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第41回

住宅ローンで叶った思い通りの家。リノベーション大成功です

TSUNさんご夫婦は、2015年に東京都内の中古マンションを購入。限られた予算のなかで、ポイントを絞ってリノベーションをすることで、思い通りの居住空間を手に入れました。

オーナーさんデータ
東京都 TSUNさん(仮名)ご一家
家族構成:
夫(47歳・会社員)、妻・TSUNさん(46歳・フリーデザイナー)
購入当時の世帯年収:
500万円以上
購入した物件:
東京都内の中古マンション(築3年)・3LDK・70m2
購入価格:
4,870万円(物件4,400万円、リフォーム470万円)
自己資金:
2,870万円(物件2,400万円、リフォーム470万円)
利用ローン:
ARUHI「【フラット35】S・金利Bプラン」
金利タイプ:
固定金利型
金利:
物件…当初5年0.63%、6年目より1.23%(2015年5月実行)
借入金額:
2,000万円
借入期間:
20年
返済方法:
元金均等返済
毎月の返済額:
8万3,333円(元金)+利息

TSUNさんご夫婦が自宅を購入しようと考えたのは今から2年ほど前。お二人が40代半ばに差し掛かってからのことでした。
TSUN
「いつかは家を持ちたい」と思いながら、「実家の両親と二世帯同居になる可能性」もあったので、結婚後も長年賃貸に住み続けていました。そして数年前に同居話が浮上したのですが「住み慣れた家を建て直したくない」という両親の希望もあり、二世帯同居が白紙に。「それなら、自分たちの家を買おう」と。ずっと賃貸だったので、内装を自分の思い通りにすることにも憧れがありました。
「南向き」「主人の勤務先から通勤30分以内」「予算は4,500万円」などの条件で物件探しを始めてから4ヶ月。気に入っているデベロッパーの築浅中古マンションが売りに出ていて、管理体制も住民の印象も良かったので購入を決めました。
「できるだけ理想の空間にしたい」と思っていたので、初めからリノベーションするつもりでした。
TSUN
予算に限りがあったので、大きく分けて「玄関を広げる」「キッチンを広げる」「リビングダイニングと隣接した部屋の間仕切りを無くしてリビングダイニングとつなげる」の3点に絞りました。
物件を探しながら、複数のリノベーション会社の資料を取り寄せ、施工例の内覧や相談に足を運びました。一度はあるワンストップリノベーションの設計会社に依頼を決めたのですが、紆余曲折あり仕切り直ししたことも…。最終的に、好みや会話、フィーリングが合うなと感じた、女性の建築家さんにお願いすることにしました。
自分たちの要望をできるだけ正確に伝えるために、好みのインテリアや施工例、置く予定の家具の写真、使いたい資材などをまとめたリクエストシートを作成し、建築家さんにお渡ししました。
フィーリングが合う建築家さんと綿密な打ち合わせを重ねたことが功を奏し、TSUNさん夫妻にとって、限りなく理想に近いリノベーションが実現しました。間取りを以下の図のように変更したことで、室内はみちがえるように変わったそうです。

施工前後の間取り図。リビングダイニングの広さが際立つ

TSUN
レイアウトを変えたことで、快適に料理ができるようになったキッチン。隣接する部屋を削って土間にし、広々とした玄関。隣接する5畳の部屋の間仕切りをなくしたことで、より開放的になったリビングダイニング。どこも同じくらい気に入っているので、一番を決めるのは難しいですね。
強いて「一番」をあげるなら「キッチンと寝室をつなげたこと」かもしれません。
元々は寝室側クローゼットのドアだった部分を活かし、行き来できるようにしたことで、寝室の窓からリビングへ風が抜け、家全体の風通しが非常に良くなりました。また、キッチンから寝室、廊下へ回廊の動線ができ、布団もベランダまで一直線の最短距離で運べます。

キッチンの奥には寝室があったが、壁で仕切られていた

キッチンと寝室の間をつなげたことで、寝室の窓からリビングまで風が通り抜け、家全体の風通しが劇的に良くなった

そんな家に移り住んだことで、TSUNさんご夫妻の暮らしぶりにも変化が生じたそうです。
TSUN
以前よりキッチンの雰囲気や使い勝手が良くなったおかげで、全く料理をしたことが無い主人が手伝ってくれるようになりました。また、洗濯や掃除などのしやすさも意識してリノベーションしたので、今まで感じていた家事のプチストレスが解消されました。
主人は家やインテリアには全く興味が無く、理想や希望も無くて、リノベーションの設計や打ち合わせは私に全て一任。でも、新居に越して「家の快適さがこんなにも気持ちを豊かにするなんて初めて知った」と予想以上に満足していました。

施工前の玄関。靴以外のものを置くスペースがない

施工後の玄関。玄関脇の部屋を一部削って、玄関の土間を拡張。雰囲気が一変した。靴を履くためのベンチも

ローン借入額は2,000万円。住宅ローン専門の金融機関であるARUHI(旧・SBIモーゲージ)の【フラット35】S・金利Bプランを選びました。
TSUN
金利の変動を気にするのが面倒だったので、長期固定金利の【フラット35】にしようと最初から決めていました。金融機関は近所に店舗があり対応が良かったARUHIを選びました。
【フラット35】にもいろいろ種類がありますが、うちのマンションが該当していたのは、【フラット35】Sの金利Bプラン。金利が当初5年間年0.6%引き下げなので、当初はほとんど変動金利並みに。三大疾病特約付きの団体信用保険に加入した分、月々の支払いは増えましたが、金利が低いのでそれでも余裕があります。返済方法は毎月一定の元金を返済することで総返済額が安くなる「元金均等返済」を選べました。
【フラット35】Sを利用するためには、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることを示す「適合証明書」を提出する必要があります。住宅金融支援機構に登録している建築設計事務所や検査機関の他、仲介業者や【フラット35】取り扱い金融機関でも発行してもらえるとのことでしたが、私たちは中古マンションの状態を診断する「ホームインスペクション」とセットでお願いしたかったので、不動産コンサルティング企業のさくら事務所にお願いしました。ホームインスペクション料5万円+フラット適合証明発行2万円で、合わせて7万円。診断結果は「問題無し」。築浅とはいえ、プロに見てもらえると、安心できますね。【フラット35】Sの審査も無事通り、金利負担はかなり低く抑えられました。
結びに、これから中古マンションを購入し、リノベーションすることを検討している人へのメッセージをお聞きしました。
TSUN
物件探しからリノベーション会社選び、資材選びに施工業者との打ち合わせ、工事中の現場立会いなどなど。やることや決めることが山ほどあり、費やした時間と労力は想像以上でした。しかし、その時々でサポートしてくれる業者の担当者やプロの方々との関係が良好だと、困難な問題の解決もスムーズでした。結局は全て「人」なんだなぁと、終わってみてつくづく感じます。リノベーションは、話しやすい人、思考・価値観・フィーリングの合う人にお願いすること。そして、時間とお金には余裕を持って計画することをおススメします。
ライターからのコメント。

省エネルギー性や耐震性などに優れた住宅の場合、住宅金融支援機構【フラット35】の金利を一定期間引き下げられる【フラット35】S。マイナス金利の影響もあり、今や固定金利タイプながら当初期間は1%を下回る金利で借りることも可能です。適合証明書を提出する必要がありますが、条件に合致する住宅を購入される場合は、大きなチャンスです。

※取材にご協力いただいたTSUNさんのブログ「Uchi Blog」。http://kries.jp/uchiblog/

文/杉山直隆、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン