第719回
2017年度はエコカー減税が変わる?自動車新税制をチェック!
- 自動車ローンを利用して、車を買う予定です。2017年4月から自動車のエコカー減税が変わると聞きましたが、欲しい車が減税を受けられるのか心配です。どのように制度が変わるのでしょうか?(Mさん 宮崎県 30歳)
- 2017年4月からのエコカー減税では、減税を受けられる車の燃費基準が厳しくなります。これから購入を検討する場合、エコカー減税対象車かどうか気になりますね。税金はなるべく安くしたいものですが、車体価格との兼ね合いもありますので、複数の車種で比較検討してみましょう。
エコカー減税とはどんな制度?
エコカー減税とは、国土交通省が定める排出ガスと燃費基準をクリアした自動車が受けられる税金の優遇制度です。 減税適用期間内に減税対象車を新車購入した場合、「自動車取得税」と「自動車重量税」が軽減されます。 また、新車新規登録の翌年度に限り「自動車税」や「軽自動車税」が減税される「自動車グリーン税制」という制度もあります。
自動車取得税は、新車購入時にかかる取得価額に対し、普通自動車は3%、軽自動車は2%の割合で課税されます。 また、車検を行うたびに車の用途や重量に応じて課税される自動車重量税は、新車新規登録の際、次の車検時までの3年分を支払います。 エコカー減税により、これらの新車購入時の税金負担は、かなり軽減されるはずです。現状、エコカー減税を受けている車は、新車販売台数の約9割にも上っています。
2017年4月以降の自動車関連の税金はどう変わる?
自動車取得税は、消費税が10%に増税される際に廃止される予定でしたが、消費税増税が見送られたことから、自動車取得税の継続、及びエコカー減税の2年間の延長となりました。 自動車取得税は2019年3月31日まで、自動車重量税は2019年4月30日までエコカー減税の適用期間が延期されます。また、同様に自動車グリーン税制も2019年3月31日まで2年間の延長となります。
一方で、減税や免税を受けられる燃費基準は段階的に厳しくなるため、エコカー減税の対象となる車が2017年度は新車販売台数の8割、2018年度には7割程度まで絞り込まれる予定です。
対象・要件等 | 平成28年度 | 平成29年度 | 平成30年度 | ||
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電気自動車等* | 非課税 | → | 非課税 | ||
2020年度燃費基準 | +50% | ||||
+40% | |||||
+30% | 非課税 | 80%軽減 | |||
+20% | 60%軽減 | ||||
+10% | 80%軽減 | 40%軽減 | |||
達成 | 60%軽減 | 20%軽減 | |||
2015年度燃費基準 | +10% | 40%軽減 | 20%軽減 | 対象外 | |
+5% | 20%軽減 | 対象外 |
* 電気自動車、燃料電池車、プラグインハイブリッド車、天然ガス自動車、クリーンディーゼル車
【参考リンク】
自賠責保険料や任意保険料は値下げへ
2017年度以降のエコカー減税では、これまでより燃費基準が厳しくなるため、基準を満たしていない車種では税金の負担が増えることになります。
一方で、明るいニュースもあります。近年、自動ブレーキ等を搭載した車の事故率が減っていることを受け、自賠責保険料が2017年4月から9年ぶりに値下げとなりました。 2年契約の場合、自家用乗用車は2,010円引き下げの2万5,830円、軽自動車は1,300円引き下げの2万5,070円となります(沖縄・離島を除く)。 また、損害保険料率算出機構が2018年1月から自動ブレーキの搭載車の自動車保険料算出の基準となる「参考純率」を、約9%安くすると発表しています。自動ブレーキ搭載車の任意加入の自動車保険料に関しても、2018年以降引き下げられる見通しです。
税金や保険料の負担も考慮し、総合的に判断
支払う税金はなるべく安くしたいものですが、燃費基準を重視すると、車体価格が高くなってしまう可能性もあります。 自動車ローンを利用して購入する場合は、毎月いくら自動車ローンを支払えるか、税金や保険料負担の維持費も考慮に入れて把握しておきましょう。 自分が購入できる車体価格を踏まえ、燃費基準も参考にしながら複数の車種を比較検討し、維持費も安くできる車を選ぶと良いでしょう。