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第95回

住宅ローンで叶った北欧風の家。古家付きの土地を購入し、理想の家を建てました。

北海道にお住まいのエゾムースさんは、住宅ローンを使って、スウェーデンハウスで家を建てました。希望の条件にあった土地に住むために、古家付きの物件を購入し、登記申請や古屋の解体を自分たちで手配したそうです。

オーナーさんデータ
北海道 エゾムースさんご一家(仮名)
家族構成:
エゾムースさん(27歳・会社員)、妻(25歳・看護師)、長女0歳
建設時の世帯年収:
700万円
購入した住宅:
スウェーデンハウス・注文住宅
延床面積と間取り:
土地101坪、延床34坪、4LDK
購入価格 :
3,300万円
利用ローン:
北洋銀行「ほくようスペシャル住宅ローンα(固定金利特約3年)」
金利タイプ:
固定期間選択型(固定期間3年。それ以降は変動金利)
金利:
固定期間0.7%(2020年8月実行)
ローン借入金額 :
3,500万円(ペアローン 夫7:妻3)
借入期間:
35年
毎月の返済額:
9.4万円

夫婦で家を持つことが夢だったというエゾムースさん。知人から、奥様の実家のそばで約100坪の土地を売ってもらえることになりました。ただ、その土地には古い家がそのまま残っていました。
エゾムース
仲介手数料を節約するために、不動産会社を挟まずに知人と直接売買をすることにしました。でも、古い家が付いているので、古家の解体作業を自分で手配する必要があります。また登記申請の手間もありました。
当然のことながら、どれも初めての経験です。どれくらい手間がかかるのか、費用は抑えられるかが心配でした。
しかし、古屋の解体手配や登記申請を試行錯誤し、思ったよりもコストを抑えられたそうです。
エゾムース
古家の解体については、費用や手続きの面で不安がありました。解体するだけでなく、屋内に残っている家具などの処分も必要です。とくに洗濯機やテレビはリサイクル料がかかり、粗大ごみとして捨てられません。食器類や家具などの一般廃棄物も解体会社に依頼すると、それだけで料金がかさみます。
コストを抑えるために、私が行なったのは、屋内に残っていた一般廃棄物の処分は清掃会社に、 解体は解体会社へと、屋内の処分と解体を別会社に頼むことです。
こうすることで、解体会社に一括で依頼するよりも安く抑えられ、解体費用は約220万円で済みました。
もうひとつの工夫は、解体会社の手配を、ハウスメーカーを通して行なったことです。それによって、つなぎ融資を利用でき、解体費用も住宅ローンに組み込むことができました。
登記申請については、一般的には仲介会社や司法書士に頼むことになります。でも、司法書士に依頼すると、依頼費用だけで10万円以上かかるという話を聞きました。そこで、個人間売買ということもあり、自分たちで土地契約から登記手続きまで行いました。空き家の持ち主が関東在住で、メールや電話だけでやり取りしていたので、手間がかかり大変でしたが、司法書士への依頼料を抑えることができました。
面倒な手続きもありましたが、そのおかげで約100坪の土地を手に入れることができました。
ハウスメーカーは、地元の工務店も含め検討した結果、スウェーデンハウスを選びました。
エゾムース
スウェーデンハウスを選んだのは、シンプルだけど可愛い外観でありながら、高気密・高断熱と住宅の性能も良いため。築後50年はアフターフォローありという手厚さも魅力的でした。
外観は、1階と2階で外壁材を変え、ツートンカラーにしています。

家の裏側には勝手口がついていて、庭に出ることができる

家のなかは、木のぬくもりが感じられるよう、無垢板をたくさん使用しています。玄関前には飾り棚のニッチ(物を飾るための凹みのこと)と腰壁ピーリング(壁の下半分に板やパネルなどを張って仕上げたもの)を作りました。
ニッチには、クリスマスやハロウィンなど季節のアイテムを飾っています。

ニッチの横は階段下収納。
普段はマリメッコのカーテンで目隠しをしている

リビングにも腰壁ピーリングをつけ、木の柔らかい雰囲気を楽しめるようにしました。ダイニングテーブルではなく、大きめのリビングテーブルを置いているので、大人数が集まってもワイワイと楽しめます 。

17.5畳のリビングには壁掛けテレビを設置。
テレビの両側に窓を作ったことで部屋が明るい

リビングとつながっている和室。
子どもが遊ぶ姿をリビングから見守れる

階段はリビング内に作りました。よくリビング階段にすると、2階の冷気が下りてきて寒いという話を聞きますが、家のなかに寒暖差がないため、寒さを感じません。

階段の上の部分につけた窓から、朝日が差しこむのがお気に入り

階段を上がったところにはパソコン作業や勉強ができるスタディスペースを。オンライン会議をする際は、このスペースを利用しています。カウンター前の窓からは、地元の花火大会も観ることができます。

カウンターはパイン材を使用。
照明は『PiENi(ピエニ)』というペンダントライトを2灯つけている

2階は手すり子で階段をかこっている。
スッキリと開放感がある空間に

家を建てる前は、外出することが多かったエゾムースさんですが、家を建ててから、のんびりと過ごすことが増えたといいます。
エゾムース
この家に住み始めてから、日曜大工にも挑戦しています。家を建てる際に余った木材で、エアコン室外機カバーやフラワースタンドづくりにも挑戦してみました。自分で手を加えることで、ますます家に愛着がわいてきます。春になったらみんなでバーベキューをしたり、外構工事もDIYで進めていけたりしたらいいなと考えています。
エゾムースさんが家を建てたのは26歳のとき。当初は20代で家を購入することに不安もありましたが、メリットのほうが大きかったといいます。
エゾムース
20代で家を建てるメリットは、早い段階でローンを組むことで、定年退職する前に返済できること。また、長期間ローンを組めるため、ゆとりを持った返済計画を立てられることです。
とはいえ、それほど貯蓄もしていなかったため、きちんとローンを返済できるか心配でした。そこで、ファイナンシャルプランナーに相談し、返済計画などをシミュレーションしてもらうことにしました。すると、漠然とした不安がなくなりました。
ローン借入額はペアローンで合計約3,500万円。夫婦ともども、北洋銀行の「ほくようスペシャル住宅ローンα(固定金利特約3年)」 を選んだそうです。
エゾムース
ひとりでは希望する金額の住宅ローンが組めなかったので、夫婦ペアローンで組んでいます。お金のことについては疎いため、ファイナンシャルプランナーからアドバイスをいただいた上で、ローンを選択しました。
住宅ローンの種類はふたりとも同じです。3年間のみ固定金利になるタイプを勧められたのでそちらに決めました。団体信用生命保険の内容も十分だったと思います。
また、個人間売買だったため、住宅ローンの審査が通るか少し心配でした。というのも、今回のように個人間売買で登記申請を自分で行うと、審査が通らない銀行もあるという話を聞いたためです。でも、これは杞憂に終わり、無事に住宅ローンを組めてほっとしました。
最後に、エゾムースさんのように、理想どおりの素敵な家を建てたいと考えている人へのメッセージを伺いました。
エゾムース
無理をしてローンを組んでも、旅行や外食をガマンすることになるとせっかくの楽しい生活に水を差してしまう気がします。無理せず支払える範囲でローンを組むことが大事だと思うので、家を建てる前にFPに相談することをおすすめします。また、ハウスメーカーを選ぶ際も、自分たちがどんなことにこだわりたいのかを明確にすると、ブレないと思います。
ライターからのコメント。

木のぬくもりが感じられる、とても素敵なお家ですね。
高齢化が進み、空き家が増えていることが社会問題にもなっています。地域によっては、不動産会社も更地よりも家が建っている土地の情報を多く持っている場合もあるようです。
古家付きの土地を購入すると、古家の解体などの費用が別にかかります。エゾムースさんのように、つなぎ融資を利用し、解体費を住宅ローンに組み込めることもありますので、ハウスメーカーや金融機関に相談してみるといいでしょう。

※今回ご協力いただいたエゾムースさんのブログ「スウェーデンハウスで家建ててみた」のURLは https://ezo-moose.com/

文/齋田 多恵、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン