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第364回

住宅購入を検討する際に確認しておきたい情報は?

マイホームを買おうかと思って情報を集めているところです。どのような情報を確認しておくとよいのでしょうか。(TSさん 32歳)
住宅に関しては、省エネ対策と景気対策を兼ねた制度、税制が実行されています。住宅ローンの商品や金利動向も含めて、確認しておくポイントをまとめておきました。

住宅版エコポイントの動きに注目

住宅を取り巻く話題で、今、いちばんHOTで注目してほしいのは、住宅版エコポイントの拡充です。
住宅版エコポイントとは、省エネ性能に優れたエコ住宅の新築・購入、既存住宅を省エネ型にリフォームするとポイントがもらえる制度です。1ポイント=1円相当として、グッズやサービスに交換できます。もらえるポイントは、新築・購入は一律30万円、リフォームは工事内容に応じて異なり、上限は30万ポイントです。適用期間は、2010年の12月31日までに「着工」したものです。
4月16日、国土交通省は、エコポイントを拡充し、適用期間も延長すると発表しました。具体的な対象住宅や延長期間はこれから検討されます。拡充にあたっては、現在は断熱性の優れた窓や外壁、床の改修に限定されていますが、太陽光パネル、冷暖房設備などへの拡充を検討するそうです。
エコポイントが拡充されると、今以上に住宅が買いやすく、リフォームしやすくなります。また、期間も延長されるので、どう拡充されるかを見極めてから購入やリフォームに踏み切るといいでしょう。

住宅ローン関連は「ゆうちょ」と「フラット35」

最新の話題は、ゆうちょ銀行の住宅ローンなどの取り扱い店舗が拡大されること。ゆうちょ銀行は、スルガ銀行と個人ローン業務の提携をしており、2008年5月12日から、スルガ銀行の代理店として同銀行の住宅ローンなどを3大都市圏50店舗で提供していました。
5月10日から、新たに全国の主要都市を含む32店舗でも取り扱いが開始されます。郵便局を頻繁に利用している人には、朗報といえるでしょう。
ゆうちょ銀行については、郵政改革法案関連で、預金限度額の引き上げや、ゆうちょ銀行独自の住宅ローンの参入について検討が進められているようですから、今後の動きに注目してみるとよいでしょう。また、ゆうちょ銀行の本格参入に備えて、地方銀行なども住宅ローンにより一層力を入れていくでしょうから、地元の地方銀行の住宅ローンについても確認をお忘れなく。地方銀行の住宅ローンについては、過去のアドバイスでまとめてありますので、こちらをご確認ください。

住宅金融支援機構と民間提携の長期固定金利型の「フラット35」Sは、耐震性、省エネ性などのいずれか1つ以上の基準を満たす住宅を購入すると、金利の優遇が受けられます。2010年の2月15日から、「当初10年間の実行金利について、年1.0%の金利優遇」に拡充されています。
現在は、約半数のユーザーが変動金利タイプの住宅ローンを利用しているようですが、長期固定金利型は金利が上がらないという点で、家計の管理がしやすいですし、今回の措置でかなり魅力的になっていると思いますので、「フラット35」Sについても一度比較検討してみるのがよいでしょう。

税制関連もしっかりチェック

住宅を購入するときは、税制の動向にも目を向ける必要があります。住宅ローン減税や、親御さんから住宅取得資金を補助してもらう際の贈与税の非課税枠については、経済の動向によって数年毎に制度変更されます。直近の動向について確認をしておきましょう。
・いくつかの条件を満たすと10年間にわたって所得税が軽減される住宅ローン減税は、入居年によって減税額が減少していきます。2010年中に入居すると最高額(年間最高50万円、10年で500万円。長期優良住宅は最高600万円)の減税が受けられます。
・住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税枠は、2010年の贈与は1610万円まで、2011年中の贈与は1100万円までとなります。

住宅購入を取り巻く環境は、刻々と変わっていきます。購入を本格的に検討するときは、景気対策などによる制度、住宅ローンの商品や金利の動向、そして、税制関連も含めて、そのときの最新情報を再チェックすることを忘れないでください。

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2010年04月23日