月15日