第155回
フリーローンの使い方イロイロ
- 急に4月から転勤が決まり、3月に引越しする予定です。引越し費用のほとんどは会社負担ですが、家具やカーテンなどのインテリア用品は自己負担で購入することになりそう。それに、引越し費用も立て替えて業者に払う必要があり、まとまった費用が必要です。この場合、どんなローンが使えるでしょうか?(神奈川県O.H.さん)
- 銀行の「フリーローン」であれば、使い道自由です。引越し・住み替えに伴う費用をはじめ、家具・インテリア購入資金にも使えます。
「フリーローン」とは?
フリーローンとは、その名前の通り、銀行などが取り扱う使い道自由のローンのことです。住宅ローンや教育ローンなどと異なり、目的が限定されていませんので、前述の引越し費用などをはじめ、海外旅行資金やパソコンなどの購入資金、結婚資金などさまざまなニーズに対応しています。
「フリーローン」のメリットは?
そんなフリーローンのメリットは、やはり金利です。さすがに、住宅ローンや教育ローンよりも高くはなりますが、キャッシングなどに比べると低金利でまとまった資金が受けられますし、返済期間も最長5年程度です。 例えば、横浜銀行の「<はまぎん>フリーローンネクストプラン」は、実質年率9.0%(2006年2月20日現在)で、最高200万円まで融資を受けることができます。 ちなみに、この金利は、フリーローンと同じように利用目的を問わない銀行系のカードローンでも実質年率15%からですから実質年率9%は割安といえます。
なお、フリーローンとカードローンは、取り扱い金融機関が銀行で、使い道が自由という点は同じですが、全く別の商品。 大きな違いは、契約の方法が異なるという点です。 つまり、フリーローンは、融資を受ける際に、利用する都度、ローンの審査を受けて契約を結び、借り入れ契約書を取り交わす「証書貸付方法」という金銭消費貸借契約なのに対し、一方、カードローンは、融資の申し込み時に利用限度額を決め、その範囲内なら、いつでも何回でも借りることができる「極度貸付方法」という金銭消費貸借契約となっています。
「フリーローン」のデメリットは?
そして、フリーローンのデメリットは、手続き等に手間がかかること。キャッシングやカードローンなどに比べると、必要書類の提出や来店の有無、審査にかかる時間など手続きする上で、時間や手間がかかるため、利便性はやや劣るといえます。 それをカバーする上でも、申し込みがインターネットでできるなど少しでも利便性が高い金融機関を選ぶのも、フリーローン選びのポイントの一つかもしれませんね。
「フリーローン」のココに注意!
フリーローンも他のローンと同様、固定金利タイプと変動金利タイプがあります。今後の金利上昇を考えて固定金利タイプを選ぶか、短期で返済することを前提に、金利の低い変動金利を選ぶかは、あなたのライフプラン次第ですが、住宅ローンと同様に、中途返済ができるかどうか、その際の手数料の有無などについてはきちんと確認しておくことが大切です。 また、使い道自由のフリーローンですが、一般的に、事業資金や投機目的の有価証券の購入資金、ローンのおまとめ資金、借り換え資金などには使えませんので、ご注意を!
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、第2種情報処理技術者、初級システムアドミニストレータ。
92年大学卒業後、日本総合研究所に入社。約5年3ヶ月間、システム開発に携る。退社後、98年ファイナンシャル・プランナーとして独立。 まったくの異業種からの転職のため、できるだけ幅広いテーマを手掛けるようにしている。雑誌・インターネットなどの連載を持つほか、セミナー講師、講演、相談業務などを行う。モットーは「夢をカタチに」。現在、夫1人&猫1匹と暮らす。
※執筆日:2006年02月20日