住宅ローンの借り換え
新たな住宅ローンを借入れて得た資金で、今までの住宅ローンを一括返済することが住宅ローンの借り換えです。そのメリットやデメリットおよび注意点は次のとおりです。
<借り換えのメリット>
- 金利下降局面
今までの金利より低い金利のものに借換えることにより、支払利息を軽減する効果が得られること。 - 金利上昇局面
既存の変動金利・短期固定金利型のローンを長期固定金利型に借り換えることにより、将来的な金利上昇のリスクを回避させること。
<借り換えのデメリット・注意点>
手続きは、新しいローンを組むことと同じなので、諸経費がかかります。ローン契約書印紙代、事務取扱手数料、保証料、登記費用等がかかるので、これらのコストも含めて、借り換えのメリットがあるかどうかをチェックすることが必要です。
また、当面の金利を低くするために固定金利型から変動金利型、または固定金利選択型(短期固定金利型)に借り換えた場合は将来の金利上昇のリスクを負うことになります。逆に将来的な金利上昇のリスクを回避させるため長期固定金利型に借り換えた場合、金利が高くなってしまうと当然返済額が増加しますので注意が必要です。
借り換えの効果は?
借入3,000万円、期間30年間の住宅ローンで、残り期間25年の時点で、借り換えをした場合(担保評価などには問題なく、全額借り換えできるとする)
年間返済額 | 返済総額の軽減 | 諸費用 | 正味の負担軽減効果 | |
---|---|---|---|---|
借り換え前(金利2.0%)
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119.2万円
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487.5万円 (年間差額19.5万の25年分) |
68万円
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487.5万円−68万円=419.5万円
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借り換え後(金利0.5%)
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99.7万円
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借入2000万円で、期間20年、残り期間10年の時点で借り換えをした場合(他は上記同様)
年間返済額 | 返済総額の軽減 | 諸費用 | 正味の負担軽減効果 | |
---|---|---|---|---|
借り換え前(金利2.0%)
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121.4万円
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89.0万円 (年間差額8.9万の10年分) |
38万円
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89万円−38万円=51万円
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借り換え後(金利0.5%)
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112.5万円
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※諸費用は保証料一括前払い方式で算出
このように借り換えの効果は、金利差があればあるほど、残りの返済期間が長ければ長いほど、また残高が大きければ大きいほど効果が出てきます。
借り換えができないケースって?
なお、借り換えはどの住宅ローンでもできるわけではありません。
- 公的ローンへの借り換えは利用できない
- 民間でも同じ金融機関内で1つの住宅ローンから別の住宅ローンへは借り換えできない場合がある
- 担保評価もその時点で行われるので、担保割れしている場合には借り換えできない場合もある(なお、一部の金融機関では、担保割れでも対応できるような借り換えローンを取扱っている)
- 過去の支払いに延滞がある
といった点に留意して、利用できるかどうかを検討しましょう。