第468回
復興支援・住宅エコポイントの予約申請始まる!
- 住宅購入の際に復興支援・住宅エコポイントを利用したいと考えていますが、5月から何か変わったようですね。これまでとどう違ってくるのでしょうか?(MDさん、37歳、会社員)
- 2012年5月以降、「復興支援・住宅エコポイント」を利用する場合、あらかじめ予約が必要になりました。
復興支援・住宅エコポイントのツボ
「復興支援・住宅エコポイント」は、エコ住宅の新築やエコリフォームをした場合にポイントが発行され、そのポイントを被災地の商品やエコ商品等と交換できる制度です。平成23年7月でいったん終了した従前の住宅エコポイントの目的は、地球温暖化対策として住宅の省エネ化を進めることと、景気回復のため国内住宅市場を刺激することでしたが、「復興支援・住宅エコポイント」は、未曽有の被害に見舞われた東日本大震災の被災地復興支援を行う目的が加わっています。
ちなみに、どのあたりが復興支援なのかというと、「被災地」でのエコ住宅の新築は、その他の地域に比べて2倍のポイント(30万ポイント=30万円相当)がもらえるほか、もらったエコポイントを交換する商品に被災地の特産品や被災地への寄附等が加わっている点です。エコポイントの利用を通じて被災地支援を行うことができます。
なお、「復興支援・住宅エコポイント」の対象になるものは、所定の条件に合うエコ住宅の新築とエコリフォームで、条件とされるものは下表の通りです。
<ポイント発行の対象>
- ▽エコ住宅の新築
- 対象工事期間:平成23年10月21日~平成24年10月31日に着工したもの
- 対象住宅:
- (1)省エネ法のトップランナー基準相当の住宅
- (2)省エネ基準(平成11年基準)を満たす木造住宅
- *該当する住宅に太陽熱利用システムを設置した場合も対象。
- ▽エコリフォーム
- 対象工事期間:平成23年11月21日~平成24年10月31日に着工したもの
- 対象工事:
- (1)窓の断熱改修
- (2)外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
- *併せて以下の工事等を行った場合もポイントの対象となる。
- ・バリアフリー改修(手すりの設置、段差解消、廊下幅等の拡張)
- ・住宅設備(太陽熱利用システム・節水型トイレ・高断熱浴槽)の設置
- ・リフォーム瑕疵保険への加入
- ・耐震改修
- ※筆者作成
もらえるエコポイントは、エコ住宅の新築で「被災地」(特定被災区域の市区町村)が1戸30万ポイント、その他エリアが1戸15万ポイント。太陽熱利用システムを設置した場合は2万ポイントが上乗せになります。申請時には証明書作成費用(数千円~数万円)もかかります。
一方、エコリフォームは、窓の断熱改修や外壁・屋根・天井・床の断熱改修等の工事内容に応じてポイントが設定されていて、その累計分がもらえます(上限は1戸30万ポイント)。耐震改修を行った場合は、この上限と別に15万ポイントを加算できます。やはり、証明書発行に所定の費用がかかります。
エコポイントは、2分の1以上を復興支援商品(被災地の特産品や被災地への寄附等)に交換します(交換期限は平成27年1月31日)。エコ住宅の新築またはエコリフォームを行う業者による追加工事の代金に充てる「即時交換」や通常のエコ商品との交換ができるのは2分の1までとなっています。
住宅エコポイントの事前予約
2012年5月1日以降、復興支援・住宅エコポイントのポイント発行申請をするには、事前予約が必要になりました。予約申込は、エコ住宅の新築であればエコポイント対象住宅証明書等の交付後、エコリフォームであれば、 原則として工事請負契約の締結後に予約します。その後、工事完了後にエコポイント発行申請を行います。
住宅エコポイントには申請期限が決められていますが、発行ポイントの予算に達したときは期限前でも発行を終了する可能性があります。前回は5カ月繰り上がったので、利用するのであれば、申請期限の半年前までに完了するペースで進めるようにしましょう。
工事の種類 | 建て方等 | ポイント発行の申請期限 |
---|---|---|
エコ住宅の新築 | 一戸建ての住宅 | 平成25年4月30日 |
共同住宅等 | 10階以下:平成25年10月31日 11階以上:平成26年10月31日 |
|
エコリフォーム | 一戸建ての住宅 共同住宅等 |
平成25年1月31日 |
共同住宅等で 耐震改修を行うもの |
10階以下:平成25年10月31日 11階以上:平成26年10月31日 |
※筆者作成
住宅購入で無理はしない!
住宅エコポイントの概要を見てきましたが、住宅購入・建築、あるいはリフォームを考えている人にとってはメリットがありますが、「住宅エコポイントがあるから今急いで買う(建てる)」というのは本末転倒。頭金(1~2割)や諸費用分を用意し、子どもの教育資金や自分たちの老後に影響が出ないマイホームプランかどうか冷静に考えたうえで購入したいものです。リフォームの場合も、無理なく返せるかなどをチェックしたうえで検討しましょう。
【参考リンク】
住宅ローンもリフォームローンも自分に合った商品を選びたいですね。それぞれ実際の商品を見ながら検討してみてください。