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第581回

今月も支払いが厳しい…。おまとめローンを活用して家計の立て直しを!

ちょっとお金が足りないときにキャッシングを利用していましたが、気が付けば複数の返済を抱えることに…。「今月こそは!」と多めに返済しようと思うのですが、そんなときに限って突発的な支出があり、思うように返済が進みません。なかなか貯蓄もできず、何から見直しをしていけばいいのでしょうか? (Nさん 30代 会社員)
何か起きてから対処するのではなく、先手を打って家計のやりくりをしていきましょう。そのために必要なことはまず家計状況を把握し、自分の家計の身の丈を知ることです。返済は完済時期を把握し、いつ終わるのかを意識しながら返済していきましょう。複数の返済を抱えているときは、おまとめローンを利用して返済を一本化する方法もあります。

改めて家計状況を把握することからスタート

以前に比べ、お金が借りやすくなったこともあり、複数の返済を抱える家庭が増えてきました。その結果、収入の範囲内でやりくりをする機会を失い、「1カ月に必要なお金がいくらか?」ということを把握できていないことが多いようです。

そこで、改めて1カ月に必要なお金を把握するところから家計の立て直しを始めていきましょう。家計簿をつけている人は、直近の3カ月分から「何に」「いくら」使っているのか項目別に平均額を洗い出してみると良いでしょう。家計簿をつけていない人は、まずは1カ月分からつけてみてください。

予算の範囲内でやりくりをしてみましょう

1カ月に必要なお金が把握できたら、それを元に予算立てをして、その範囲内でやりくりをしていくようにしてみてください。

予算を立てるときのポイントは、「実際に使っているお金より少な目に」です。最初はなかなか予算内でやりくりができず、ついつい使いすぎてしまう傾向があります。そういったことを見越して、そもそもの予算を少な目に見積もっておき、予算オーバーしてしまった場合に補てんできるお金を確保しておくことが大切です。

「予算を立てたぐらいでうまくいくのだろうか?」と思うかもしれませんが、何も目標がないよりは、目標があったほうが頑張りやすいものです。使える生活費の限度を知ることで、日々の買い物をするときにも「今、これは必要かどうか?」を考えるきっかけになります。

現状の家計簿からだけで予算を立てるのが難しい場合には、統計データを利用する方法もあります。収入に対してどれくらいの割合で予算を立てれば良いのか、不安な方は以下の表などを参考にしてください。

<(例)1カ月の収入・支出・収支残と収入に対する割合(二人以上の勤労世帯)>
住居の所有関係 住宅ローン
返済世帯
  民営借家   公営借家   給与住宅  
<1.収入計> 602,966   432,434   289,419   584,140  
食料 72,616 12% 60,182 14% 54,445 19% 73,107 13%
住居 *106,095 18% 63,950 15% 29,856 10% 28,425 5%
光熱・水道 24,204 4% 19,596 5% 17,929 6% 20,575 4%
家具・家事用品 10,773 2% 7,928 2% 6,637 2% 9,962 2%
被服及び履物 14,463 2% 10,810 2% 8,690 3% 18,103 3%
保健医療 11,489 2% 9,635 2% 6,557 2% 13,197 2%
交通・通信 56,465 9% 43,967 10% 42,669 15% 53,409 9%
教育 26,308 4% 11,666 3% 14,649 5% 20,053 3%
教養娯楽 34,237 6% 22,042 5% 15,089 5% 35,112 6%
その他の消費支出 68,780 11% 46,232 11% 32,659 11% 67,873 12%
税金・社会保険 116,892 19% 69,162 16% 35,353 12% 119,507 20%
<2.支出計> 542,323 90% 365,170 84% 264,534 91% 459,321 79%
<3.収支残(1-2)> 60,643 10% 67,263 16% 24,885 9% 124,819 21%

* 住宅ローンの返済額を含む

総務省「家計調査 家計収支編(2013年)」より筆者作成

また、突発的な支出やキャッシングの返済もありますので、その分もあらかじめ予算として計上しておきましょう。突発的な支出は貯蓄としてストックしておき、結果的に使う必要がなければ、返済に充てても良いでしょう。

複数の返済はおまとめローンで一本化できないか検討する

複数の返済を抱えていると、返済日がバラバラで管理が大変といった声を聞きます。また、返済方法にリボ払いを利用している人が多く、返してはまた借りるといったことをしているせいで、完済時期がわからないといった悩みもあるようです。

そこで、“おまとめローン”を利用して、ローンを一本化することを検討してみましょう。複数の借り入れを一本化することで、返済日が月1回になり、返済計画が立てやすくなります。今借りているローンよりも金利が低くなれば、月々の返済は減ることになります。

または、返済期間を延ばすことで月々の返済が減る可能性もあります。ただし、総返済額が増えてしまう可能性もあるので、事前に試算してみましょう。たとえ総返済額が増えたとしても、無理な返済計画のせいで、また借りなければならない状況になるよりは、確実に返済をしていくことが完済につながります。余裕があるときには繰り上げ返済をする方法もありますので、まずは現状で無理のない返済計画に立て直しましょう。

私が書きました

中森 順子 (なかもり じゅんこ)

ファイナンシャル・プランナー。

プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。

※執筆日:2014年07月25日