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第870回

あらためて考えよう、コロナウイルス対策後の生活と住宅購入

住宅購入を希望して物件を見て回ったりしていたのですが、新型コロナウイルスの感染対策で外出自粛となり、物件めぐりどころではなくなってしまいました。 これからの住宅購入について、どう考えればよいでしょうか。
新型コロナウイルス問題が終息しても、働き方・暮らし方が変われば、住宅に求める要件も変わるでしょう。 現在進行中の新型コロナウイルス感染対策をチェックしつつ、自分や家族のライフプランを再考し、これからの住宅購入プランを考えましょう。

新型コロナウイルス感染拡大で、変わる生活

新型コロナウイルスの感染拡大により、外出や移動の自粛が求められ、「3密(密閉、密集、密接)」を避ける日々が続いています。子どもたちの学校も休校になり、在宅勤務ややむを得ない休業が続いている方も多いでしょう。 新型コロナウイルスの感染拡大(以降、「新型コロナ問題」とします)が落ち着きを見せるまでは、候補物件を見に行ったり、不動産業者などと打ち合わせしたりすることも難しいですよね。

住宅購入は、仕事の都合や子どもの学齢などのライフプランに合わせて計画される場合が多いので、焦る気持ちもあるかもしれません。 しかし、新型コロナ問題前後で働き方や生活の仕方、さらに不動産市場の状況も変わる可能性があります。住宅購入計画はこの際、再検討してはいかがでしょうか。

1)住む場所の選択肢が拡がる?

外出や移動が制限されて、在宅勤務する会社員も増えています。その結果、新型コロナ問題が落ち着いた後も「在宅勤務でこなせる仕事は在宅で」「毎日オフィスで仕事をする必要はない」と判断する企業も出てきそうです。毎日会社に通勤する必要がなくなれば、通勤に近い地域、便利な地域へこだわる必要性は低くなります。地価の安い、住環境のよい郊外の物件も候補になってくるかもしれません。今後の働き方、生活の仕方の変化に合わせて、住む場所の条件を考えてみてください。

2)物件に求める条件も変わる?

たとえば、新型コロナ問題対策として「3密」を避けることが推奨されています。しかし、マンションの高層階などのエレベーターを利用せざるを得ない物件の場合、通勤時などの混雑は避けがたい場合がありますよね。 マンションの高層階を希望していたが階段利用も可能な低層階を検討するとか、戸建ても考えてみるとか、物件に求める条件も変わってくるのではないでしょうか。 今までの生活、新型コロナ問題下の生活を振り返って、物件に求める条件を考えていきましょう。

3)住宅資金計画は慎重に

新型コロナ問題の終息時期の目処はついていません。すでに企業の経営悪化や解雇や雇い止めが問題になっていますが、今後いっそう経済環境が悪化する可能性もあります。 収入減少の可能性もあるので、新型コロナ問題前に立てていた住宅資金計画は、慎重に見直す必要があるでしょう。 生活に必要な資金額を把握し、今後住宅資金(ローン返済や固定資産税、共益費等)に振り向けられる金額を明らかにした上で住宅資金計画を立て直しましょう。 今後の収入の見込みがはっきりしないうちは、住宅購入を急がない選択肢もあります。

一方、景気の悪化で不動産価格が下がる可能性もあり、そうすれば希望物件をより安い価格で手に入れられるかもしれません。 また、新型コロナ問題が落ち着けば、景気回復のために住宅購入に関する優遇措置や特例等が設けられる可能性もあるでしょう。 これから住宅購入を考えられている方は、無理のない住宅資金計画を練り直しつつ、不動産価格の変動や国の施策等のニュースに気を配っておきましょう。

住宅ローン控除や住宅ポイント制度は適用要件が弾力化

すでに動き出している住宅に関する新型コロナ問題対策についても確認しておきましょう。

現在、すでに住宅購入を進めている場合は、備品の納入や工事の遅れ、外出や移動の制限などによって予定どおりの入居ができない事態が想定されます。 そのため、「入居日」が制度利用の条件になっている、住宅ローン控除や住宅ポイント制度は、適用要件が緩和されることになっています。(ただし、関連税制法案が国会で成立することが前提です)。

現行の住宅ローン控除制度は、住宅ローンを借りて住宅の取得等をした場合、毎年の住宅ローン残高の1%が10年間控除できる制度ですが、消費税10%が適用される住宅の取得等をした場合は令和2年12月31日までに入居した場合は、控除期間を13年間に延長する特例が受けられることになっています。 これが、新型コロナの影響により入居が遅れた場合には、一定条件を満たしていれば令和3年12月31日までに入居すれば、特例措置の対象となります。

また、既存住宅を取得した場合の住宅ローン控除の入居期限要件は「取得の日から6カ月以内」とされていますが、取得後に行った増改築工事等が新型コロナの影響で遅れた場合には、一定条件を満たしていれば、「増改築等完了の日から6カ月以内」が入居期限となります。

次世代住宅ポイント制度は、新型ウィルス感染拡大の影響で3月末までに契約できず、令和2年4月7日~8月31日の間に契約を行った場合には、ポイントの申請が可能になります。 申請にあたっては、やむをえず令和元年度末までに契約ができなかった理由の申告が必要になります。

これらの新型コロナ感染向けの施策を受けるための条件等は、各ホームページ等でご確認ください。

新型コロナ問題終息後に備えて、自宅待機の期間を、ニュースチェックと、ライフプランの見直しや家計チェック、住宅購入計画の再検討に有効活用できるといいですね。

いろいろお話したものの、すでに物件が決まっていて、それをご購入する意思が固まっている方もおられると思います。 そんな時は金融機関等の支店に行かなくても対応できるWEB完結の住宅ローンをご検討しては如何でしょうか。 なるべく外出や対面の接点を減らす工夫をすることも重要です。この機会に住宅ローン商品の特徴をよく見て検討してみましょう。

【参考リンク】

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2020年04月21日