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第198回

フラット35は金利だけではなく総支払額で比較

多くの金融機関で「フラット35」を取り扱っていますが、比較するときのポイントはありますか?
「フラット35」は、金利だけでなく融資手数料を含めた総支払額を確認しましょう。

民間金融機関と住宅金融公庫が提携した「フラット35」は、最長35年間の長期固定金利の住宅ローンです。返済の途中で金利が上昇しても、借入時から完済まで返済額が変わらないため、計画的に返済していくことが可能です。多くの金融機関で取り扱っており、保証料・繰上返済手数料が無料、融資限度額は100万円以上8,000万円以下(建設費または購入価額の8割以内 )など、おもな商品内容や申込要件は全国共通ですが、融資金利と融資手数料が金融機関によって異なります。

金利だけでなく融資手数料を含めた総支払額で比較

融資手数料には、融資額に関わらず手数料が一定の定額型と、融資額に応じて手数料が変わる定率型があります。定額型は10,500円~73,500円程度となっていますが、定率型は「融資額×0.5~2.1%」で、3,000万円の融資を受けた場合には15万~63万円とかなり大きな金額になります。金利には敏感な人も多いと思いますが、融資手数料もこれだけの差があるので、住宅ローンを選ぶ際には元金・利息の支払い額合計に、融資手数料をプラスした総支払額で比較することが大切です。

例えば、融資額3,000万円を35年返済にする場合に、融資金利と融資手数料によって総支払い額はどのくらい変わるのか、次のAとBを比較してみます。

A:融資金利=2.751%、融資手数料=融資額×2.1%

B:融資金利=2.801%、融資手数料=10,500円

<3,000万円を35年返済で借りた場合の総支払額> (単位:円)
 
融資金利
(1)元金+利息の
合計額
(2)融資手数料
総支払額
(1)+(2)
A
2.751%
46,757,252
融資額×2.1%
630,000
47,387,252
B
2.801%
47,102,667
定額型
10,500
47,113,167
差額A-B
-0.050%
-345,415
 
619,500
274,085

融資金利ではAの方が0.05%低いため、元金と利息の合計額はAの方が約35万円少なくなりますが、融資手数料ではBの方が約62万円も安くすみ、総支払額ではBが約27万円少なくなりました。

総支払額で選ぶなら楽天モーゲージフラット35<総支払額重視型>に注目

総支払額で選ぶなら、今注目したいのは楽天モーゲージのフラット35<総支払額重視型>。各金融機関のフラット35の2007年1月金利水準は2.750%~3.550%となっていますが、楽天モーゲージは2.801%と比較的低めに設定されています。さらに、現在は創業キャンペーン中で、2007年3月30日までに借り入れを実行した人には、通常「融資額×2.1%」の融資手数料が一律10,500円に優遇されるため、総支払額でも有利になります。申し込み時には来店不要で、コールセンターも24時間365日対応してくれるので、昼間は仕事で忙しいという人も、都合のいい時間に手続きをすることができます。

これから金利が上昇する可能性がある現在のような時期は、長期固定金利のフラット35は心強い味方です。金利のほか、融資手数料やその他のサービス内容なども含めて比較検討し、賢く借りて、賢く返済して行きましょう。

私が書きました

上野 やすみ (うえの やすみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、キャリアカウンセラー(CDA)。

大学卒業後、クレジットカード及びキャッシングの企画販促業務を経て2000年にFPとして独立。ライフプラン全般の相談業務やコラム執筆のほか、女性のためのキャリア&マネー講座を展開。自分らしく生きるための「仕事やお金」のプランニングを支援している。産経新聞、日刊ゲンダイなどでマネーコラム連載中。

※執筆日:2007年01月11日