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第251回

担保割れマイホームも「買い換えローン」で住み替え!

8年前に約4,000万円で購入したマンションに住んでいます。子どもが大きくなったので、郊外の一戸建てに買い換えたいと思っていますが、まだ住宅ローンが約3,000万円残っており、物件価格も下がったため、現在住んでいるマンションの時価は2,000万円程度といわれ、どうしようかと悩んでいます。買い換えは無理でしょうか?(Aさん 会社員)
担保が足りない「担保割れ」の状態でもマイホームの「買い換えローン」が組めることがあります。使い方次第でうまく買い換えできますが、借入額が増えるため、返済には注意が必要です。また、今なら「住宅ローン控除」と「譲渡損失の繰越控除」を併用することができます。

マイホームの「買い換え」とは

「買い換え」とは、現在ローンを返済しながら住んでいるマンションや一戸建てを売却し、ローンを完済した上で、新しく住宅を購入することです。
買い換えをする場合の注意点は、取得時に比べて物件価格が下がっている可能性が高いこと。
その場合、前述のAさんのように、現在の住宅を売却しても住宅ローンが残ってしまいます。一般的に、この状態を「担保割れ」といいます。
買い換えは、現在の住宅ローンを全額返済して、新規に住宅ローンを組むことになりますので、担保割れしていては、通常新しい住宅ローンは組むことができません。
さらに、買い換えする場合、初めて住宅を購入する時と同じように諸費用や税金がかかりますし、その上、売却に伴う仲介手数料や印紙税も必要です。
したがって、買い換えには、新しく購入する住宅の頭金+諸費用(売却時等も含め)+元の住宅のローン残高と売却価格の差額も自己資金で準備する必要があり、現実的にはかなり難しいといえます。

「買い換えローン」とは?

そこで登場するのが、数年前から大手銀行などの金融機関が取り扱う「買い換えローン」です。
買い換えローンとは、残ったローンを完済するための資金と新たに購入するための資金を、合わせて融資してくれる住宅ローンです。買い換えローンが普通の住宅ローンと違うのは、購入資金以上の必要額を借りること(オーバーローン)。普通の住宅ローンの多くは物件価格の8割までとなっていますので、元の住宅ローンの残債分も上乗せしてくれるというのは大幅な「貸し過ぎ」。
そのため、収入条件等の審査は厳しく、利用できる場合も、くれぐれも慎重に確実に返済計画を立てることが重要です。

例えば、「みずほ買い替えローン」では、売却時のローン残存額などの担保抹消資金を含めて合計1億円まで、通常の住宅ローンと同じ金利で借りられます。ただし、収入基準等の融資条件は通常よりも厳しくなっています。

マイホームを売却してマイナスになった場合は?

マイホームを売却して新しく住宅を購入した場合、売却時に損失(譲渡損失)が出てしまう人を救済するための措置として「特定の居住用財産の買い換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度」(譲渡損失の繰越控除)があります。
これは、売却した年に譲渡損失が出た場合、給与所得など他の所得と損益通算できるだけでなく、翌年以降3年間にわたり、繰り越して譲渡損失を他の所得から控除できる制度で、平成21年3月31日までの譲渡であれば利用できます。

また、新しく購入した住宅に対して「住宅ローン控除」も利用できます。
譲渡損失の繰越控除と住宅ローン控除は併用することができ、所得税だけでなく、住民税にも適用されます。

このため、譲渡損失が大きい場合には、売却後4年間にわたって、所得税・住民税がゼロになるほか、その後引き続き住宅ローン控除による所得税の軽減措置を受けることができます。
ただし、これら税制面の優遇措置には一定の条件があり、税制が今後改正される可能性もありますので、詳細は税務署または専門の税理士に相談しましょう。

「今のマイホームの価値が下がっているから買い換えは無理かも・・・」とあきらめる前に、買い換えローンや資金計画をよく検討してみましょう。
その際には、今のマイホームの評価を知るための一括売却査定のサービスも利用してみてはいかがでしょう。

<参考サイト>

http://www.allfudosanhikaku.jp/php/sale/index.php

私が書きました

黒田 尚子 (くろだ なおこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。

92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。

※執筆日:2008年01月02日