第1068回

フリーローンは、資金使途を明確にして計画的に利用しよう!

引っ越しにあたり家電の買い替えも必要になりそうなので、ローンの利用を考えています。資金使途自由だというフリーローンが便利だと思うのですが、利用の注意点を教えてください。(熊本県Hさん)
「資金使途自由」なフリーローンですが、「事業性資金」「投資性資金」などは認められない商品もあります。また、申込みの際の情報提供や記載内容に虚偽があると、一括返済が求められる場合もあるので注意しましょう。
計画を立てる人

フリーローンは、資金使途自由の証書貸付ローン

フリーローンは、原則として使い道が自由なローンです。教育ローンやマイカーローンなどの資金使途が限定された目的別ローンと比べると、金利は高い傾向にあります。しかし、クレジットカードの分割払いやリボ払い、カードローンなどよりも金利は低めな傾向にあるローン商品です。引っ越し資金や家電の買い替え費用、旅行、教育資金、生活資金、おまとめローンとしてなど、多様な目的での利用が可能です。ただし、商品によっては、資金使途として認められないものもあります。個人向け商品の場合は、事業性資金や投機性資金が対象外となる場合が多いようです。

また、1回の借り入れごとに契約書を交わす必要のある証書貸付タイプのローンなので、返済計画が立てやすいメリットもあります。追加で借り入れするには、あらためて契約を結ばなければならないため、安易に借入残高を増やすことなく、契約時に決めた返済期間・返済額で着実に返済を続けることができます。

虚偽記載により、一括返済になることも

金融機関や商品によって異なりますが、多くのフリーローンの商品は、申込用紙に資金使途の記入欄があります。記入するだけでなく、資金使途がわかる資料(見積書や契約書等)の提出が求められる場合もあります。

金融機関側は、申込書に記載された情報に基づき、貸付について審査を行うので、申込用紙には虚偽(うそやいつわり)なく記入することが大切です。利用者が提供した情報に虚偽があったことが判明した場合、一括返済が求められることもあります。

資金使途・返済プランも検討してから申込みを

1回の借り入れごとに契約を交わすフリーローンは、借り入れ後に「やっぱり足りなかった」となっても、追加融資は受けられません。不足分については、あらためて借入契約を交わす必要があります。追加融資が受けられないことで借りすぎを防ぐ効果も期待できますが、資金が不足して再度借入審査を受けるということにならないよう注意しましょう。

フリーローンを申し込む前には、何に使うのか、いくら必要なのかを明確にし、借入金額とその利息をどのような計画で(毎月返済額や返済期間等)返済していくのかも、試算・検討しておきましょう。

【参考リンク】

私が書きました

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大林 香世 (おおばやし かよ)

ファイナンシャル・プランナー(CFPR)、一級ファイナンシャル・プランニング技能士、DCプランナー。

大学卒業後、教育系出版社に入社、教材・雑誌編集などを担当。その後、独立系FP会社を経て、2000年春より独立系FPとして、ライフプラン全般の相談業務や雑誌・HPのマネー系コラムの執筆などを行っている。

※執筆日:2024年02月26日