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第586回

借り入れがかさんで苦しい!相談に乗ってくれる窓口は?

すぐに返すつもりで借りたローンの残高がいつのまにかかさんでしまい、返済が厳しくなってきました。先月は、別のところで借りて返済したのですが、まずいですよね。ほかに方法はないでしょうか。こういうときに、相談に乗ってくれるところはありませんか?(東京都 T)
返済のために、新たな借り入れを繰り返すのはやめましょう。「おまとめローン」を活用して返済方法を見直してみてはいかがでしょうか。一人で悩まずに、自治体などの相談窓口を利用されるのもよいでしょう。

「借りては返す」では、借入残高が増えるばかり

すぐに返すつもりだったのに、借入残高がかさんでしまったとのこと。なんとか返済しようと頑張っておられるのはよいのですが、「別のところで借りて返済」は、たしかに「まずい」です。現在の借り入れだけでも返済が苦しいのに、さらに借りてしまっては、借入残高を増やすばかりで完済はより遠くなってしまいます。とりあえず借りられるところで借りて、返済に回すようなやり方は絶対にやめましょう。

「おまとめローン」で返済しやすい計画を立て直す

ただし、「新たにローンを借りて返済にまわす」やり方にも、返済をラクにする方法があります。いわゆる「おまとめローン」といわれる大口の低金利ローンを新たに借り入れ、その借入金で今までのローンを全額返済し、ローンを一本化する方法です。低金利のローンに借り換えれば、利息負担を減らせて返済が早く進みますし、借入先が1か所になれば、返済日も月に1回になり、お金の管理がラクになります。

借り換えのポイントは、借入中のローンよりも低金利のローンに借り換えることです。いくら1つにまとめたいからといって、今よりも高金利のローンに借り換えると、返済日は1日になっても利息負担は増えてしまい、返済条件が厳しくなるだけです。そうならないために、今よりも条件がよくなるであろうおまとめローンの金利や借入可能額、借入条件などを比較検討し、返済しやすいおまとめローンを見つけるとよいでしょう。

おまとめローンの利用の際には、過去のコラムも参考にしてみてください。


【参考リンク】

ひとりで悩まず相談してみよう

また、借り入れや返済の問題に限らず、ひとりで思いつめてしまうと、冷静な判断力を失ってよい解決策が見つからず、問題をかえって悪化させてしまうことも多いようです。ひとりで考えてもどうもうまくいかないというときは、早めにご家族にも相談しましょう。ご家族などに話すことで冷静に状況を見つめ直すこともできますし、ひとりでは気づかなかった解決策が見つかることもあるでしょう。

ご家族などに相談しにくい場合や専門家のアドバイスも欲しい場合などは、お近くの債務や返済に関する相談窓口を利用されるとよいでしょう。当事者以外の専門家の目で冷静に見れば、より効果的な解決策が見つかるかもしれませんし、知らなかった解決策をアドバイスしてもらえるかもしれません。特に、平成26年9月1日~12月31日の間は、「多重債務者相談強化キャンペーン2014」として、各地で無料相談会が開催される予定です。

一番身近な相談窓口としては市区町村があります。債務に関する専門相談窓口が開設されている市区町村もありますし、専門相談窓口がなくてもその他の運営機関の相談窓口を紹介してもらえる場合もあります。各地の消費生活センターでも多重債務相談を受け付けています。

そのほか、法テラス「コールセンター」や各地の弁護士会、司法書士会でも多重債務の相談窓口がありますし、日本クレジットカウンセリング協会や日本貸金業協会の貸金業相談・紛争解決センターなどにも相談窓口があります。各団体のホームページなどでお近くの窓口や連絡先を確認し、相談されてみてはいかがでしょうか。

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2014年08月27日