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第186回

頭金が増えると金利が優遇される住宅ローン

頭金はできるだけ多くしておこうと夫婦で貯蓄に励んでいますが、頭金が多いと得する住宅ローンなどありますか?
最近は様々なタイプの住宅ローンが登場していますが、「頭金が多いほど金利が優遇される住宅ローン」もあります。

頭金200万円と500万円で適用金利が0.6%の差に

GEコンシューマー・ファイナンスの「GE Moneyの住宅ローン スタンダード」は、年収や頭金の額などによって適用金利が決まるローンです。

例えば、3,000万円の借入をする場合に、頭金が200万円ある場合(A)と500万円との場合(B)ではどのくらい適用金利が違うのか、5年固定金利の場合で比較してみます。

頭金200万円のときの適用金利は4.20%、500万円のときは3.60%と0.6%の差があります(年収600万円で試算)。この0.6%の差は、35年返済にした場合に毎月の返済額で11,000円、ローン返済額合計では462万円の差につながります(返済期間中、同一金利で試算)。

<頭金の額による適用金利の差>

借入金3,000万円、5年固定金利、返済期間35年の場合
 
(A)
(B)
(B)-(A)
(1)頭金
(購入物件価格)
200万円
(3,200万円)
500万円
(3,500万円)
+300万円
(+300万円)
適用金利
4.20%
3.60%
▲0.6%
毎月の返済額
137,000円
126,000円
▲11,000円
(2)ローン返済総額
5,754万円
5,292万円
▲462万円
頭金+ローン返済額
合計((1)+(2))
5,954万円
5,792万円
▲162万円

(返済期間中、同一金利で試算。年収600万円)

このように、同じ3,000万円を借りる場合でも、頭金の額によって適用金利が変わり、ローン返済額合計も変わってくるというわけです。

そして、頭金とローン返済総額の合計にも注目してみましょう。(A)(B)どちらもローン金額が同じなので、頭金が増えれば購入できる物件価格も高くなります。(A)は3,200万円、(B)は3,500万円です。しかし、(B)は(A)よりも高い物件を買っているにもかかわらず、頭金とローン返済総額の合計は(B)の方が少なくなっています。適用金利が優遇されることで、ワンランク上の物件を買うことも可能になってくるというわけです。

「GE Moneyの住宅ローン スタンダード」は、このほかにも英語やIT系資格などのスキルに応じて適用金利が最大0.2%優遇される制度もあります。

頭金が少しでも増やせるように家計を見直そう

頭金が増えればローンの金利が優遇されるとなると、頭金を貯める意欲もわいてくることでしょう。頭金の有無で金利に差がつかない一般の住宅ローンを借りる場合でも、頭金が多くて借入額が少なければ、それだけ利息の負担も減ります。物件を探している間や、融資が実行されるまでの間に、少しでも貯蓄を増やしておけるように家計を見直してみましょう。

私が書きました

上野 やすみ (うえの やすみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、キャリアカウンセラー(CDA)。

大学卒業後、クレジットカード及びキャッシングの企画販促業務を経て2000年にFPとして独立。ライフプラン全般の相談業務やコラム執筆のほか、女性のためのキャリア&マネー講座を展開。自分らしく生きるための「仕事やお金」のプランニングを支援している。産経新聞、日刊ゲンダイなどでマネーコラム連載中。

※執筆日:2006年10月04日