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第47回

住宅ローンで叶ったフルリノベーション。唯一無二の空間ができました。

東京都在住の内村さんは、住宅ローンを利用して築32年の中古マンションを購入し、フルリノベーション。家の隅々まで希望を叶えた、世界に一つだけの空間を実現しました。

オーナーさんデータ
東京都 内村さんご一家(仮名)
家族構成
夫(57歳・会社員)、妻・絵里さん(53歳・パート)
購入時の世帯年収
1,600~1,700万円
購入した物件
中古マンション(7階・2LDK)
購入価格
5,000万円(建物3,800万円、リノベーションなど1,200万円)
延床面積
65m2
利用ローン
三井住友銀行「住宅ローン」※ペアローン
金利タイプ
変動金利型
金利
夫1.275%、妻0.875%(2015年5月実行)
ローン借入金額
3,980万円 ※夫婦で折半
借入期間
夫23年、妻27年
毎月の返済額
夫83,227円、妻68,982円

長らく賃貸マンションに暮らしていた内村さんご夫婦が、マンションを購入したのは2015年5月のことでした。
絵里
ずっと賃貸住まいでもいいかと思っていたのですが、夫婦とも50代になり老後の生活に不安も出てきたので、マンションの購入を決意しました。
ただ、既存の分譲マンション・建売住宅にありがちな間取り、造作、インテリアにはまったく魅力を感じなかったので、家を持つなら最初から「中古+リノベーション」を考えていました。“箱”自体は出来るだけシンプルに仕上げ、自分たちの好きな家具で理想の空間を造っていくことにしました。
リノベーションの本に載っていたリノベーション会社が相談会をしていたので、軽い気持ちで行ってみると、その日のうちに3つの物件を紹介されました。後日、物件を見に行くと、ひと目で気に入ってしまい、その場で申し込み。いろいろな会社を比較検討すべきだったのかもしれませんが、不動産購入からローン申し込み、そしてリノベーションを一社に任せられるのは、共働きの私達にはありがたく、即決しました。
「どうせやるなら、とことんやろう」と、内村さんは部屋の間取りを大きく変える、フルリノベーションをすることにしました。
絵里
もともとの間取りは2LDKだったのですが、それを1LDKにし、ウォーク・イン・クローゼットとシューズ・イン・クローゼットを設けました。
私の理想は、スッキリとしていてスタイリッシュな雰囲気で全体を統一すること。リノベーション会社の担当者さんと何度も打ち合わせを重ね、各地の家具店をハシゴしたりしながら、自分の思い描いたイメージに近づけていきました。

左が古い部屋の間取り。右のように変更した

リノベーション前。どこにでもあるような平凡な内観

約2カ月で、フルリノベーション工事が完了。1,000万円以上の費用がかかる一大工事となりましたが、その分希望を隅々まで叶えた空間ができあがりました。

リノベーション後のリビング。以前の内観からは想像もつかないスタイリッシュな雰囲気に仕上がった

絵里
特にこだわったのはキッチンです。少ない予算で出来るだけインテリアに溶け込むシステムキッチンにしたかったのですが、既存のシステムキッチンに満足できるデザインがなかなか見つかりませんでした。最終的には、「ウッドワン」という会社の人工大理石を使ったキッチンをチョイス。予算的には少しオーバーしてしまいましたが、とても満足のいく仕上がりになりましたね。

リビングルームに馴染むシックなキッチン。ブラックの人工大理石のカウンタートップにこだわった

洗面所の洗面台も理想を追求し、サンワカンパニーの「FINE」に決定。トイレも、当初予定していたよりもスペースを広く取ったことで、落ち着く空間になり、大変満足しています。

洗面所もモノトーンでまとめた

少し広めにスペースを取ったことで、掃除しやすく、落ち着くトイレに

入居後は、新居での暮らしを満喫しているようです。
絵里
夫の持ち物が尋常じゃなく多いので、入居から1年以上経った今も片付かないのがストレスですが(笑)、インテリアにはとても気に入っていて、素敵なホテルに泊まっても我が家が一番と思える程大好きです。まだまだ完成形には程遠いのですが、少しずつ手を加えていくことも楽しみの一つです。

寝室には、ブルーがかったダークグレーのアクセントウォールを採用

ローン借入額は3,980万円。三井住友銀行の住宅ローンを選びました。
絵里
ローンの返済を極力減らすためにリノベーション費用は貯金でまかない、建物のみ住宅ローンを組みました。金融機関の選定はリノベーション会社にお任せして3社に申し込み、仮審査の結果、最終的に三井住友銀行を選びました。ペアローンにしたのは、当時の私の収入と夫の収入が同じくらいだったので、この住宅ローンの特性に合うとリノベーション会社の担当者にアドバイスを受けたからです。
夫の方が金利が高いのは、夫だけ「8大疾病保障付住宅ローン」にしたから。通常の住宅ローンより少し金利が高くなるのですが、ガンになったり、脳卒中、高血圧などで就業不能状態が一定期間続くと、住宅ローンの残高がゼロになります。夫も定年が近いので、万が一のために付けておきました。また、自然災害時に返済が一定期間分免除される特約も付けました。
最後に、中古マンションのリノベーションを検討している人へのメッセージを伺いました。
絵里
自宅というのは、自分たちが気持ちよく過ごせる空間であるべきだと思います。しかし、分譲マンションや建売住宅にみられる画一的な空間に自分たちの生活を合わせている人が多いのが現状ではないでしょうか? 一生に何度も買えない高額な買い物。注文住宅を建てられる予算がなくても、リノベーションをひとつの選択肢として考えていただくと、自分たちのスタイルに合わせた理想の空間が造れ、住む喜びを実現しやすいのではないかと思います。
ライターからのコメント。

ガンと診断されたり脳卒中で一定期間就業が不能になったりすると、住宅ローン残高がゼロになる「8大疾病保障」付きの住宅ローンは、三井住友銀行やみずほ銀行など多くの金融機関で組むことが可能です。住宅ローンの適用金利に0.3%程度を上乗せすることで保障を付けられる手軽さから、内村さんのように疾病保障を付ける人が増えています。ただし、細かい条件があり、たとえば三井住友銀行の場合は借入時の年齢が46歳以上だと条件が厳しくなります。そうした点も念頭に入れて、検討するとよいでしょう。

文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン