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第404回

2011年は住宅の買い時?住宅関連の優遇制度を確認しよう!

最近、住宅がよく売れていると聞きます。わが家も2年前に子どもが生まれ、「そろそろマイホームが欲しい」と思っています。今の時期に住宅を購入する際のアドバイスがあればお願いします。(東京 男性 33歳)
確かに、昨年から住宅販売が上向いてきたというニュースがよく報道されていますね。 その背景には、住宅取得を促進する経済対策が充実していることや低い金利情勢などがあるようです。住宅を購入する際には、現在と将来の家計の状況を冷静に見極めるとともに、優遇制度や住宅ローンの金利などにも配慮する必要があります。

経済対策の優遇効果や低金利が住宅取得ニーズを高めている。

民間の調査会社等が、大都市圏を中心に住宅の販売が昨年来上向いているという調査結果を発表しています。住宅情報サービスの東京カンテイによると、昨年の全国新築マンションの販売戸数は、前年比9.3%アップ。2005年以来、5年ぶりにプラスに転じたといいます。
また、国土交通省が1月31日に公表した昨年の新設住宅着工数は、前年の減少から増加に転じました。地域別にみると、首都圏が前年比7.4%増、中部圏0.3%減、近畿圏3.3%増、その他地域0.3%増です。住宅のなかでも特に伸び率が高いのが大都市圏の分譲マンション。首都圏では前年比28.7%増、中部圏は24.9%増、近畿圏も11.8%増となっています。
確かに、大手デベロッパーが手掛けた大都市圏の好立地の新築分譲マンションは、昨年いくつも「即完売」となり、ニュースになりました。
これら、住宅着工数や販売数のアップを支えているのは、2008年秋のリーマン・ショック以来の大規模な経済対策や低金利などです。

経済対策の優遇幅は「年々縮小」、「期限付き」がポイント。

経済対策は、早く経済を活性化させて不況を脱出する目的で実施されます。したがって、消費を喚起するために、年々優遇幅が縮小されたり、期限付きであることがほとんどです。
住宅関連の優遇制度として代表的な「住宅ローン控除制度」をみてみましょう。

住宅 入居年 控除期間 住宅ローンの
年末残高限度額
控除率 最大控除額



2009年 10年 5,000万円 1.0% 500万円
2010年 10年 5,000万円 1.0% 500万円
2011年 10年 4,000万円 1.0% 400万円
2012年 10年 3,000万円 1.0% 300万円
2013年 10年 2,000万円 1.0% 200万円





2009年 10年 5,000万円 1.2% 600万円
2010年 10年 5,000万円 1.2% 600万円
2011年 10年 5,000万円 1.2% 600万円
2012年 10年 4,000万円 1.0% 400万円
2013年 10年 3,000万円 1.0% 300万円

* 筆者作成

「住宅ローンの年末残高限度額」や「控除率」をみると、一般住宅、長期優良住宅ともに、これからは、年々減税の枠が小さくなっていることがわかります。そして、2014年以降の入居者に対しては、この制度の適用そのものがなくなる予定です。

■その他のおもな優遇制度の概要

施策 概要 期限
住宅版エコポイント 一定の基準を満たす住宅の場合、エコポイントを付与(新築の場合で最大32万円分) 2011年12月31日までに建築着工したもの
フラット35S 一定に条件を満たす住宅の場合、住宅ローン「フラット35」の金利を当初10年間1%優遇 2011年12月30日申し込みまで
住宅取得等資金の
贈与に係る非課税措置
直系尊属(父母や祖父母)から20歳以上の者が住宅取得等資金に充てるために1,000万円までの贈与を受けた場合、贈与税が非課税 2011年12月31日までの贈与

* 筆者作成

上の表の通り、その他のおもな優遇制度は、期限が今年の年末に設定されています。
このことは、「大きな特典をつけるので、早く消費をしてください」という政府からのメッセージと受け取ることもできます。

融資時点の低い金利だけにとらわれない住宅ローン選びが大切

経済対策の特典以外では、低い住宅ローン金利も住宅取得意欲を高めるのに一役買っています。 住宅関連金利の推移のとおり、近年のローン金利は、過去最低水準で推移しています。
変動金利タイプの金利引き下げ後の適用金利は、年1%前後から1%台の前半程度。いっぽう、全期間固定型や固定金利選択型は、金利が固定される期間が長いほど適用金利が高くなりますが、それでも低水準です。金利情勢から考えても、現在は住宅の購入に適しているということができるでしょう。
ただし、住宅ローンの返済は、長期間に渡って家計に大きな影響を及ぼすもの。それぞれの金利タイプの特色をしっかりと把握して、返済中の家計の状況にあった無理のないものを選ぶことが大切です。
各金融機関の金利比較をするだけでなく、住宅を借りる時のコスト(融資手数料や保証料など)、さらには、住宅ローン減税制度による減税効果など、経済対策のメリットも考慮して、マイホームの取得時期を判断してはいかがでしょう。

私が書きました

中村 宏 (なかむら ひろし)

ファイナンシャル・プランナー。FPオフィス・ワーク・ワークス 代表。

教育出版社勤務後、2003年にファイナンシャルプランナーとして独立。「お客様のお金の不安を解消する」をモットーに、1,500件を超える個人相談、セミナー講師、雑誌取材、執筆・寄稿等を中心に活動。無料メルマガ「生活マネー ミニ講座」を配信中。著作 「自分のお金の育て方」(祥伝社)、「老後に破産する人、しない人」(KADOKAWA中経出版)。

※執筆日:2011年02月02日