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第286回

全期間固定型の住宅ローンへの借り換えで家計の見直しを!

Q.固定金利選択型(3年)の住宅ローンを借りました。そろそろ、固定金利特約期間が終わり、金利が上がるのですが、どうしたらいいでしょう?(Jさん 35歳・会社員)
A.物価高や社会保障費など、今後も家計支出増が予想される昨今、家計を見直す際は、最も大きな固定支出である住宅ローンの毎月の返済額に目を向け、必要に応じて全期間固定型の住宅ローンに借り換え、ローンの負担を長期安定させる対策を取りましょう。これから住宅ローンを借りる方にも、同じことがいえます。

●金利上昇を織り込んだ対策を

まず、Jさんの住宅ローンの返済額をシミュレーションしてみましょう。
約3年前、3年固定・3000万円・30年返済・ボーナス返済なし・金利1.15%(優遇金利適用後)で借りたと仮定すると、毎月の返済額は約98,600円です。
固定金利特約期間終了時に、再度、3年固定を選び、金利が3.15%(同)に上がったとすると、毎月の返済額は約125,900円になります。

■毎月の返済額が約3万円近くも増えてしまう!今後さらに負担が増える可能性も…。

この固定金利特約期間が終わった後の金利は、下がっているかもしれませんし、上がっているかもしれません。しかし、返済が終了するまでの今後約30年という長期で考えると、金利は上昇していく可能性が高いと思われます。金利が変わると、毎月の返済額が変わり、場合によっては家計の負担がさらに増えるおそれがあるので、やはり金利上昇を織り込み、返済額を長期安定させる対策を取りましょう。そして、固定金利特約期間終了時の金利よりも有利な金利で借り換えができれば、増加額の幅を抑えることができます。

最近では、借り換えでも優遇金利が適用される全期間固定型の住宅ローンがあり、金利は3%(最優遇金利)を下回るローンもあります。

例えば、Jさんの住宅ローンは、3年間で元本250万円を返済していて、残り2750万円を27年(残りの返済期間)で借り換えたとすると、毎月の返済額は金利が2.9%の場合は約122,500円、金利が2.7%の場合は約119,700円です。再度、3年固定を選択した場合と比べると、2.9%の場合は約3,400円、2.7%の場合は約6,200円軽減されることがわかります。

上記の例は借り換えに関する諸費用を考慮しておりませんが、借り換えに必要な諸費用を抑えることができる保証料無料の住宅ローンを利用する方法もありますので、ぜひ検討してみてください。

 

●新規借り入れも全期間固定型を

全期間固定型を利用するメリットは、将来の金利上昇リスクを回避できること、返済額が固定されることが上げられます。住宅ローンは、固定支出の代表ですから、これを固定させるのは、将来の家計を安定させることにつながります。ですから、これから住宅購入を考えている方にもおすすめです。

担当:小川千尋(執筆:2008/10/09)

私が書きました

小川 千尋 (おがわ ちひろ)

ファイナンシャル・プランナー。

1994年ファイナンシャル・プランナー資格取得。資格取得後、以前から携わっていた出版物の編集・執筆の経験を活かし、独立系ファイナンシャル・プランナーとして、マネー誌や一般誌、新聞、ウエブサイトなどのマネー記事の編集・執筆・監修などの執筆関連業務および個人のライフプランなどの相談業務、セミナー講師として活動。

※執筆日:2008年10月09日