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第809回

複数ある借入れは「おまとめローン」で一本化!返済負担額や返済の手間を軽減!

急な出費でカードローンを利用したのをきっかけに、複数の会社で借り入れをしています。 どうにかして返済の負担を減らしたいと思っているのですが、おまとめローンで借金を一本化した方がいいのでしょうか。(Aさん 会社員 30歳)
複数の債務を一本化すると返済計画も立てやすく、総返済額を減らすことができる可能性もあります。 お金の使い方を見直し、今後の生活の立て直しに取り組みましょう。

おまとめローンとは

おまとめローンとは、複数の借り入れをまとめて一本化するための商品です。 カードローンやキャッシングの利用で複数の金融機関から借り入れをしている場合、返済日にお金が足りないからという理由で、別の金融機関から新たな借り入れをしてしまうケースも多く見られます。 このような状態ではなかなか返済額が減りませんので、「おまとめローン」の活用を検討しても良いでしょう。 バラバラの返済日も1つになりますので管理もしやすくなります。

借り換え専用の無担保のおまとめローンのメリットは、フリーローンやカードローンの実質年率と比較して金利が低めということが挙げられます。但し、必要書類が多く、審査に時間がかかってしまうケースもあります。

不動産担保ローンをおまとめローンとして利用する場合は、担保となる不動産の価値の範囲内なら比較的大きな金額でも借り入れが可能です。 無担保のローンより低金利というメリットはありますが、返済が滞ると不動産を失うことになる可能性もありますので、確実に返済できる場合のみ利用するなどの注意が必要です。

また、金利が低いフリーローンやカードローンなどの商品があれば、それをおまとめローンとして利用する方法もあります。

おまとめローンの借り換えの例

複数の金融機関でカードローンを利用している場合、少額の借り入れだと最も高い実質年率が適用されていることが多いため、利息の支払いの負担が大きくなりがちです。 以下のように複数の金融機関で借入れをしている場合、おまとめローンに借り換えるとどうなるでしょうか。

金融機関 借入額 実質年率 返済回数 毎月の返済額 総返済額
金融機関: 合計
80万
34,406円
(最後は34,419円)
961,963円
金融機関: A銀行
50万
14.6%
31回
19,458円
(最後は19,465円)
603,205円
金融機関: B消費者金融
30万
17.8%
24回
14,948円
(最後は14,954円)
358,758円

イー・ローン「一般ローン 返済額シミュレーション」より筆者作成

下記のように、借り入れをまとめて現状より実質年率が低いローンにおまとめ専用ローン(フリーローン)に借り換えができれば、利息の負担を減らすことができます。 毎月の返済額を3万円以内に抑えるために返済期間は長く設定しましたが、総返済額は以前より少なくなりました。 ボーナス月など余裕があるときに繰り上げ返済をすれば、返済期間も短くなり、さらに総返済額を減らすことができます。

金融機関 借入額 実質年率 返済回数 毎月の返済額 総返済額
金融機関: A銀行
80万
12.5%
32回
29,527円
(最後は29,507円)
944,848円

イー・ローン「一般ローン 返済額シミュレーション」より筆者作成

返済計画をきちんと立てて生活を見直そう

借金を一本化する場合は、追加の借り入れは行わないよう、シミュレーションをしっかり行いきちんと返済計画を立てましょう。 確実に返済額を減らしていくためには追加の借り入れができないフリーローンを利用するのも一つの方法です。

消費者金融で借り入れをする場合、年収の3分の1以上の借り入れができない「総量規制」の適用を受けますが、おまとめローンは総返済額が減るなどの「顧客に一方的有利な借り換え」であれば、例外として利用することができます。 また、銀行でのおまとめローンは総量規制の対象外ですし、不動産担保ローンも総量規制の除外対象となっています。 とはいえ、おまとめローンを利用しても返済が困難だと思われる場合、専門家に債務整理の相談をするという選択肢もあります。

但し、債務整理をすると個人信用情報機関に登録され、一定期間は新たな借り入れができないといったデメリットもあります。 Aさんも、これから結婚や住宅購入という可能性もありますので、この機会に借り入れに頼る生活を見直し、借金をなくすという強い気持ちで返済に取り組んではいかがでしょうか。

【参考リンク】

私が書きました

福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2019年01月07日