第377回
賃貸暮らしからのマンション購入計画、毎月の費用はどう変わる?
- 現在、賃貸マンションに住んでいますが、子どもの誕生を機に新築マンションを購入しようと物件(価格:3,000万円、管理費:12,500円、修繕積立金:5,000円、修繕積立基金:31万5,000円)を検討中です。「管理費」や「修繕積立金」という費用はどのようなものですか?また、これらも含めて新築マンション購入後は、どれくらいお金がかかるのでしょうか?(会社員Aさん(35歳))
- 新築マンション購入後は、毎月の住宅ローン返済以外に、管理費、修繕積立金、駐車場代をはじめ、固定資産税・都市計画税の税金、団体信用生命保険料・火災保険料の保険料などがかかり、そのコストは年間、数十万円にもなります。このあたりが賃貸とは異なる部分ですので、資金計画を立てる際には、年間でかかるコストも意識してみましょう。
マンション購入後にかかる支出にどんなものがある?
マイホーム購入後にかかるお金は、毎月の住宅ローン返済以外に、固定資産税・都市計画税(年4回もしくは一括払い)などの税金や、団体信用生命保険料(銀行ローンは原則金利に含まれ、フラット35は別途年払い)、火災保険料・地震保険料(借り入れ条件および保険会社により保険料は異なる)などの保険料がかかります。また、マンションであれば、毎月、管理費や修繕積立金、修繕積立金基金、マイカーを持っている場合、駐車場代なども別途必要となります。
内容 | |
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管理費 | マンションの共用部分の維持管理費用として、共用部分の所有者が負担する金額 |
修繕積立金 | マンション等の管理組合が、その共用部分の計画的な修繕、臨時的な修繕を実施するために、組合員(区分所有者)から徴収するもの |
修繕積立基金 | 修繕積立金を補うために、マンションを購入する時に一括で支払うもの |
その他 | クルマがある場合の駐車場代など |
購入後は毎月いくらかかる?
これらの毎月の維持費のうち、例えば、修繕積立金は、一般的に、新築分譲時に決められるものですが、相場としては1平方メートル当たり75円~85円といったところ。標準的な70平方メートル程度のマンションであれば、1戸当たり5,000円~6,000円以上になります。 また、毎月の修繕積立金を抑えるために、修繕積立金を管理費の1~2割程度に設定しているケースも多く、この積立金額が少ない場合、計画修繕が思うように進みません。そこで、マンション購入時に、修繕積立基金として、20~30万円程度のまとまった金額を一括で支払う場合もあります。また、長期修繕計画により、居住年数の経過で毎月の修繕積立金が増額する場合もあります。
Aさんの場合をシミュレーションしてみると・・・
では、毎月どれくらいかかるかシミュレーションしてみましょう。 Aさんが検討中の物件(物件価格3,000万円)を、頭金600万円、残金2,400万円に対して30年固定ローンを組んで借りた場合(ボーナス返済なし。金利:年2.50%)、毎月返済は94,829円になります。
住宅ローン毎月返済額 | 94,829円 |
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管理費 | 12,500円 |
修繕積立金 | 5,000円 |
毎月合計 | 112,329円 |
このシミュレーションの結果に、前述の税金や保険料負担など、年間でかかるコスト(年30万円なら毎月25,000円)を加味して、現在負担している賃貸マンションの家賃と比較してみると、毎月の費用がどのくらい変わるのか見えてきますね。
やっぱり重要なのは住宅ローン選び
Aさんの場合はご家族が増えるということで、マンションを購入されるご家庭では、賃貸のときよりも毎月の負担額が年々増えていくケースが多いと思います。例えば、子どもの教育資金や老後資金などの資金ニーズが押し寄せてくるはずですから、今後に備えて少しでも貯蓄できるように工夫していきたいですね。特に賃貸住宅の「家賃」に相当する「住宅ローンの支払い」についてはしっかりと吟味したいものです。今回のシミュレーションでは、金利年2.50%を使ってみましたが、シミュレーションする金利を変化させると、住宅ローン毎月返済額も大きく変化しますので、常に最新の住宅ローン金利動向には気を配っておきましょう。また、金融機関が団体信用生命保険料や保証料を負担してくれるローンもありますので、こういった付加価値も踏まえて住宅ローンを選びましょう。
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