第730回

完済までを計画的に返済。フリーローンの賢い使い方

子どもが習い事をしたいと言い出しました。 月々の月謝はなんとかやりくりできそうですが、入会金や用品の購入など初期費用が結構かかるようで、正直厳しいです。 銀行で借りることも考えているのですが、こういう場合に使えるローンはありますか?(Kさん 37歳 会社員)
資金使途に合う目的別ローンがない場合の選択肢として、フリーローンやカードローンがあります。 どちらも資金使途が原則自由なローン商品ですが、商品内容はかなり異なります。 資金使途が明確で、繰り返し借り入れする必要がない場合はフリーローンがオススメです。

フリーローンとカードローンの違い

子どもの習い事には毎月の月謝以外にもさまざまな費用がかかりますよね。 習い事を続ける上で必要なメンテナンス費用や合宿費、発表会の費用などはこれから計画的に貯蓄をするとして、初期費用を工面しないことには始まりません。

借り入れを考える際には、まず目的別ローンから検討しましょう。 住宅ローンやマイカーローンなどのように目的が限定されているローン商品は金利が低いのが一般的だからです。 Kさんの場合、教育ローンが思い浮かびますが、教育ローンは一般的に、学校教育に関する費用が中心となっており、習い事には使えないケースがあります。

そこで次に検討するのが、フリーローンとカードローンです。 フリーローンとカードローンは、どちらも資金使途が原則自由なローン商品ですが、融資までのスピードや金利、追加融資の可否などに違いがあります。

カードローンは、来店不要で即日融資が可能な商品もあるなど手軽な反面、金利はフリーローンよりも高めです。 そして、契約した利用限度額の範囲内であれば何度でも借り入れ可能な点が大きな特徴です。

一方、フリーローンは、カードローンと比べると融資までに少し時間がかかる場合があります。また、契約時に決めた金額を借り入れた後は、追加の借り入れができません。 追加融資を受けたい場合は、原則改めてフリーローンを申し込み、審査を受け、契約をする必要があります。 金利は、目的別ローンよりは高めですが、カードローンと比べると低めに設定されていることが多いです。 資金使途は原則自由ですが、商品によっては見積書やパンフレット等資金使途や金額を証明する書類が必要になる場合があります。

計画的に利用しやすいのはフリーローン

利用限度額の範囲内であれば、いつでも何度でも追加融資を受けられるカードローンはとても便利ですが、借り入れを繰り返すうちに借入残高がわからなくなってしまったり、返済が困難になってしまったりする恐れもあります。 また、多重債務問題への対策として自主規制を強化する銀行が相次いでおり、銀行ごとの商品内容の差が広がる可能性があります。 急ぎで資金が必要な場合や、臨機応変に借り入れをしたい場合などにはとても活躍する商品ですが、自分の返済能力をしっかりと見極め、計画的に利用する必要があります。

引っ越しや旅行、楽器の購入などのように資金使途が明確で、繰り返し借り入れをする必要がない場合はフリーローンが向いています。 カードローンに比べ金利を低く抑えられる上、一度借り入れた後は返済していくだけなので、計画的な利用が可能です。 なお、フリーローンは臨時返済や一括返済をする際に手数料がかかる場合がありますので、申し込み前に確認しておきましょう。

フリーローンとカードローンは混同されることもありますが、商品内容にはかなりの違いがあります。 目的に合わせてローン商品を選択し、無理のない返済計画を立てた上で上手に活用しましょう。

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私が書きました

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宮野 真弓 (みやの まゆみ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP(R))、一級ファイナンシャル・プランニング技能士。

大学在学中にFP資格を取得。証券会社、銀行、独立系FP会社を経て独立。忙しくても無理なく実践できるメリハリ家計を提案するママFP。 ライフプラン全般の相談業務や家計簿診断、ライフプランセミナー講師、FP資格取得講座の講師として活動中。 学校での金銭教育にも注力している。

※執筆日:2017年06月20日