第866回
新型コロナウイルスで納車が遅れる?マイカーローンの契約はどうすればいい?
- 新車を購入予定です。まだ検討中ですが、ディーラーから今後、納車が遅れるかもしれないと言われました。マイカーローンの申込みをどうしたらいいか悩んでいます。ローン審査だけ先に受けておいてもいいのでしょうか?(東京都 Tさん)
- 今後、自動車の生産にどの程度、影響がでてくるかにもよります。多少の納車遅れがあったとしても、ローン審査だけ先に申込みをしておけば、資金面では安心できるでしょう。納車遅れが短期間なら、ローンの実行と納車のタイミングを合わせれば大丈夫です。長期化する場合は、再審査が必要になる可能性もあります。
納車遅れが長期になると、再度、審査の申込みが必要になるケースも
新型コロナウイルスの影響が、さまざまな場面で顕在化してきました。 自動車については、メーカーにもよりますが、部品調達の遅れなどを理由に、生産調整に入っているというニュースを目にするようになりました。 これから購入を検討している人は、納車のスケジュールは十分に確認する必要があるでしょう。
ご相談者のように、新車購入でマイカーローンなどを検討しているケースでは、納車とローン借り入れのタイミングを調整することにも注意が必要になってきます。
もともと、人気の車種などは、納車まで数カ月待ちというケースは多々ありますが、今回はどの車種が、どの程度、生産に影響を受けるのか、現段階では見通しがつきにくい状況にあります。 ディーラーにとっても、購入者にとっても対応が難しいと言えるかもしれません。 今一度マイカーローンの申込みから納車、支払いまでの流れを整理し、どういう対応が必要なのかを理解しておくことが大事になってきます。
すでにマイカーローンの本審査がおり、納車を待つ状態の場合は、納車が遅れることがわかった時点で、金融機関に融資実行の期日を納車に合わせるよう依頼しましょう。 もしも納車遅れが長期になる場合は、いったん契約の延期を検討する必要があるかもしれません。 いずれにしても、本審査が下りていて、納車の目途が立たなければ、金融機関やディーラーに早めに相談し、その後の対応を相談してみましょう。
マイカーローンの審査は簡単に申込みができるが、契約内容変更があれば再審査が必要
一般的なマイカーローンを借りる場合、仮審査は比較的簡単に申込むことができます。 購入予定の車種が決まり、販売会社の見積書があれば、納車日が決まっていなくても大丈夫です。 また、金融機関によっては、車種が決まっていない場合でも申込みが可能で先に借入可能額を確認できる商品もあります。 WEB申込みであれば、即日~2、3日で審査結果の連絡があります。
この審査結果はあくまで仮審査であり、その後実際の注文書(自動車の売買契約書)や所得証明書など必要書類を提出します。 これで本審査となり、審査が通れば、融資契約の成立となります。この時点では、当然のことながら購入車種、購入価格、納車日などが決まっていて、一般的には納車に合わせて融資が実行されることになります。
仮審査の結果は金融機関によって異なりますが、一般的には3カ月程度は有効で、その間に本審査の申込みをすればいいことになっています。 そのため、平常時であれば、納車間際にマイカーローンを申込むのではなく、余裕をもって(複数のマイカーローンとの比較をするためにも)審査の申込みをするのがいいでしょう。 もしも、本審査の前に車種を変えたなど、申込み内容に変更があれば、再度審査の申込みをすることになりますが、そうしたことも考慮して購入の予定があれば、早めの行動がいいと言えます。
本審査が通れば、あとは納車に合わせて融資が実行されます。 融資期日は、納車当日のケースもあれば、納車前の1週間以内に振り込みが行われるなど、金融機関やディーラーの対応によって異なります。ただ、本審査から実行までは、短期間で行われます。 仮審査とは異なり、3ヶ月先でもということはありません。
融資実行まで最短で2週間はみておき、納車の目途が立ってからでも遅くはない
ご相談者の場合、まだ検討中ということであれば、車種が決まり納車の目途が立ってからマイカーローンの申込みをしても遅くはないでしょう。 WEBで申込みができるマイカーローンであれば、仮審査の申込みから融資実行まで、通常約2週間程度です。 あらかじめ自分で準備すべき書類を用意しておけば、慌てることもありません。
ただ、審査に不安があるといったケースでは、やはり現時点で仮審査を受けておくほうがいいでしょう。 万一、審査が通らなかった場合は、別の選択をしなくてはなりません。
新型コロナウイルスの終息の見通しが立たない今、家計に関わる行動は慎重に行うことが何よりも大事です。 生産調整などによる納車遅れなど、自分ではどうにもならないことで不安に陥ることなく、冷静な判断をしていくようにしましょう。
私が書きました
ファイナンシャル・プランナー。
大学卒業後、リクルート(現リクルートホールディングス)に入社。不動産、住宅、マネー情報誌の編集者、マーケティングプランナーを経て2003年独立。フリーランスで各種媒体のエディトリアルアドバイザーを務める。2013年沖縄移住後は、各種WEBサイトに不動産、ライフプラン、マネープランに関するコラムの執筆を中心に活動中。
※執筆日:2020年03月19日