第790回
創業資金をビジネスローンで借りるなら融資条件の確認を忘れずに。
- 開業を考えていますが、自己資金がそれほどありません。 創業資金はどこで借りることができますか? また、借り入れを検討する際に注意しておくことなどはありますか?(Oさん 35歳 男性)
- 創業資金の借り入れ先には、政府系金融機関、信用金庫、信用組合、地方銀行などがあります。 ビジネスローンは創業資金として借りられるものと借りられないものがありますので、 事前に融資条件などを確認しておきましょう。
創業資金の借り入れの種類
ECサイトやシェアオフィス、クラウドソーシングなどの普及により、少ない資金で気軽に起業できるようになりました。 しっかりと資金計画を立て、できる限り自己資金で工面できればそれに越したことはありませんが、店舗や機械設備費が必要な場合などにはまとまった資金が必要となり、借り入れを検討することになります。
創業資金の借入先として、多くの人がまず検討するのが日本政策金融公庫でしょう。 日本政策金融公庫からの借り入れは、審査に時間がかかるものの低金利で貸付条件も良いのが特徴です。その他の借入先として、信用金庫・信用組合、地方銀行などの金融機関が挙げられますが、比較的に審査が厳しく、融資を受けるのが難しい場合もあります。 類似の借り入れとして、全国信用保証協会の保証付融資があります。 この場合、直接保証協会の窓口に相談に行くほかに、都道府県および市区町村の制度融資を介した保証利用が挙げられます。 制度融資を利用する際は助成制度として利子補給が受けられますが、融資実行までに時間がかかる点には注意が必要です。
創業資金にビジネスローンを利用する際の注意点
上記のようにさまざまな借入先がありますが、何らかの理由で借りられない場合や不十分である場合、また、借り入れを急ぐ場合などにはノンバンクのビジネスローンも選択肢の一つです。 ビジネスローンは、金利は高めですが審査がスピーディで迅速な資金調達ができるのが大きな特徴です。
例えばセゾンファンデックスの「事業者向け不動産担保ローン」は、不動産を担保に入れる必要がありますが、創業資金にも利用でき、実質年率は変動金利が2.65~3.65%、固定金利は5.8~9.9%で、 借入可能額100万円~3億円未満の大型融資が受けられます。(2018年8月現在)
一方でオリックス・クレジットの「オリックスVIPローンカード BUSINESS」のように、1年以上の業歴がないと融資を受けられないなど、創業資金には利用できない商品もあるので、 あらかじめホームページ等で確認しておく必要があります。
また創業資金として借り入れる場合には、事業計画書や借入計画書等の提出が必要となるなど、具体的な計画とその説明が求められます。 創業資金は中長期での返済を検討される方が多いかと思いますので、特に事業計画では収支ズレにも考慮すると、なおいいでしょう。 このほか現在の債務状況や納税状況なども確認されますので、開業前には税金の滞納がないかを確認し、返済余力を考えた上で、負債を完済もしくは減らしておくようにしましょう。