頭金とローンのバランス
住宅購入までに、どのくらいの貯蓄が必要
「頭金は最低2割が必要です」と言われますが、これはかつて金融機関の多くが融資額を物件価格の80%を上限としていたためと考えられます。近年では,民間の金融機関では頭金なしの、いわゆる「100%ローン」が主流となり住宅購入の後押しをしています。建設費・物件価格の80%を上限とし融資をスタートさせた住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の【フラット35】も平成18年12月には90%へ、さらに平成21年6月には経済危機対策に伴い100%へと制度拡充を進めてきました。しかしながら、将来のライフプランなどを考慮し頭金を2割以上出すことが理想的なのは変わりません。
住宅購入に際しては、物件価格以外に、ローン手続き、登記などの諸費用がかかります。この諸費用は自己資金として貯めたものから出すことになるので、例えば3,000万円の中古マンションを購入する場合に、諸費用が約180万円、頭金を2割用意しようという場合には、780万円の自己資金が必要になるというわけです。
また、住宅を購入後に貯蓄が全くない状況になってしまうのも危険です。
緊急予備資金として、生活費の3〜6ヶ月分は手元に残しておきましょう。1ヶ月の生活費が20万円で3ヶ月分を見ておくとすると、上記の例では住宅購入までに840万円の準備が必要ということになります。
頭金がいくらかで、総返済額も変わる
物件価格が3,000万円の住宅であっても、住宅ローンを利用すれば利息の支払いもありますので、総額3,000万円で買えるわけではありません。そして、頭金をどのくらい出せるのかで取得に要する総額が違ってくるので、将来の貯蓄額にも影響を与えることになります。
頭金
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300万円(1割)
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600万円(2割)
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900万円(3割)
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1,200万円(4割)
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借入額
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2,700万円
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2,400万円
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2,100万円
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1,800万円
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毎月返済額
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99,797円
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88,709円
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77,620円
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66,532円
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支払総額(頭金含む)
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約3,892万円
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約3,793万円
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約3,694万円
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約3,595万円
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←約99万円の差→ | ||||
←約198万円の差→ | ||||
←約297万円の差→ |
借入できる金額を決める
いくら借入するのかを考える際は、金融機関が貸してくれる金額ではなく、自分自身が最後まで返済することができる金額と考えましょう。返済できる金額が借入できる金額です。
- 1. 将来のライフプランも考えた上で、毎月返済することができる金額を無理のない範囲で決める
- 2. 老後の生活に影響を及ぼさない年数で返済期間を決める
- 3. どの金利タイプの商品を利用するのかを決める
例えば、毎月返済できる金額が12万円、定年までの期間が25年、金利が2.0%のローンなら、借入できる金額は約2,830万円になります。金利が1.0%のローンなら約3,180万円の借入れも可能ですが、金利が低い変動金利や特約期間が短い固定金利選択型を利用する場合には、将来金利が上昇し返済額が増える可能性も考えて、余裕を持った返済額にしておくことが重要です。
頭金とローンのバランスは?
今の時点で購入するのであれば、
借入できる金額+貯蓄から出せる頭金=購入予算
となります。
数年後に購入予定で、希望予算がある場合には、
希望予算−借入できる金額=準備が必要な頭金
ということになります。
とは言え、頭金が多く借入金が少ないほど、将来のリスクを抑えることができますので、少しでも多く頭金を準備するよう心がけましょう。