第130回
住宅ローンで叶った、絵本に出てくるような家。狭小住宅に希望を詰め込みました。
中部地方にお住まいのおまめさんは、住宅ローンを使って絵本に出てくるような可愛い家を建てました。ステンドグラスやタイルなどのインテリアにこだわり、大好きなものに囲まれています。成長した子どもたちと過ごす時間を大切にしつつ、それぞれの個室を作り、プライベートも確保しました。
オーナーさんデータ
中部地方 おまめさん(仮名)ご一家
- 家族構成:
- おまめさん(会社員・40代後半)、長女(高校生)、長男(中学生)
- 建設時の世帯年収:
- 400~500万円
- 購入した住宅:
- 地元工務店の注文住宅
- 延床面積と間取り:
- 70.79m²(敷地面積95.01m²)、3LDK
- 購入価格:
- 3,000万円
- 利用ローン:
- 十六銀行「住宅ローン」
- 金利タイプ:
- 変動金利型
- 金利:
- 0.575%(2023年7月実行)
- ローン借入金額:
- 約2,000万円
- 借入期間:
- 35年
- 毎月の返済額
- 約6万円
- おまめさんは40代後半に差しかかってから、自分の家を建てることを決めました。どんな心境の変化があったのでしょうか。
- おまめ
- 7年前に夫を亡くし、シングルマザーとして2人の子どもを育てています。気がつけば、長女は高校生、長男は中学生になりました。日々、子どもたちの成長を実感するなかで、「子どもたちはいずれ私のもとから巣立っていく。それまでの期間を大切に過ごしたい」と思うようになりました。
- 一方で、子どもたちが巣立っていけば、一人で住むことになります。そうなったら、自分が好きなものに囲まれて暮らしたい。そこで、40代後半になりましたが、思い切って家を建てることにしたのです。
- まずは、2022年の夏に、最寄り駅からほど近い29坪の土地を購入。そこからハウスビルダー探しを始めました。
- おまめ
- 私好みのナチュラルテイストな家を建てる工務店さんをネットで見つけ、費用面や子どもたちのことも相談して図面を書いてもらいました。すると、伝えたイメージをそのまま形にしてくれたんです。私に寄り添ってくれる誠実さに感動し、「ぜひこの工務店にお願いしたい」と決めました。
- コンセプトは「絵本に出てくるような家」です。南欧の街にたたずむ雰囲気の一軒家が完成しました。
- おまめ
- 漆喰を使った白い外壁に、瓦屋根や鎧戸などのアクセント。家の中に入ると、ステンドグラスやミニシャンデリアがお出迎え。洗面台のタイルや扉の取手など、きめ細かい仕掛けも随所にこらしている。私の希望をとことん詰め込んだ家になりました。
- 約29坪と敷地面積が狭いのですが、工務店の方が我が家の生活スタイルをじっくり聞き取りしてくれ、きゅうくつさのない間取りにしてくれました。
- 1階には13畳のLDKと水回りを配置しました。
- おまめ
- 狭小住宅ですが、リビングスペースは少しでも広く確保したいと考えていました。
- そこで、洗面所、お風呂、トイレを1か所にまとめて、省スペース化しました。それでもリビングは8畳程度なのですが、天井高を2760mmと高くし、できるだけ物を置かずにすっきりさせることで、8畳よりも広く感じる空間になりました。
リビングの主役である1本足の丸テーブル。
アンティーク風で、家の雰囲気と調和がとれている。
広く見せるために、シャンデリアは小さなサイズに玄関とリビングの間の壁に配したステンドグラスは
アンティークショップで購入したイギリスアンティークのもの- キッチンなどの水回りは明るい雰囲気にしました。タイルや扉の取手などをこだわって探し、温かみのある空間づくりを心がけました。
キッチンはPanasonicのラクシーナ。
くすみカラーのタイルがアクセントに洗面所のタイルはリボン柄。
落ち着いた色合いで、甘くなりすぎていないのがポイント- 2階は3人それぞれの個室と3.5畳のウォークインクローゼットという間取りです。
- おまめ
- 我が家は子どもが男の子と女の子なので、思春期を迎える前にそれぞれの部屋を作ることができてよかったです。
- ドアを見るだけでもわかるように、息子、娘、私の部屋は、それぞれ好きなドアや壁紙を選びました。たとえば私の部屋は、ビーズ付きのルームライトに、ナタリーレテの壁紙。娘の部屋は、緑色の三角ドアに、同系色のストライプの壁紙といった感じです。
- 完成間近の家を見に行った時、自分の部屋を見た娘が大喜びしていて、私もとても嬉しくなりましたね。
左から長男、長女、おまめさんの部屋の扉
おまめさんの自室。
ナタリーレテの壁紙は一目ぼれした赤ずきんちゃん柄- 我が家は全員マンガが大好きですが、収納に場所を取るのが悩みでした。なんとかしたいと考え、階段の壁にニッチを作り本棚にしました。我ながらとてもいいアイデアだったと思います。
階段に本棚を設置したことで、受験生の娘が自室でマンガを読まなくなり、
勉強に集中できたのもメリットだった- もちろん、希望を全部詰めこもうとすると、大幅に予算オーバーしてしまいます。
- そこで、外壁は全面漆喰壁にするのではなく、正面からあまり見えない西側と裏の北側の外壁をガルバリウムにしたり、瓦を変えたりするなど工夫しました。
- 大きな掃き出し窓やベランダは作っていませんが、洗濯物は基本的に室内干しにしていることもあり、不便に思ったことはありません。
- 仕事から帰宅後に家事をすませてから、リビングで大好きなステンドグラスを眺めるのが至福の時間だそうです。
- おまめ
- 色や造作などの見た目だけでなく、24時間換気システムを入れたので、とても快適になりました。約2時間で部屋の空気が入れ替わるため、夜、室内に洗濯物を干すと、朝にはだいたい乾いています。
- ローン借入金額は約2,000万円。十六銀行の「住宅ローン」を選びました。
- おまめ
- ネットの住宅ローンを含め、4社ほど検討しました。ネットの住宅ローンは審査が通らなかったので、地方銀行に決めました。住宅ローン減税期間が終わったら繰り上げ返済をする予定です。少しでも返済金額を減らすため、金利が低い変動金利に決めました。
- 結びに、おまめさんのように、理想通りの家を建てたい人へのメッセージを伺いました。
- おまめ
- 最近は物価が上がっています。このタイミングで家を建てて大丈夫なのか心配はありました。でも、ファイナンシャルプランナーに相談し、家を建てても問題ないと言ってもらえました。「ここだったら安心してお任せできる」と思える、信頼できる工務店と出会えたのも大きかったです。
- 自分の経済状況などを把握し計画的に進めたおかげで、金銭面について過剰に心配することもありませんでした。家を建てるときは、金銭感覚がまひして予算を大幅にオーバーしてしまう場合もあるかもしれません。こだわってお金をかけたい部分と、コストダウンしてもいい部分を見極めることも大切だと思います。
ライターからのコメント。
まさに絵本に出てきそうなご自宅ですね。可愛いインテリア小物が多いにも関わらず、色合いなどは落ち着いていて絶妙なバランスと思います。ローンを組む際は、無理のない範囲で返済可能かどうか検討しましょう。おまめさんのようにファイナンシャルプランナーに相談するのも一つの手です。
参考リンク
※今回ご協力いただいたおまめさんのブログ「狭くても可愛いお家に住みたい」のURLは https://ameblo.jp/candygreen1126/
文/齋田 多恵、企画/カデナクリエイト、編集/イー・ローン