第359回
住宅版エコポイント始動!今年はオトクが目白押し
- 今年(2010年)、子どもが小学校に上がる前にマイホームを購入したいと考えています。住宅版エコポイントが始まったと聞きましたが、どんな場合に利用できるのでしょうか?その他にも何かお得な制度はありますか?(会社員N.K.さん(39歳))
- 今年(2010年)は、最大30万ポイント(30万円相当)がもらえる「住宅版エコポイント」や金利が1.0%も低くなる「フラット35S」の金利優遇、贈与税の非課税枠拡大など、かつてない住宅関連の大型支援制度が活用できる年です。
「住宅版エコポイント」とは?
今年(2010年)1月末、2009年度第2次補正予算が成立し、3月上旬、2010年度予算案が衆院予算委員会で可決され、年度内成立となりました。
「住宅版エコポイント」とは、2009年度第2次補正予算に盛り込まれていた、目玉商品ともいえる注目制度です。省エネ性能に優れたエコ住宅を新築したり、既存住宅を省エネ型にエコリフォームしたりすると、ポイントが発行され、受け取ったポイントを1ポイント=1円相当として商品やサービスと交換できる仕組みです。まさに、昨年よりスタートした省エネ家電のエコポイント制度の「住宅版」というわけです。
発行されるエコポイントは、エコ住宅を新築する場合は、一戸当たり一律30万ポイント。エコリフォームの場合は、改修に応じて発行されるポイント数が異なり、1ヶ所当たり2000ポイントから10万ポイント(上限は合計30万ポイント)となっています。
貯めたポイントは、省エネ・環境配慮に優れた商品券やプリペイドカードなどと交換可能ですが、追加的な工事の費用に充当できる「即時交換」も可能ですので、外壁や窓をリフォームして発行されたポイントを利用して、トイレや浴室に手すりをつけるなどのリフォーム工事費の一部をまかなえるようになっています。
なお、エコ住宅もエコリフォームも、工事に取り掛かる「着工」の時期が今年(2010年)12月31日までであることが条件ですので、「思い立ったが吉日」の勢いが必要かもしれませんね。
「フラット35S」の金利優遇も1.0%に拡大
「フラット35」は、住宅金融支援機構と民間提携の長期・固定金利型住宅ローンですが、「耐震性」「省エネルギー性」等のいずれか1つ以上の基準を満たす住宅を取得する場合、フラット35の適用金利から一定期間の金利を優遇する「フラット35S」という優良住宅取得支援制度を利用できます。
この制度は、2005年6月の受付開始時は「当初5年間0.3%の金利優遇」でしたが、2009年5月には「当初10年間0.3%の金利優遇」へと期間延長され、さらに、2009年度第2次補正予算で、2010年2月15日以降「当初10年間1.0%の金利優遇」へと拡充されています。
今年3月のフラット35(買取型)の適用金利は、2.8%(返済期間21年以上。取扱金融機関が提供する最多金利)ですから、これが当初10年間1.8%適用となるわけです。
国土交通省によると、この制度拡充の影響で、今年2月の「フラット35S」の申請件数等が増加し、前年同月比3.6倍になったそう。ただし、当初10年間は優遇されるということは、11年目以降は金利がアップするということに他なりません。
利用する場合は、それを踏まえた返済計画が大前提だということをお忘れなく。
贈与税非課税枠拡大など税制優遇も後押し
昨年(2009年)に創設された住宅取得等資金にかかる贈与税の非課税枠についても、2010年度税制改正で拡充されます。
2010年中の贈与は1,610万円まで、2011年中の贈与は1,100万円まで。2009年中は、610万円でしたので、2010年中であれば、1,000万円も非課税で贈与を受けられる金額がアップするわけです(いずれも基礎控除110万円含む金額)
「住宅ローン控除」についても、2010年入居の場合、年間50万円(10年間で最大500万円)の史上最高減税額が引き続き適用されます。これが、2011年入居以降は、減少していきますので、オトク度からいえば、2010年中の計画実行が最適です。この他、固定資産税の減税制度などの税制優遇もありますので、「適用漏れ」にならないよう注意しましょう。
優遇施策活用には早めの計画&行動が肝心!
いずれにせよ、これらの住宅投資促進施策の恩恵を受けるためには、一定の条件を満たすことが必要です。上手に活用するためには、まずは、どのような内容なのかをしっかり理解することが大切でしょう。しかも、これらのほとんどは「時限措置」。つまり一定期間しか利用できないものがほとんどですので、マイホームの新築や建て替え、リフォームなどを検討中の方は、チャンスを見逃すことのないよう、早めに計画して、行動することが肝心です。