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第476回

中古住宅の購入&リフォームで、満足の住まいを手に入れる

子どもが生まれて、住宅購入を考えるようになりました。でも、環境がよくて、通勤の便も悪くなく、ある程度の広さがあって…と条件をあげていくと、新築物件は我が家には高すぎて無理。そこで、割安な中古の購入を検討しています。あまり古くない物件が見つかるといいのですが・・・。あまりに汚いようなら、リフォームでなんとかしたいと思っています。中古物件の購入とリフォームについて、どんなことに気を付ければよいでしょうか。住宅ローンは組めるのでしょうか?(会社員T)
基本的には住宅ローンが利用できますが、中古住宅の購入は、物件の見極め、自己資金を多めに確保すること、そしてリフォームまで見通して計画することがポイントになります。

「購入&リフォーム」もしくは「リフォーム済み物件購入」のパターンがある

Tさんは、中古住宅の古さや不便さなどがご不安のようですね。「あまりに汚いようならリフォーム」と、リフォームも考えておられるなら、物件選びは「新しさ」にこだわって立地などのほかの条件を我慢するより、「新しさ」だけを優先させずにほかの条件も総合的に考えて探されてはどうでしょうか。

「リフォーム」といっても、一部分の取り替えや修繕という小規模な工事から、骨組みは生かした上で間取りから変更するような大規模な改修までさまざまです。たとえば、立地などの諸条件を満たす古いけれど格安な物件を購入して、大規模なリフォームを行えば、ご家族のニーズを満たす住みやすい家を手に入れられるのではないでしょうか。

また、業者があらかじめ改修・改善を行った「リフォーム済み」の中古物件を探す方法もあります。「リフォーム済み物件」を購入すれば、経年によって劣化した部分や傷んだ部分、不便な部分をリフォームしたきれいな家に、すぐに住み始めることができます。

リフォーム済みの中古物件を見に行ってみたり、リフォーム会社や建築会社などのHPにあるリフォーム事例をチェックしたりして、中古購入&リフォームがどんなものか、いくらかかるのか、まずはご覧になってはいかがでしょうか。

中古物件を購入する際の資金は、「自己資金」を多めに準備しよう

「リフォーム済み物件購入」の場合

手順や資金計画は、新築物件を選ぶ場合とそれほど変わりません。物件を選んで、物件費用と諸経費(手数料や税金等)を払う(ローンを組む)だけです。

ただし、中古物件かつ業者が設定している売値なので、物件によっては担保の評価不足となり、全額住宅ローンを利用できない場合もあります。自己資金を多めに準備することを基本に、もし難しい場合は、フリーローンなど、無担保の目的別ローンを併用することを念頭において検討してみましょう。

【参考リンク】

「購入&リフォーム」の場合

中古物件を手に入れて、リフォームし、それから移り住むということになるので、住宅購入からリフォームまで見通した計画が必要になります。当たり前ですが、住宅購入に全てのお金を使ってしまったら、その後のリフォーム費用に困ることになりますので、バランスが大切になります。また、先ほども述べたように全額住宅ローンが利用できない場合もありますので、自己資金を多めに準備した上で、不足分については無担保のリフォームローンの併用を検討してみましょう。

【参考リンク】

また、資金面だけでなく、物件の選び方にも注意が必要です。購入した中古物件がリフォームしづらい、できない物件(道路の関係で建て替え不可の物件などもあります)の場合、リフォーム計画も台無しになってしまいますので、購入後にリフォームする旨を伝えて、販売業者の方に相談をしてみるのが良いでしょう。

リフォーム計画は業者選びと費用の妥当性をじっくり検討しよう

住宅取得計画は、新築物件を探す場合と同様で、まずは「わが家」について求める条件を洗い出すことから始めます。同時に、住宅資金がどれくらい準備できるか計算しておきましょう。住宅資金の総額がわからないと、住宅購入やリフォームにどれくらいお金がかけられるか分からず、購入計画もリフォーム計画も立てられません。

「わが家」のイメージが固まったら、いよいよ物件探し。並行してリフォーム業者選びも進めていきましょう。物件購入を決める際にリフォーム業者の意見も聞くことができれば、リフォームの段階になってから慌てることもありません。

ただし、リフォーム業者選びの際には注意が必要です。なぜならリフォーム工事は建設業許可を受けていない業者でも工事を受注できるとされ、残念ながら悪質な業者もいるからです。住宅瑕疵担保責任保険協会のHPでは「リフォーム瑕疵保険(※)」の登録事業者が検索できるので、参考にされるとよいでしょう。保険事故(欠陥リフォーム)を多数起こしているような技術的な問題のある事業者は登録を抹消されることになっているので、事業者選びのひとつの目安になるでしょう。

さらに、それぞれの業者が手がけた事例や費用の見積もりなどを比較検討して、予算内で希望するリフォームをできる業者を選んでいきましょう。見積書の内容がわからない場合などは、国土交通省の「住まいの総合支援サイト」で「リフォーム見積相談制度」などを紹介しているので、利用されるのもよいでしょう。

※リフォーム瑕疵保険:リフォーム時の検査と事後の保証がセットになった任意加入の保険制度。保険に加入していれば、建築士によってリフォーム工事の施工状況のチェックが行われ、施工後に欠陥が見つかった場合は補償を受けることができる。

【参考リンク】

お金を借りる場合は、「返せる金額」を考え、きちんとシミュレーションをしよう

中古住宅の購入&リフォームでは、購入資金やリフォーム資金のやりくりがポイントになりますね。住宅資金として利用できるのは、「自己資金+ローン借入額」です。中古住宅の購入にも住宅ローンは使えますし、中古住宅の購入とリフォーム(改修・改築)に一括して利用できるものもあります。

<中古住宅費用&リフォームにかかるお金のやりくり(イメージ)>
中古住宅購入費用 諸費用
(手数料・税金等)
リフォーム費用
自己資金 住宅ローン(有担保)・無担保ローン

住宅ローンで準備できる金額を試算してみましょう。イー・ローンの「住宅ローンシミュレーション 借入可能額シミュレーション」では、毎月返済額、返済期間から借入可能額を試算することができます。設定する毎月返済額は、毎年かかる固定資産税など(マンションの場合は管理費や共益費等も)も考慮して、家計に無理のない金額にしましょう。また、思い通りの金利で借りられるとは限らないので、複数の金利で試算して借入可能額の下限、上限を探っておけば、無理のない資金計画が立てられるでしょう。

【参考リンク】

このように、中古住宅の購入&リフォームで理想のわが家を手に入れるには、購入からリフォームまで、計画的に進めていくことがポイントになります。また、リフォームを始めると、あそこもここもと気になるところが出てきて、費用が膨らむことも多いものです。リフォームする箇所・方法の優先順位を考えて計画を修正しつつ予算管理をしっかり行って、住宅購入後の家計に無理が出ないように気をつけましょう。

私が書きました

大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2012年07月06日