第982回

子どもが独立したら自宅のリフォームを考えよう!

子どもが独立して数年たち、子ども部屋の有効活用を考えています。妻は老朽化した水回りも一新したいと言っていますが、どこまでリフォームするか悩んでいます。(Aさん 会社員 57歳)
築年数が経過した住宅では設備の老朽化も気になりますね。老後の生活も見通して資金計画を立て、どの程度のリフォームをするか範囲を検討しましょう。

どこまでリフォームをするかを検討しよう

子ども中心の生活から夫婦2人の生活への変化に対応するリフォームは、老後の生活も踏まえてバリアフリー化を検討するタイミングでもあります。予算の都合上どこまでリフォームをするべきか検討する必要がありますが、一般的には下記のようなリフォームが考えられます。

  • リビングやキッチン、洗面所などを広くして快適度をアップ
  • 夫婦それぞれの趣味の部屋や寝室を確保
  • 車椅子生活にも対応できるようバリアフリー化やドアや扉の取り換え、手すりの取り付け等
  • 老朽化したキッチンやバス・トイレなどの水回りの取り換え
  • 地震に備えるための耐震改修工事
  • 窓や壁、屋根等の断熱性を高めるなどの省エネ改修工事
  • 外壁や塗装、屋根や床等の定期メンテナンス

築年数が経過すれば住宅のメンテナンスも必要になってきます。タイミングが合えば同時に行った方がトータルコストを抑えることができる可能性もあるでしょう。

老後資金も踏まえて計画を立て、補助金や減税制度も活用しよう

住宅の耐震改修工事、省エネ改修工事、バリアフリー化などのリフォームを行う場合には、国の補助金や助成金が使える場合もあります。また、県や市区町村が独自の補助金制度を設けている場合もありますのでホームページや窓口で確認してみましょう。

手元資金が不足する場合にはリフォームローンを検討しても良いでしょう。リフォームローンは、住宅ローンに比べると金利は高めですが、資金使途が自由なフリーローンやカードローンより低い金利で借り入れることができます。また、不動産担保付のリフォームローンでは無担保のローンより低金利で借り入れることもできます。

リフォームでローンを利用した場合、一定の要件を満たせば年末ローン残高の0,7%を所得税額から控除できる「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」の適用を10年間受けることができます。また、耐震改修工事、省エネ改修工事、バリアフリー化などを行った場合に要件を満たせば一定の所得税額の控除が受けられる「住宅特定改修特別税額控除」は、ローンの有無にかかわらず利用できます。但し、利用できる工事には一定の要件がありますので工事を依頼するリフォーム会社によく確認しましょう。

補助金や減税制度で使えるものを利用しながら、今後の生活を見通し、どの工事が必要か優先度を検討しましょう。老後資金が不足することにならないよう複数の見積もりを取った上でリフォームの範囲を検討すると良いでしょう。

【参考リンク】

私が書きました

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福島 佳奈美 (ふくしま かなみ)

ファイナンシャルプランナー(CFPR)。

大学卒業後、情報システム会社で金融系SE(システムエンジニア)として勤務し、出産を機に退社。子育て中の2006年にファイナンシャルプランナー(CFPR)資格を取得する。その後、教育費や保険・家計見直しなどのセミナー講師、幅広いテーマでのマネーコラム執筆、個人相談などを中心に、独立系FPとして活動を行っている。

※執筆日:2022年06月24日