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第497回

「借入限度額」がいっぱいの時は、新しいカードローンを申込した方がいいの!?

カードローン(実質年率17.8%)を利用していますが、限度額50万円が一杯になりそうなので、別の会社でのカードローン申込を検討しています。いつでも借りられるように、審査が通りやすいところを探すべきですよね?
追加の借り入れの前に一度立ち止まって、本当に必要な資金なのか考えて!借り入れが必要な場合でも、「別の会社のカードローン」よりも、「金利負担が少なく返済しやすい」ことを優先して、今の会社のカードローンの借入枠の増枠、もしくはおまとめローンを選ぶようにしましょう。

追加の借り入れを考える前に、ちょっと立ち止まって考えて欲しい

ご相談者は、「いつでも借りられる」状態でないと、不安なのかもしれませんね。でも、安易に借り入れを繰り返していると、いずれは返済に追われる生活になってしまいます。資金が必要になったら、借りやすいローンを探す前に、利息を払ってでも借りる必要があるような使い道なのか、考えてみましょう。

もし、毎日の生活のために借り入れが不可欠になっているなら、事態は深刻です。借り入れに頼らないで生活できるように家計を見直して、収入と支出のバランスを考えて家計を立て直していく必要があります。

今後むやみに借り入れを増やさないためには、将来の必要なモノ、欲しいモノのためにお金を貯めていくことも考えなくてはなりません。返済しながら貯蓄するのはなかなか大変ですから、少しでも金利負担を減らし、返済しやすい方法を工夫することも大切になってきます。

きちんと利用している人は、カードローン借入枠の増枠で、金利負担を抑えることも可能

別の会社のカードローンを検討する前に、現在お持ちのカードのローン借入枠(契約極度額)を増やせないか、金融機関に確認されてはいかがでしょうか?実は、カードローンは、契約極度額が大きいほど、金利が低く設定されており、借り入れと返済の実績を積み重ねていくことで、契約極度額が増え、契約当初の条件よりも、さらに低金利で借り入れできるようになります。

<契約極度額と借入利率の例>
契約極度額 実質年率
100万円以下 年 14.8%~17.8%
100万円超 200万円以下 年 12.0%~14.5%
200万円超 300万円以下 年 8.0%~10.0%
300万円超 400万円以下 年 7.0%~8.0%
400万円超 500万円以下 年 6.0%~7.0%
500万円超 600万円以下 年 5.0%~6.0%
600万円超 700万円以下 年 4.0%~5.0%
700万円超 800万円以下 年 3.0%~4.0%

(※各金融機関のカードローンによって、契約極度額や実質年率は異なります)

例えば、今回別の金融機関のカードローンに申込をしたとしても、今までの利用実績がないため、金融機関が延滞リスクを考慮した上で、「限度額50万円」(実質年率17.8%)という審査結果となる可能性もあります。できるだけ早期に返済をするためには、「金利負担が少なく返済しやすい」ローンを選択することが大切なので、これまで滞りなく返済してきた実績があれば、現在カードローン利用している金融機関に借入枠を広げる相談をしてみてはいかがでしょうか。増枠によって金利負担を減らせる可能性があるかもしれません。

もちろん、借入枠が広がったからといって、安易な借り入れを繰り返すことのないように気を付けて。金利負担が減った分、臨時返済などを行ってさらに利息を節約し、家計の立て直しを進めていきましょう。「金利負担を減らすメリット」と「臨時返済で利息を減らすメリット」については、以下のアドバイスも参考にしてみてください。

【参考リンク】

より低金利の「おまとめローン」を利用する

より低金利のおまとめローンに借り換えて、金利負担を減らして返済を進める方法もあります。相談者のカードローンの金利は実質年率17.8%とのことですが、おまとめローンなら上限金利でも実質年率15%以下のものが多くあるので、金利負担軽減の効果も大きそうです。タイプの異なるおまとめローンを3つほど見てみましょう。

<計画的な返済を優先したいなら>

SAIS◎Nのローン百選『生活支援ローン』計画完済コース
借り換え専用で追加の借り入れはできませんが、アドバイザーが家賃・生活費・他社借入状況などを詳しく聞いた上で、一緒に生活再生のプランを考えてくれるローンです。金利は、実質年率6.8%~15.0%(※2012年11月30日現在)。
返済に限らず、ひとりで計画的にものごとを進めていくのは、なかなか難しいものです。一緒に計画を考えて、相談に乗ってくれる人がいれば、確実に前に進むことができそうですね。

<上限金利が低く、大きな借り換え効果を実感したいなら>

東京スター銀行のりかえローン
当初の借り入れは、借り換えるローンの総額以内に限られるので返済のみになります。しかし、返済が進み、ローン残高が利用限度額未満となった場合には、利用限度額の範囲内で追加の借り入れ(使途自由)が同じ金利でできるというローンです。今すぐ追加借り入れの必要はないけれど、将来はある程度借りられるようにしておきたい、という方には安心できる仕組みかもしれません。実質年率で7.8% ~ 9.8%(※2012年11月30日現在)と金利が低いので、借り換えの効果が大きいケースが多そうです。

【参考リンク】

<追加の借り入れも含めて、低金利で借り換え>

イオン銀行 ネットフリーローン
資金使途が原則自由の証書ローンなので、追加の借り入れ分も含めて借り換えることができます。借り入れのたびに契約書を交わす証書タイプのローンなので、その後の安易な借り入れの繰り返しを抑える効果も期待できます。インターネット専用商品で、2012年12月31日申込み分まで、金利引下げキャンペーンを実施中です。
このように、おまとめローンといっても、借り換え専用のもの、借り換え分に加えて追加借り入れ分をまとめて借りられるものなどさまざまなタイプがあります。ご自分にあったものを比較検討してみてください。

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2012年11月30日