第423回
家計にも「断捨離」の発想を。複数のローンをまとめてスッキリ!
- 仕事にプライベートに忙しい毎日。タイムイズマネーとばかりに、時間効率を考え、利便性を重視してクレジットカードやカードローンを利用してきました。しかし、気がつけば複数のカードに分散され、支払いが煩雑になり管理がしにくい状況に。何か良い見直し方法はないでしょうか?(Yさん 31歳 会社員)
- 利便性を追及するなら、借りるときだけでなく、返すときのことも考えることが大切です。煩雑になっている借り入れの一本化を検討してみましょう。自分にとって借りやすい、返しやすいものを整理して、家計の断捨離をする良いタイミングです。
「断捨離」はスッキリ快適な生活を手に入れるための生活術
昨年からよく耳にする「断捨離」とは、やましたひでこさんが提唱する生活術のことで、入ってくる要らないモノを「断つ」、家にあるずっと要らないモノを「捨てる」、モノへの執着から「離れる」ことによって、身の回りをスッキリさせ、快適な生活を手に入れようという考え方です。
ネット環境が整ったおかげで、パソコンや携帯電話からさまざまな商品やサービスを購入できるようになり、とても便利になった一方で、つい余計なモノまで買い込んでしまい、結局はあまり使用せずにそのまま部屋に溜め込んだまま、いつの間にか要らないモノで部屋がいっぱい…ということが思い当たる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
こんなときに、「断捨離」を実践して、自分にとって本当に必要なモノを改めて知る機会が必要なのだと思います。
管理しきれないカードやローンは自分の時間と信用力を奪うもの
家計における「断捨離」といえば、ローンやクレジットカードの分割払いやリボ払いを整理することです。先ほどの話でクレジットカード決済を利用する機会が増えていることは容易に想像がつくでしょう。また、ちょっとしたという時に使うカードローンについても、インターネットを利用して簡単に手続きできるため、誰でも気軽にカードローンを即日で利用できるようになり、複数のキャッシング枠付きのクレジットカードやカードローンが増えてしまっている状況です。
ところで、後で支払う(返済する)お金はきちんと管理できているでしょうか。複数のカードやカードローンを利用することによって、1カ月に何度も支払日があったり、複数の引き落とし口座に分散されていたりと、管理が複雑化している人が多く見受けられます。そのため、手間がかかるだけでなく、うっかり支払日を失念してしまったり、引き落とし口座の残高が不足していたなどで、支払いが遅れてしまったという人も。
支払いが遅れると信用情報機関にその情報が登録され、あなたの信用力に影響が出ます。場合によっては、将来ほかで借り入れをするときに支障をきたすこともありますので、支払いが遅れないように、しっかり管理できる環境にしておくことが大切です。
家計の「断捨離」で時間と信用力を取り戻そう!
そこで、家計管理にも「断捨離」の発想でメスを入れ、「借り入れ」を整理し、スッキリさせましょう。カードローンやクレジットカードのキャッシングはもちろんのこと、ショッピングも借り入れのひとつです。利用した後にお金を支払うものは「借り入れ」と考え、まとめて整理していきましょう。
タイムイズマネーというのであれば、使いやすい・借りやすいだけなく、返しやすいことも重要なポイント。返済のために、口座間でお金の振り替えをしなければいけなかったり、月に何度も支払いのことを考えなければいけないのでは、それだけ時間が取られ、効率性がなくなります。
また、借りたものを返すときには手数料として利息を支払わなければなりません。「借り入れ」が複数に分散されていると、ひとつひとつの支払いが少なくなり、あまり利息のことを気にしていない人が多いようです。当然のことながら各社の金利が同じとは限りません。A社は金利年15%、B社は金利年18%だとしたら、少しでも金利の低いA社にまとめたほうが利息は少なくなります。
複数の「借り入れ」を持っていることで、このあたりを把握していないことが多いので、一度整理してみましょう。整理するポイントは、「いつまでに」「いくら」「金利何%」で返すのかということ。一覧表などにまとめてみると一目瞭然でわかりやすいでしょう。
「おまとめローン」でスッキリ!
改めて「借り入れ」を整理してみることで、どれだけの手間がかかっていたのかを把握することができます。その手間を省いて自分の時間を作るための方法のひとつが「おまとめローン」の利用です。
複数の借り入れを一本化することで、支払いの管理がしやすくなります。さらに、現在利用しているものよりも金利が低いものにまとめることができれば、利息が軽減され、総支払額を減らすことができます。また、金利が変わらなくても、月々の返済額を少しだけ多くすることで、返済期間を短縮でき、総支払額を減らせる可能性も。
毎月の管理の手間が省け、総返済額が少なくなったり、返済期間が短くなる可能性がありますので、ぜひ「おまとめローン」を調べてみましょう。
イー・ローンであれば「おまとめローン」を簡単に検索できますので、ぜひ利用してみてください。どれくらい利息に差があるのかは「ローンシミュレーション」で試算できますし、気になるローンがあれば「ローン比較リスト」を利用すると便利です。
借りてから返すまでを効率的にするように、ぜひこの機会にご自身の家計の「断捨離」をしてみましょう!
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
プログラマー・SEを経験後、結婚を機に税理士事務所へ転職。企業の税務・社会保障・融資のサポートなど幅広く経験。個人のお金に関する相談が増えたことから、FP資格を取得。10年勤務後、個人の家計サポートに集中すべく、2003年に独立。住宅購入や資産運用、保険見直しなど、自分自身の経験も交え、執筆・セミナー・相談と幅広く活動中。家計診断は500件以上の実績あり。
※執筆日:2011年06月24日